淡さを形に

面白い作品を面白いと言うだけのブログです.考えたことの備忘録として使うのが主 .考察っぽいことや演出とかに触れることもありますが別段その手のものを勉強しているわけではないのでかなり適当です. Twitterでは@tkihoroloのアカウントにてたまに話してたり話してなかったりします.コメント等あればTwitterにリプ投げてくれると嬉しいです.

シンデレラガールズ第十七話 考察っぽいなにかと感想

この記事ではシンデレラガールズ第17話について自分が考えたこと感じたことについてまとめています。

今回のお話では美嘉、莉嘉ちゃん、みりあちゃんの3人の悩みが中心となって物語が進みます。
その中で莉嘉ちゃん、みりあちゃんの悩みを解決することによって美嘉に影響を与えていきます。

今回はその美嘉の影響を受けていく流れの観点、また、2期のキーワードである「自分自身の力で進む」という観点から書いてみました。

それでは以下からが本文です。

考察っぽいなにか 

初めの方に美嘉と社員の方々で仕事関連のことについて揉めていたシーンがありました。

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美嘉「これって....」
男性社員「上からのお達しなんです」 
女性社員「次は、化粧品メーカーとのタイアップで、高級感ある大人路線でいくって....」
美嘉「けど!アタシはこれまでギャル系ファションで....」
男性社員「わかってます....でも、これ以上つっぱったらウチの部署自体どうなるか....」
女性社員「結果出せてないとこは、本格的な整理が始まるんじゃないかって噂をあるし....」
美嘉「まさか、奈緒と加蓮のCDデビューが中止になったのって....」
男性社員「ああ....いや....とりあえず新規の動きは凍結ってだけで」
女性社員「でも、この先どうなるかは....」 

この会話が挟まれる前のシーンでは次のようなカットがありました。

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ギャル系ファッションの中心地である渋谷、広告内での衣装、喫茶店で若い女性が美嘉が表紙の雑誌を手に取っていることから今までの美嘉のアイドルの方針が描写されています。
しかし、上から高級感ある大人路線に変更とお達しを受け、今までのギャル系とは正反対の方針が提示されました。

路線変更の話、新規の動きは凍結した話を受け、美嘉は言いたいことがあるけれども立場上、下唇を噛みそれを飲み込むことしか出来ませんでした。

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その後レッスンシーンが挿入されます。

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靴がボロボロになっているカットが挿入されていることからわかるように、かなりレッスンを続けている様子です。
こちらのレッスンシーンについて作中内で何か明確になっていたわけではないので自分の想像になりますが、言いたいことがあっても、立場上それを言うことが出来ない悔しさを靴がボロボロになるまでレッスンをし、体を動かすことで紛らわせようとしているのだと感じました。

 

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大人向け路線として新たに売り出された美嘉の様子が映し出されます。1枚目、3枚目のカットに注目してみると、学生と思われるような人物が立ち止まっています。新たな路線とは異なる年齢層ではありますが、今までの路線から考えて美嘉にはその年齢層のファンがいます。路線変更した直後なので、この時点ではまだ今までの路線の美嘉のファンであった学生にも反応がある様子です。

 

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書類に注目してみると、常務が来ることで飛躍的に業績が上がっていることがうかがえます

ここでの常務のセリフを一部振り返ってみます。

常務「それぞれのやり方、そんなものは必要ない。私も何度も言ったはずです。アイドル達の個性に合わせ、企画を立て、進行させていたのでは、成果が出るのが遅すぎる。なにより、そんなやり方は、美城の名にふさわしくない。出来て数年と言えど、美城プロダクションは歴史ある総合芸能企業、美城グループの一部なのです。アイドル達の特性を伸ばす、大いに結構。しかし、それは飽くまでこの会社にふさわしいものでなければ。美しい城には、それに見合うお姫様を、私はそう考えています。」

このセリフから今までの常務の行動の理由が説明されました。行動の理由として業績があったことはこれまでにも描写されていましたが、それだけではなく現会長の娘として「美城」という名に誇りを持ち、その名にふさわしいものにするという動機のほうが大きいようです。

