淡さを形に

面白い作品を面白いと言うだけのブログです.考えたことの備忘録として使うのが主 .考察っぽいことや演出とかに触れることもありますが別段その手のものを勉強しているわけではないのでかなり適当です. Twitterでは@tkihoroloのアカウントにてたまに話してたり話してなかったりします.コメント等あればTwitterにリプ投げてくれると嬉しいです.

シンデレラガールズ第二十六話 考察っぽいなにかと感想

シンデレラガールズ26話について自分が考えたこと,感じたことについてまとめています.  

26話ではシンデレラプロジェクトのメンバーの姿がショートストーリー形式で送られていきます.その為かややいつもより日常回に寄せられている様子です.これまでの記事とは異なり,静止画キャプチャなどはほぼなく文字だけになります.26話web予告で登場してたシーンに関しては静止画キャプチャを載せています.あと感想のほうが比重多めです.

それでは以下からが本文です.

考察っぽいなにかと感想

26話のタイトルは「Anytime,AnyWhere with Cinderella」です.簡単に訳して見るなら「いつでもどこでもシンデレラと共に」といった感じでしょうか.26話はショートストーリー形式であることや内容も仕事の一面や日常の一面など色々な姿が切り取られているということからもなんだか納得出来るタイトルですね.

また,各作品によって時間軸が異なる様子です.気づいた範囲でその辺りにも触れていこうと思います.

アイドルマスターシン選組ガールズ

自分自身新選組をよく知らないのでその辺りとは絡めて話せないのでご了承ください.そして開幕から奈緒のえっちな姿から始まってアレとなる.

この時の奈緒だったりその後登場するキャラだったりと,ちゃんと各々の性格が反映されたセリフがたくさん登場してて良いですよね.ちょっと先のシーンですがかな子が饅頭を食べながら「美味しいから大丈夫だよ」って言い始めたときは当時のアドリブが公式でネタにされてたりする部分が面白いなぁと思います.

途中のみくとりーなの時代劇に全く合わない格好にちょっと笑っちゃいます.

殺陣のシーンがカッコいいのもそうですが,シンデレラガールズにしては珍しい血のカットが登場します.一応深夜アニメという括りなので登場しててもおかしくはないんですけど普段とは大きく離れた表現を見るとやはりOVAならではの演出なのかなって思わせます.

あとこれはだいぶ自分の先入観が大きいのかもしれませんが,劇中劇内で自分の元々の性格が見え隠れしてるキャラとそうでもないキャラがいます.もちろん未央は後者なわけなのですが,未央は本編内で演技の練習をしてたことを加味してか普段のノリとやや声色が異なって聞こえるのも興味深い点なのかなと思います.確かに凛も後者のグループではあるとは考えられるのですが,声のトーンに関してはいつもどおりな気は個人的にしました.

NGsで歌われるAbsolute NIneもこのためだけに録ったのかと考えるとOVAの豪華さを感じますね.

そして最後に自分の手についた血を見ての卯月のセリフです.

卯月「な,なんじゃこりゃあああああああ!!!!」

松田優作じゃねえか!!

では時間軸の話です.美城プロダクションのエントランスと思わしき場所にシン選組ガールズのポスターが存在するシーンが挿入されること,またそれと同じ時間に地下のシンデレラプロジェクトルームにて部長がプロデューサーに対して「久しぶりじゃないかい?この部屋も」と言っていることからもこのお話については単純に25話以降の時間軸と見ても良さそうです.

蘭子ちゃんと小梅ちゃんのお仕事

さっそくですがセリフを抜粋します.

小梅「蘭子ちゃんが一緒にお仕事してくれるとは....思わなかったな」

蘭子「ほぇ?」

小梅「こういうの,苦手なんでしょ?」

蘭子「そ..!.....そのようなことは....」

小梅「でも....ホラー映画鑑賞会,いつも来てくれないし」

蘭子「それは儀式が....う,うん,本当はすごく苦手....でも!さっきからずっとドキドキして怖いけど楽しいなって」

小梅「私もドキドキしてるよ」

蘭子「え?」

小梅「こういうお仕事,1人が多かったから,かな.新しいホラー映画,初めて見る時みたいに,次は何が出てくるんだろうってドキドキしてる」

(蘭子が手を差し伸べる)

小梅「!」

蘭子「冥界の魔術師よ.共に新たな世界を築こうぞ!!」

小梅「うん!(手をつかむ)」

(写真撮影後)

小梅「お,おつ....」

小梅・蘭子「闇に飲まれよ!」

まず,ここで撮影された写真についてです.こちらの構図は20話にて見せていたハロウィンイベントのPV撮影のポスターと同一であるということです.したがって20話以前であるということがわかります.つまり今回のお話はどのようにして蘭子と小梅ちゃんが仲良くなったのかという部分に触れていると言えるでしょう.