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また、セリフの途中でこの1カットが挿入されました。「美しい城には、それに見合うお姫様を」と言っていたように、お姫様が履くようなハイヒールを映すことで、常務自身が美城の名にふさわしい人物であることを示しているように感じさせます。

シーンを大きく進めて、莉嘉がとときら学園に出演することが決まり、嬉しさのあまり美嘉に電話している際に次のカットが挿入されました。

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この時点では莉嘉は自分のやりたいことをやれている最中であり、ギャル系の服を着ているあたりからもそのことがうかがえます。対して美嘉は自分のやりたいことをやれず大人向け路線で売り出されており服装もそのようなものになっています。ここに姉妹の対比が見られます。

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みりあ「あのね!お母さん!私、今日」
(赤ちゃんが泣く)
みりあ母「あ、はい!よしよし!今行くからね」
みりあ「お母さん、私テレビのお仕事....」
みりあ母「あ、ごめんね!後で聞くから」
みりあ「うん....」

みりあちゃんも11歳でまだまだ母親に甘えたい時期のようですが、母親も母親で赤ちゃんの面倒を見なければいけないので中々手が離せない状況です。みりあちゃんはこの状況に多少不満を持ちつつも迷惑をかけてはいけないと言葉を飲み込んでいる様子です。

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同じクラスの男子に「テレビでアタシがセクシー派カリスマギャルってことたっぷり見せてあげるから覚悟しときなさい!」と言ってしまった手前、衣装がスモックであることに不満を持っている様子がわかります。

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プロデューサーへ電話をかけているシーンですが、莉嘉だけ場所だけ影がかかっています。莉嘉だけ、この仕事に完璧に満足できていないことからこのような演出が為されていると思われます。

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莉嘉が自分の足元を確認するでこと、自らの進む方向について悩んでいることが強調されているように思えます。

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莉嘉「(番組は)ア、アタシもばっちりだったよ。大丈夫!余計な心配しないで。うん。なに言ってんの!こっちはアタシたちに任せて、そっちがんばって」

プロデューサーへの電話の際も心配させないよう気丈に振舞っています。シンデレラプロジェクトが今立たされている状況と、その中で一生懸命仕事を通してくれたプロデューサーを理解しているからこそのこの振舞いであり、気を遣わせないようにしています。

 

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みりあ「お母さん!私ね!」
(赤ちゃんが泣く)
みりあ「あ....」
みりあ母「はいはい!ごめんね、みりあ、ちょっと待って」
みりあ「....うん!大丈夫........」

ここでも改めて描写されており、母親に構ってもらえず不満に感じている様子です。

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学生A「なーんか美嘉ちゃんイメチェンしたよねー」
学生B「カッコいいけど遠いとこの人になっちゃったかんじー」

元々のファン層である学生から「遠いとこの人」と言われていたように路線変更が世間にも定着してきた様子です。広告で立ち止まっていた学生もいなくなっていることからもだんだんとファン層が変わってきているのかもしれません。しかし、やはり美嘉はその状況を芳しく思っていないことがうかがえます。

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美嘉「 しょうがないじゃん....アイドルは遊びじゃないんだから、わがままなんて言ってらんない。でも....」

冒頭でギャル系路線の美嘉が広告になっていた場所が、今では大人路線の広告に差し替わっています。このことから路線変更してからも活躍を多くし、世間的に評価を得ていることがわかります。しかし本人はこの路線について思うことがある様子です。1枚目のシーンにて足が重くなりつつも階段を昇るシーンを入れることで、これらの状況と美嘉の感情を端的に表現してるように思えます。

 

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莉嘉「お姉ちゃんだったらどうするんだろう....」 

莉嘉が目指すアイドルとは姉である美嘉であり、それは4話での自己紹介で「夢はお姉ちゃんみたいになること!」といっていることや普段から姉を意識していることからわかります。今回においても「姉ならどうするか」と、行動の基準を姉としております。

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「姉ならどうするか」を聞くべく部屋を訪れてもまだ美嘉は帰ってきてないようです。
その直後に美嘉が部屋に帰ってきます。

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 莉嘉「今度のお仕事で幼稚園の服着せられるの。あんなんでテレビ出たら、アタシ絶対みんなに笑われちゃう。ガキだってバカにされちゃうー....」
美嘉「そんなことで」
莉嘉「そんなことじゃないよー!アタシお姉ちゃんみたいになりたいんだもん。だから絶対イヤ!着るんだったら今お姉ちゃんがやってる大人っぽいのがいいー!」
美嘉「........だったら、だったら辞めちゃいな、アイドルなんて」
莉嘉「え....?」
美嘉「好きな服着たいだけだったら、アイドルでなくてもいいでしょ。遊び半分じゃ真面目にやってる他の子に迷惑になるから!」 

莉嘉は姉を目指すべく、「今お姉ちゃんがやってる大人っぽいのがいい」と発言しています。美嘉が大人路線を嫌がっているということは知らず、好んで着ていると勘違いしているからか、その路線に対して憧れを持っています。しかし、当人である美嘉は好んで大人路線しているわけではありません。この路線に対して言いたいことはあれど評価を受けている以上ワガママは言えず、「アイドルは遊びではない」と割り切って仕事をこなしています。自分の悩みに気づかずそれに憧れる妹、自分が言えないワガママを言っている妹、その2つに苛立ちを感じ莉嘉に怒ってしまったのだと感じられます。

シーンを進めると次のようなカットがありました。

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悩みを解決しようと美嘉に相談してみたはいいものの。ワガママを言ってしまったため怒られてしまった莉嘉は、美嘉の広告を見ることで今後どのように進めばよいか悩んでいるように思えます。

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また、みりあちゃんのカットは前方に親に構ってもらえる子供を描くことで対比を演出しています。

さり気なく挿入された2カットですが、今回の話においての2人の悩みが端的に表されていました。

さて、そこからシーンを進めると莉嘉の悩みについてのお話が始まります。

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莉嘉「とときら学園のことなんだけど....」
きらり「そうだったんだ....」
莉嘉「このお仕事、シンデレラの舞踏会のためにもがんばらなきゃってわかってるんだけど....でもどう考えていいかわかんなくなっちゃってワガママ言っちゃったの。そしたらお姉ちゃんにも怒られちゃって」 
智絵里「プロデューサーさんに、相談してみたら?」
莉嘉「ダメだよ、これくらい自分でどうにかしなきゃ」

 シンデレラプロジェクトやプロデューサーのためにもとときら学園は頑張らなければいけませんが、やはり衣装のことについての悩みを解消することが出来ません。姉に相談してもワガママを言い怒られ、プロデューサーが忙しいことを理解しているからこそ相談も出来ず1人で追い詰められてしまっています。

ここで美嘉と莉嘉の飲み物に注目してみます。

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悩んでいる際には美嘉のシーンではコーヒー、莉嘉のシーンでは紅茶が描かれていました。この点において対比が為されていると考えられます。
美嘉と莉嘉の悩み自体は共通していて、自分が求める路線とは異なる路線でお仕事を頑張らなければいけないということです。しかし、その悩みに対しての姿勢が異なり、美嘉は甘んじて仕事を受け活動していましたが、一方莉嘉は不満に思ったことについて答えは出せずともどうにか出来ないかと考えています。この点についての対比ではないかと自分は考えました。

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杏の「何を着たって自分は自分」という意見ときらりの「自分らしく工夫をするとハピハピになる」という意見、また、自分のネイルを見ることで服以外でも自分を主張できることに気づき、莉嘉は悩みを解決出来た様子です。

 

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一方シーンは変わり、みりあちゃんと美嘉で一緒にお出かけした場所は渋谷のようです。ここで渋谷が選ばれることから美嘉の本当の気持ちが表れているように思えます。