20話以前ということから蘭子の「ドキドキして怖いけど楽しいなって」というセリフは冒険しているということを指していることが考えられます.20話にて蘭子がこの時のことを「挑戦するのは楽しいから!」と言っていることからも同じことを考えられそうです.

蘭子だけでなく小梅ちゃんについても今回のお仕事は同じことを思っている様子です.1人のお仕事が多かったのに対して蘭子と一緒にお仕事をすることで新しいホラー映画を見る時みたいにドキドキすると述べています.以前蘭子も1人でお仕事することが多かったことを考えると案外似たもの同士なのかもしれませんね.

(恐らく)こんな共通点が存在したからか蘭子から小梅ちゃんに対して手を差し伸べます.この時のシーンで蘭子ちゃんの後ろに光源が設置してあり,小梅ちゃんはその光に対して手をつかむ構図となっています.ここから二人は仲良くなったとも言えるでしょう.その結果からか最後に「お疲れ様です」という言葉を「闇に飲まれよ!」と言い換えている部分に表れているかと思います.

この会話の後,小梅ちゃんが「あの子」の存在について触れた時蘭子は悲鳴を上げていました.冒険として苦手なホラーのお仕事をして楽しいなって感じたことは事実ですが怖いことにはまだあまり慣れていない様子です.こちらについても20話にて「い、未だ克服するには険しき山ぞ....」と述べていることからも同じことが言えそうですね.

あんきら新田ーニャの大貧民

海が見える構図から始まること,また合宿の時と同じ机を使っていることからこちらの時間軸は12話の合宿の最中であることがわかります.

時刻はAM12:05を指しています.昼間のレッスンを終え,合宿ということでテンションが上り次の日のレッスンを考えず夜中まで遊んでいることからも,魔法が解けて(アイドルとしてではなく)純粋に女の子たちが遊んでいる日常的なシーンを切り出したことを強調しているのだと考えられます.

すごいどうでもいいことなんですけど「大貧民」なんですね.自分は「大富豪」って呼んでたので地域差を感じる瞬間でした.

ではまず始めのセリフを引用してみます.

きらり「きらりは大丈夫だけど,みんな寝なくて大丈夫?」

美波「うん!お泊りなんて久々だからかな.なんだか興奮しちゃって!」

杏「興奮して眠れないなんて案外お子様だね~」

本編内では終始お姉さん役として描かれていた美波ですがここで杏が言うとおりお子様っぽい瞬間を見せ始めます.それだけなら良いのですが,このセリフが後の美波の勝つまでやめないという行動の裏づけともなっていると考えられます.

個人的にすきなのが杏の罰ゲーム導入のセリフですかね.罰ゲームというと美波が「あんまり恥ずかしいのはやめてね」って言っていたように変なのがぶっこまれるイメージですが,ここで杏が指定したのは「ジュースを持ってくること」でした.飽くまでも罰ゲームを導入したのは盛り上げるためという理由だけだったのかなと感じさせるセリフが非常に良さを感じました.杏ちゃんの優しさ.

f:id:tkihorolo:20160228232004p:plain

:metal:にしか見えないってweb予告の時から言ってる.

アーニャの罰ゲーム内容で「ワンって言ってください」ってのが普段からそういう服従させたい欲があるのかなとか一瞬思っちゃいましたけど多分普通に考えるなら定番,というよりすぐに思いつきそうな単純な罰ゲームだから日本語にあまり慣れてないアーニャが言ったってだけだと思います.

さて,美波の負けず嫌いモードのスイッチが入った瞬間についてです.

この時の美波のセリフが以下のものになります.

美波「見てて!アーニャちゃん!次は絶対!大富豪になるから!」

勝たなきゃ嫌だっていう単純な理由ではなくアナスタシアに大富豪になった瞬間を見せたいという点がポイントなのかと思います.

その直前にアナスタシアに「美波,少しヘタですね」と言われて「うっ」ってなっている辺りや,最初にアナスタシアに対して札の切り方を教えていたりと,アナスタシアに対しては出来るお姉さんでありたいというちょっとした想いが見えているのかもしれませんね.これに関しては感じ方に個人差が出る部分だと思いますので飽くまでも自分はこう思ったってだけです.