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みりあ「あー楽しかったー!!」
美嘉「その分だと胸のモヤモヤどっかいったみたいだね」
みりあ「うん。あたしね、今おねえちゃんなの。妹が産まれて、お母さんお世話大変で、妹が泣き出すとそっちばっかりになっちゃって」
美嘉「あーわかるなー」
みりあ「えっ?」
美嘉「アタシも莉嘉が産まれてすぐはママに聞いてほしいことがあっても、『美嘉ちゃん後で、莉嘉が泣き止んでから』って」
みりあ「........!!....そう!そうなの!」
美嘉・みりあ「あははっあはははっお姉ちゃんってつらいよね!」
美嘉「これからお姉ちゃん同士協力していこっ!つらいことがあったらいつでも聞いてあげる!」
みりあ「じゃあ!美嘉ちゃんもつらいことあったら絶対私に言ってね!」
美嘉「アタシはつらいことなんて何にも....」
(美嘉がふいに泣きだして)
美嘉「あ、あれっ。何だろアタシ、目にゴミでも....」
(みりあちゃんが美嘉を抱きしめて)
美嘉「ごめんみりあちゃん」
みりあ「いいよ。お姉ちゃんだって泣きたいときあるよね」 

 まずみりあちゃんのモヤモヤについてです。妹が産まれてお母さんがそっちばかりになってしまって話したいことがあっても妹の後回しになってしまって今までのように母親に甘えることが出来ませんでした。モヤモヤの正体はここから来るものであり、恐らくみりあちゃんにとってこのように一緒にお出かけしてたくさんお話しできるような相手は母親しかいなかったのではないでしょうか。もしもお父さんであったり、他の人がそのような役割を果たしているならば今回のように母親が構ってくれないことに対してここまで不満に思うことはなかったのではないかと自分は考えています。そんな状況のなかで美嘉と一緒にお出かけすることでそのモヤモヤが解消できたのではないでしょうか。

そして妹が産まれたことで母親が構ってくれないということを美嘉に伝えると、美嘉はそれに共感してくれました。その共感に対してのみりあちゃんの反応は「えっ?」と驚いています。そしてその後の美嘉の話に対しても初めて自分のこの気持ちを理解してくれる人に出会ったかのような声遣いや表情で「そうなの!」と、その気持ちを伝えています。

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まず美嘉の共感してくれたことに対しての「えっ?」についてです。
みりあちゃんは「お姉ちゃん」という立場に頭ではわかっていても、心の中ではまだ実感していなかったのだと思われます。美嘉に「おねえちゃんなの」と自分から言っていることから、その立場についてはわかってはいるようです。しかし、「お姉ちゃん」というものがどういうものか実感していないからこそ、母親が妹ばかり構っていることに対してどこか不満気を帯びた気持ちになってしまいました。
そして、美嘉も「お姉ちゃん」として同じ気持ちになったことがあるということを聞き、それに対し「そうなの!」と共感することで、初めて「お姉ちゃん」とはどのようなものであるかを実感します。美嘉の体験談を聞き、自分の気持ちを理解してくれる人に初めて会ったかのような表情をしたのはこのためであり、今まで「お姉ちゃん」とはどういうことなのかを知らずに不満に思っていました。しかし、同じ「お姉ちゃん」である美嘉と同じ体験をしているということを知り、自分以外にも同じ気持ちになっている人がいることで、ここで初めて「お姉ちゃんになる」ということを理解しているように思えます。

そしてここで何故美嘉が泣いてしまったということについてです。美嘉はここまでの話で示されていたように自分が望まない路線であってもそれを甘んじて受けるしかなく、誰かに相談することもありませんでした。正確には相談する人がいなかったと言えるでしょう。もちろんこのことは妹に相談するわけにはいかず、相談するにしても同じ部署の社員くらいでしょうか。しかし、その同じ部署の社員には「これ以上つっぱったらウチの部署自体どうなるか」と言われ頼る場所がなくなってしまった都合上、美嘉は新たな路線を受け入れるという選択しか出来ませんでした。しかし、ここでのみりあちゃんの「じゃあ!美嘉ちゃんもつらいことあったら絶対私に言ってね!」というセリフを受けて初めてここで想いを吐露出来る人物に出会います。本当にこの事情を話したかどうかは別として、つらいことを言える関係というものが初めて出来たという部分からふと泣いてしまったのだと思えます。