とときら学園臨海学校ロケ

かな子のダイエット方法の話からもここでのお話は18話以降ということが読み取れそうです.

劇中で登場する美嘉の水着ですがゲーム内にもありましたね. f:id:tkihorolo:20160229000032p:plain セクシーだ.同じくゲーム内の水着イラストが使われてたのは仁奈ちゃんもでしたね.

さて,今回のお話はかな子が提唱するダイエット方法を実践することでお話が展開されていきます.ではここでその方法を挙げます.

  • お肉をいっぱい食べるといいよ
  • 好きなものはがまんしないでストレスを溜めないのが大事なんだよ.だから私,お菓子はやめないことにしたんだ!
  • 美味しいから大丈夫だよ

最後の方法はともかく,18話にて自分のすきなものをがまんした結果倒れてしまったことからかな子は再び食事制限についてはあまりしてないことがわかります.自分自身で進んだ結果の表れとも言えるかもしれません.

しかし,この方法で実際にかな子の体重が減っているオチからも体重を全く気にしていないということに繋がるとは言えません.18話を経てきちんと自分が笑顔になれる方法をとりつつも気を緩めすぎないというところに繋がってくるのだと思われます.きっと食事制限以外のところで頑張っているのでしょう.多分.

今までもそうだったのですが,今回のお話でもみりあちゃんの「なんかよくわからないけど面白そうだからやる」という行動動機が一貫されています.ダイエットという行為にあんまりピンと来てないけれど「私もやってみたーい」と言ってる点だったり,太鼓の達人の時に「みりあもやるー」と言っていた点ですね.後は特に顕著な発言だと結局学校の水着を持ってきているという点でしょうか.そもそもダイエットしなきゃという発言の原因は仕事だと美嘉みたいなセクシーな水着を着るからという前提であって,学校の水着を着るというならダイエットは必要とされていないということが読み取れそうです.それにも関わらず(かな子式の)ダイエットに付き合っても結局学校の水着を持ってきてしまったというところに「なんかよくわからないけど面白そうだからやる」という行動動機が体現されている気がします.

太鼓の達人といえばあれ完全に大空達人でしたね....!!!この時プロデューサーが息を飲んでいたのは智絵里が本編ではあまり多く描かれない真剣な表情をしていたからなのかはたまた中の人的なネタなのか.

そういえばところどころ挟まれた未央のセリフ

未央「わんぱくでもいい,たくましく育ってほしい」

なんかハムを感じますね.(最近のオタクなのでこれに関しては調べるまで元ネタがわからなかった)

卯月のプチ冒険

さっそくですがここのお話のオチにあたるセリフを確認してみます.

凛「でも,なんで急にオシャレしようと思ったの?」

卯月「あ....えーと,んーなんていうか,色んな可能性を試してみたいなって」

「色々な可能性を試す」という言葉から本編の「冒険」というキーワードに当てはまると考えられます. つまり,今回のお話を通じて小さいながらも卯月は「冒険」を行っていたということがわかります.

さて,そこから考える時間軸ですが本編で卯月が初めて冒険するシーンは24話にあたると捉えてよいでしょう. それまでは卯月にとって「冒険とはなんなのか」という状態になっております.したがって「冒険をすることのの楽しさを知らない」と言い換えられます.このように考えると24話より前に今回のように小さいながらも冒険のシーンが入ってくることは考えづらいと推測できます.

上記のことから少なくとも24話以降なのかと思います.

では冒頭のシーンからです.

帽子屋の前のショーウィンドウの前で卯月は何やら悩んでいる様子です.角度を変えたり,前髪をいじったり,明確には描かれていませんが帽子屋の前で考えているということからもしかしたら帽子を買うことも考えていたのかもしれません.オチのセリフから考えるに色々な可能性を試したいと思っている最中だと考えられます.そしてここからやや先のシーンになりますが,少し自分を変える方法(少しの冒険)として髪の巻き方を変えたものの凛と未央には気づかれることはありません. また,この時のセリフに注目してみます.

卯月「その....巻き方,ちょっとだけ変えてみたんです」

ここの"ちょっとだけ"という単語がポイントかと思われます.ここまで出てきた角度を変える,髪型をいじるという行為も「色々な可能性を試す」という観点からみると"ちょっとだけ"でしかありません.ここから考えられることはまだあまり「冒険」という行為に慣れていないということです.冒険をするという楽しみを知っていて自分でも試したいけど具体的に何をどう変えていいのかわからないという状況がここでの卯月だと考えられます.慣れていないが故に自分で思いつく方法が"ちょっとだけ"の変化になってしまうのかもしれません. また,それを示すかのように冒頭のショーウィンドウに写っている卯月の背景には格子状のものが映されています.これを檻の比喩だと考えるとするならば,まだ自分の枠から大きく抜け出せない(人に気づかれない程度の"ちょっとだけ"の変化しか思いつかない状況)を表してるのかもしれません.(見た目で変化がわかりやすい)帽子を買ってないこともあるいはこの要素の1つだとも考えられそうです.

冒険に慣れてないという様子は未央と凛に見せる段階でも見られます.まず,セリフの引用から始めます.

卯月「えーっと,どうですか!」

凛,未央「........何が?」

卯月「え!?(焦りながら)」

(中略)

卯月「その....巻き方,ちょっとだけ変えてみたんです」

凛,未央「....んー???」

凛「ごめん」

未央「全然わからん」

卯月「えー!?(涙目になりながら)うー.....(落胆する)」

先ほど卯月の変化した場所が"ちょっとだけ"という話をしましたが,ここでの卯月の反応から見るに「気づいてもらえると思っていた」という様子がうかがえます. "ちょっとだけ"ではあるものの卯月にとってはその"ちょっと"ですら大きな変化であるように感じていたのではないかとここから考えられます.確かに卯月自身も"ちょっと"とは言っており,変化した部分の事実としては"ちょっと"ということはわかっているのかもしれません.しかし,気持ちの面としては今まで冒険をほとんどしてこなかった卯月の中では「誰か気づいてくれるだろう」と期待していた程度には大きな1歩だと感じていたのかと思われます. このように実際の変化率と卯月の中での変化率にギャップがあることからも冒険にはまだあまり慣れていない段階と考えられそうです.

このようなことを考えると初めて冒険した24話からあまり多く日が経っていないのかもしれませんね.

ここでの未央のセリフですが

未央「残念ながらタモさんしか気がつかない」

そりゃもうすごいレベルで気がつかないわけですよ.というかなんか26話の未央はネタセリフが多いですよね.

未央と凛に私服の仕事があるためにオシャレがしたいとの旨を伝えた後に,未央はきらりを呼んできます.

念のため,なぜここできらりかと言うお話です. きらりは本編内で非常にオシャレなキャラクターとして扱われてきました. これについては10話(原宿)にて「この辺は全部お庭だよ」と言っていた点,また17話の杏との会話にて服について悩んでいる莉嘉に(直接ではないにしろ)アドバイスをあげることが出来ました. これらの点を踏まえた上でファッションの話にてきらりが呼ばれたのかと思われます.

そういえばここでのきらりと言えば卯月に対してネイルをしてあげていましたね.これも中の人ネタと言って良いのかな?

さて,ここからは各キャラが卯月に対して色々な服を着せてあげるシーンです.

完全に余談ですけど個人的には未央が持ってきた服が1番好みだったりします.あと凛ちゃんの「どやぁ」かわいくない??? 未央はここでもネタセリフというか白目になりそうなセリフが出てきましたね.

では,ここでプロデューサーが言うセリフについてです.

卯月「どうしましょう....」

プロデューサー「島村さんは,どれが1番いいと思いましたか?」

ここでプロデューサーは卯月に対して「あれが良い」というのではなく,その判断をむしろ卯月自身に問いています. この構造は本編内でも登場しており「自分自身で進めるかどうか」についてだと言えそうです.

そして卯月の答えは結局自分自身の服装を選ぶことでした. ここについて各キャラの反応を引用します.

未央「それがしまむーらしいよ」

みく「しっくりくるにゃあ」

李衣菜「そのままが1番ロックだね」

そのままが1番であったり,しまむーらしいという言葉が登場します. このセリフによって卯月の個性がきちんと確立されていることが明示されたと考えられます.

今回の話を経て他の人が選んでくれた服を着ることで卯月は擬似的にそのキャラの「個性」を得ていたと言えるでしょう. 他のキャラから(そのキャラの個性溢れた)服を着せてもらうことで自分では思いつかなかった色々な可能性に触れることが出来ました. しかし,卯月は色々な可能性に触れたにも関わらず今までの自分の服を選択しました.