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こうして2人の気持ちが晴れたことを表すかのように明かりが灯りました。

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みりあ「お母さん、おはよう」
みりあ母「おはようみりあ。朝ごはんすぐ出来るから顔洗って..」
(妹が泣き始める)
みりあ「お母さん、こっちは私がやるから」
みりあ母「ごめんね、じゃあちょっとよろしくね」
(少し間を置き)
みりあ母「ありがとう、みりあ」
みりあ「えっ?」
みりあ母「みりあもすっかり頼もしいお姉ちゃんね」

今までは、妹が泣き始めても母親の手伝いに入ることはなく、自分が構ってもらえないことについて不満を持つだけでした。しかし、「お姉ちゃんになるということ」を美嘉との会話で理解することで、「お姉ちゃん」という実感を持ち、妹が泣いた際には母親を手伝うようになりました。
きちんと「お姉ちゃん」になれたということは、「みりあもすっかり頼もしいお姉ちゃんね」という母親のセリフからも示されています。

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みりあ「妹が出来てお姉ちゃんになりました!お姉ちゃんファイト!の赤城みりあです」

「お姉ちゃん」になったということ、そしてお姉ちゃんもつらいことがわかった上で「お姉ちゃんファイト!」ということを母親からのセリフではなく、みりありゃんが自ら言うことでその成長が見られます。

そして莉嘉ちゃんがどのように成長したかが次のシーンで明かされます。

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莉嘉「セクシー派カリスマギャルの城ヶ崎莉嘉でーっす!」 
十時「へえー莉嘉ちゃんは園児なのにギャルピースなんですかー?」
莉嘉「だって、アタシはアタシだしー隠れたおしゃれも忘れませーん!」

 莉嘉は杏の「何を着ても自分は自分」、そしてきらりの「自分らしく工夫をするとハピハピになる」という言葉を受け、スモックを着て仕事の条件を満たしつつも自分が「ハピハピになる」ために鞄にシールを貼るなどして自分らしくおしゃれをし、「何を着ても自分は自分」ということを体現しています。

ここで2期のキーワードである「自分自身の力で進む」という観点からみりあちゃん、莉嘉ちゃんを見ていきます。

まずみりあちゃんについてですが、「母親が妹ばかりに構って自分が後回しにされる」という問題についてやはり直接なにか解決につながることを誰かに教えて貰ったわけではありません。美嘉と話し、「お姉ちゃん」のことについて共感してもらっただけであり、「自分」で「お姉ちゃんになること」について理解し、そして問題を解決しました。

そして莉嘉ちゃんについてです。莉嘉ちゃんは一度は姉にどうするべきかと相談をしたものの、ワガママを言っていまい怒られてしまい結果的に特に何かアドバイスをもらえたわけではありませんでした。そして、智絵里から「プロデューサーに相談してはどうか」と投げかけられても、プロデューサーに気を遣い相談していません。莉嘉の衣装に対する不満の解消方法は、きらりと杏の会話の中から「自分」で気づき実践した内容となっています。

やはり、この2人においても「自分自身の力で進む」ということは守られています。

また、今回注目すべきは莉嘉ちゃんの問題についてです。今の美城プロダクションの状態は常務とプロデューサーの対立というであり、視聴者から見て端的に表すと常務が「悪」であり、プロデューサーが「善」という図式になっています。(例えに語弊がありますがご了承ください)
ではその「善」であるプロデューサーについていけばアイドルがみんな「本当の笑顔」になれるかと言われたら答えはNOであり、それは今回の莉嘉ちゃんの悩みによって説明できます。
莉嘉ちゃんのお仕事は常務が持ってきたお仕事ではなく、プロデューサーが持ってきたお仕事であり、路線変更などもなく今までの莉嘉ちゃんとしてのお仕事でした。しかし、そうであっても莉嘉ちゃんはスモックが衣装であることを知り、どの不満を隠せませんでした。