23話にて自分には何もないと言っていた卯月でしたが,色々な可能性に触れつつも自分を選択する,言い換えれば他の人にはない「自分という個性」を見つけることができます.仮にこの時点で自分には何もないと考えていたはずならば,擬似的に他のキャラの個性を得ることが出来たこの場にて「 何もない自分」を敢えて選ぶ理由はありません.しかし,今回のように自分自身を選ぶということで自分にも「個性」が存在することを少しずつ感じ始めているのかと思います.

最後には卯月は笑顔になることが出来ました. つまりここで卯月のプチ冒険が成功したことになり,自分自身の力で進むことで「本当の笑顔」を得ることが出来たと考えられます. そしてここで考える点は卯月は自分自身を選択したけれど,ネイルに関してはきらりがしてくれたものをそのまま使っているという点です. 服に関して言えば上述しているとおり何も変わっていません.その結果"だけ"見るならば最初の卯月からの変化はないと言えます.

しかしネイルという部分は変わっています.こちらに関しても色々な可能性に触れた結果故に得たものです. 服は結局変わっていなくてもそれは冒険をしなかった結果ではなく,冒険して自分自身で選んだ結果であり,冒険した証としてネイルがここで存在しているのかと思われます. 最後にネイルが強調されるのは服は変化していなくても冒険する前とは確かに変化しているという強調だと言えるかもしれません.

このネイルから見えるようにはじめに描かれていたように自分という枠から抜けられない状態から仲間の存在から冒険することが出来ました.この点については24話までの1人で抱え込んでいた状態からの成長と言ってもいいのかもしれません.

では最後の最後で登場した未央のセリフについてです.

未央「よーしよしよしよし」

ムツゴロウさんだなこれ!

凛ちゃんのチョコ

内容的に2月14日付近のお話であることがわかります.ただ,話数に当てはめるならこれはどのあたりなんでしょうね....?覚えている限りだとシンデレラの舞踏会が開催された時期の情報って冬ということしかなかった気がするのでなんとも言えないですよね....超感覚的なのでアレですが雰囲気的にシンデレラの舞踏会~25話終盤の春までのお話かな?って気もします. 少なくともクリスマス後であることは火を見るよりも明らかなので24話以降ということは確かです.

ではまずかな子に凛のチョコについて聞くシーンです.

卯月「や,山吹色のお菓子でございます」

THEワイロと言わんばかりのセリフでかな子にマカロンを献上します.

渡し終わった後の卯月と未央の表情を見てみましょう. 未央は計画どおりといわんばかりにいつもと同じ表情をしてますが,卯月だけ頬に汗が描かれています. ワイロを使ってかな子から凛のチョコについて吐かせようとしている行為に対してちょっぴりの罪悪感を感じているのが読み取れそうです. こういったところで性格描写がなされている点がアニメシンデレラガールズの面白い点であり,その細かさを感じさせますね.

とときんと川島さんのシーンでは「イナゴ」と聞いての各々の反応の差がよく表れていました. 卯月,未央,李衣菜,みくに関しては虫の方を,アナスタシアはそもそも「イナゴ」を知らない様子が,川島さんに至っては豆のほうとわかりつつも若い子達の反応を見て察したのか自分も真似をし始めます. 日常回はこのような反応の差が顕著に描かれていて興味深いなぁと思います.

では先を進めて,奈緒加蓮のシーンです.

加蓮「凛がその人の体調を気遣ってるってこともあるよね~」

奈緒「わかる.年上なんかだとそういうの,すごく気になるんだよなぁ」

ここの奈緒のセリフの意図がいまいち思いつかないのが正直なところだったりします.

(自分が)年上だから体調を崩しやすい加蓮の健康を気遣う,とかいう意味かとも思ったりもしたのですが,このタイミングで「年上」が指す対象を「チョコをあげる相手」じゃなくて「自分」を指したセリフを言うかどうかと考えるとすぐには頷けないですよね....

また,この後に未央のセリフの後ろで奈緒が「一般論」とは言っていますが,「わかる」と言っている点,そもそもの奈緒の性格を考えるとこの言葉をそのまんまの意味で捉えて正解だと言うのは難しそうです.

ゲーム基準で考えるならば(奈緒の)プロデューサーを指しててもおかしくはないですが,アニメの世界においてそのような描写が為されてないことを考えるとその解釈もなんだかなぁという感じです.