ここからわかることはアイドルが「本当に笑顔」になるためにはやはり「自分自身の力で進む」ということがキーワードになっているということです。プロデューサーが仕事を持ってきたから、というわけではなく、自分自身の力で進むことが重要ということが表されていた回でした。

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美嘉「良い番組になりそうじゃん」
プロデューサー「はい、みんな笑顔で輝いています」

2人とも自分自身の力で進んだこともあり、プロデューサーのセリフからも「笑顔で輝いている」という言葉が登場します。「作られた笑顔」ではなく「本物の笑顔」によって番組が成り立っていることがわかります。

 

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今週も無事時計が動いたのですが....53分になっています。16話では51分に動いたのですが、1分飛ばされています。と、そのことについて色々考えようと思ったのですが、よく見たら5分刻みの時計じゃなくて6分毎に刻んでいますね....あんまりこういう片づけ方はしたくはないのですが、作画ミスで良いのでしょうか....?とりあえず18話の長針の位置を見てみない限りは何も言えなさそうです。

 

さて、シーンを進めると美嘉が莉嘉の「だってアタシはアタシ」という言葉を受け何かヒントを得たようです。

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服装は大人路線という方向を保ちつつも、ギャルピースをし、今までの美嘉のギャル系路線のポーズをしています。
大人路線の服を着ていても美嘉は美嘉であり、それ故にギャルという要素は外すことが出来ません。それは今までの美嘉の路線であったり、お出かけをする際にも渋谷を選んでいたりと行動にも表れているように思えます。
莉嘉ちゃんの言葉を受けて、大人路線の服を着ていても「アタシはアタシ」を体現すべくポーズはギャル系路線となっています。

この広告を見ていた時に城ヶ崎姉妹で次のような会話がありました。

莉嘉「やっぱお姉ちゃんって言ったらこれだよね!」
美嘉「当然!なんたってアタシはカリスマJC城ヶ崎莉嘉の姉だからねっ!」

 このセリフで重要となるポイントは美嘉が自分のことを「カリスマJK城ヶ崎美嘉」ではなく「カリスマJC城ヶ崎莉嘉の姉」と発言していた部分です。自分のことではなく、妹の方を強調しています。

17話では美嘉と莉嘉での悩みは「自分の求める路線とは異なる」という点で共通していました。美嘉はそれを甘んじて受け入れ、莉嘉は「自分は自分」という言葉をきっかけに納得のいく答えを見つけ出し、スモックを着つつも「カリスマギャル」を表現します。
美嘉はこの答えにはたどり着かず、莉嘉のセリフからこの事について気づくことが出来ました。

共通の悩みを持ちつつも美嘉がたどり着けなかった答えを見つけだした点において莉嘉のことを評価しているからこそのセリフだと思われます。何を着ていても自分を表現することが出来るということに気づかせてくれました。その点に関して、ある種の尊敬の意を込めているのかもしれません。それ故に自分のことを「カリスマJK城ヶ崎美嘉」ではなく「カリスマJC城ヶ崎莉嘉の姉」と称し、莉嘉を褒めているのだと自分は考えました。

以上で考察っぽい何かを終了します。

感想

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常務の姿勢の良さとタイピングの静かさ....!
自分のガチャガチャ鳴るタイピングとは大違いです。

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このカット最初見たとき最近の流れから全員ボイスつくの!?って驚いてました。全員じゃなかったですけどね

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でも2人つきましたね!最近ボイスつきのペースが速くなったのでなんかもう驚きが追いつかなくなりました。

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_人人人人人人人人人人人_
> 突然のぴにゃこら太 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
CV大橋彩香さんなのが面白い

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このシーンだけじゃ伝わりにくいですが、プロデューサーがとときら学園のスモックに対して「少し変更があったようですが」と言っていました。
スモックが趣味のプロデューサーなんていなかったんだね....!!

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莉嘉ちゃんが電話でプロデューサーに気を遣わせないように気丈に振舞っている様子を見ているときのきらりです。このちゃんと理解してあげてる感じの表情が良かったです。

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歌詞が「Romantic Now」な感じがしますね

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完全にありがとう案件

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あれこれ中の人じゃないですかね

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かわいいのもそうなのですが、画面越しであることを伝えるためにエフェクトがかかってるんだなーって

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このシーンもセリフと合わせて見ないとわかりづらいのですが、足の動きで感情を語るような表現がなんかよかったなーと

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ここの声優さんのみりあちゃんの感情に合わせた声の震え具合がもう素晴らしいってレベルじゃないんですよ!!!!本当に!!!ここだけじゃなくて、「お姉ちゃん」とはどういうものか知った後からずっとですね!!めっちゃ良かったです!!!!

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赤城みりあちゃんにありがとうしか言えない身体になってしまった

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「頑張って」とか漢字で書けるなら「みにきて」も漢字じゃダメだったのだろうかみたいなことはふと思ったり
ただこういう風にお手紙で謝るのはなんかほっこりしていいですね

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一瞬みりあちゃんがポニテに見えるカット

 

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これも動画じゃないと伝わらないのですが、立ち上がるシーンが他のシーンと比べてぬるぬるしてて、莉嘉ちゃんがこれから「何かする」んだなぁってすごい伝わってきてすきです

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正に本物の笑顔って感じですね

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EDであった1カットなのですが、自分が出演した番組を親に見てもらうために、ちゃんと「お姉ちゃん」として妹の面倒を親の代わりに見てあげていることに17話の成長というものが感じられますね。親も家事と育児で大変であり、これまでは自分の主張をした際も後回しにされていました。しかし、17話を経て自分の主張をする際はちゃんと家のことを手伝い、親の負担を軽くしてあげる姿勢が見られます。

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大人路線の美嘉の広告を前に笑顔で本人がいられる辺りに、納得のいく解答が見つかったのだなぁとしみじみと感じさせますね

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身長差的に凸が出来てるし事実上の凸レーションと言えるのではないだろうかとかくだらない事考えてました

莉嘉ちゃんの服が美嘉と似ている辺りに、莉嘉の憧れであったり姉妹の仲の良さであったりと見えてきそうで楽しいですね
赤メガネ3人なのも莉嘉はもちろんのこと、みりあちゃんも美嘉から影響を受けた(?)のかなーとかも考えちゃいますね。

今回、みりあちゃんの謎に溢れる母性だったりが印象に残りやすかったりするのですが、みりあちゃんだけじゃなくて莉嘉ちゃんの魅力も非常に溢れていたと思います。プロデューサーが苦労してとってきた仕事ということを理解して気を遣わせないようにふるまったり、壁にぶつかったときはきちんと相談をすることが出来たり、それでいてちゃんと年相応なワガママも言えているんですよね。ただ単にお姉ちゃんに憧れていたり、ギャル系な女の子というわけではなく、きちんと自分で考えることも、他人の様子を見て気を遣ってあげたりすることも、そしてちゃんと他人に甘えることも出来ていて魅力に溢れていたなぁと感じさせます。

あとは姉妹特有の感情というものが見れて今回楽しかったですね。妹が出来て勝手が変わり今までのように甘えられなくなってしまって悩んでしまうみりあちゃんだったり、妹のふとした言葉に怒ってしまった美嘉であったりと家族の距離感というものが多く描かれていました。シンデレラガールズではアイドル同士の距離感が多く描かれることが多い都合上、このような距離感が見えた17話は色々新鮮で非常に楽しむことが出来たかなと思います。

以上で感想を終了します。

ここまで読んでくださった方はありがとうございました!