などなど考えていくと自分ではどうにも腑に落ちる解答を出すことが出来ませんでした.どなたか違う解釈があるならば教えて頂けると嬉しいです.

プロデューサー登場までシーンを移します.

ここでBGMも相まって全員勘違いで話が進んでいくところが面白いですよね..!プロデューサーが目の前で何が起きてるのか全く理解出来てなくて戸惑っている表情はあまりなかった気がするので珍しくも感じます. 再び性格の話になっちゃいますがここでアナスタシアが敢えてみんなが直接聞かなかったチョコを誰に上げるのか問題を普通に聞いちゃうあたりとかも同じことが言えそうです.

ところでいくらケーキにしていたとしても犬にチョコって食べさせても大丈夫なんですかね.....??

シンデレラプロジェクトのシンボルマーク

冒頭のホワイトボードからわかるようにサマフェスの強化合宿の前,つまり11話と12話の間の時間軸の物語ということがわかります.

ここでのお話はシンデレラプロジェクトのシンボルマークとなるモチーフを考えようという内容でした.そして,みんなから提案されていたものは全てハートが含まれるものとなっています.

ここで各々からハートの解釈が述べられます.まずはそこから見ていきましょう.

プロデューサー「(莉嘉のカブトムシのイラストを見てから)これは,周りのハートも含めてデザインでしょうか?」

莉嘉「ううん!」

プロデューサー「ではどんな意味が?」

莉嘉「いみ....?うーん,なんかイイじゃんってことだよー」

みりあ「私も描いたよー!はーと(レッサーパンダのイラストを見せながら)」

李衣菜「確かにアクセントでよく描くかも」

みく「みくのネコミミみたいなもんにゃ!(ネコのイラストを見せながら)」

蘭子「闇の乙女たちの魂の囁き(蘭子ちゃんチックなイラストを見せながら)」

杏「まぁみんなすきだよねー」

智絵里「あっ,クローバーの葉っぱみたい!(四葉のクローバーのイラストを見せながら)」

かな子「形もかわいいよね!」

きらり「だーいすきな数だけ描くんだにぃ!(お菓子やリボンのイラストを見せながら)」

美波「ハートは心,ですよね」

アナスタシア「ステージ立つと,ハート,ドキドキします」

未央「かわいい,ハッピー,大好きのこころってね!」

卯月「全部大事ですてきですね!」

凛「ハート....(ハートを描き始める)」

(やや省略)

莉嘉「キラキラもつけよーよ!」

みりあ「キラキラー!!」

蘭子「高き白いはばたく闇の翼を!!」

ここで描かれたイラストに全てハートが入っているのはそうなのですが,莉嘉ちゃんで言うなればカブトムシ,みりあちゃんで言うならレッサーパンダ等,各々のすきなもの,言い換えれば自分が笑顔になれる存在と共に描かれています.「闇の乙女たちの魂の囁き」,「ハートは心」というセリフからも読み取れるようにハートという要素はまず自分の本心についてが強調されるものとして扱われています.本心ということはすきなもの,自分が笑顔になれるものと結びついていきます.その為,みんなハートの他に自分のすきなもの(笑顔になれるもの)を描いていると考えられます.ハートが何であるかを端的に示した未央のセリフに「ハッピー,大好きな心」という単語があることからも同じことが言えそうです.

そして莉嘉ちゃんとみりあちゃんのセリフの「キラキラ」というセリフです.すきなものを並べることで笑顔になると述べましたが,本編内では「笑顔になる=キラキラ」という図式が見える箇所が幾つか存在しました.1話の卯月の笑顔なんかが特に顕著かもしれません.ハートと同時にキラキラもつけようという案が出たのはこのためなのかな,と思います.

そして最後の蘭子ちゃんのセリフですが,正確な翻訳はともかく翼によってはばたいていくイメージが掴めるものだということがわかります.再び本編を思い返すと笑顔になる,キラキラすることで成長をするシーンが印象的だったかと思います.9話で智絵里に対して「"笑顔"で(仕事が)出来ますか?」とプロデューサーが述べていたように「笑顔」というキーワードが重要になってきます.描かれてきたお話のほとんどが笑顔によって成長が示唆されてきたように,蘭子ちゃんの「はばたく」という言葉はここにかかってくるのかと考えられます.

そして最終的にプロデューサーは部長やちひろさんに以下のように説明しています.

プロデューサー「シンデレラになりたいという,彼女たちのハート,気持ちがまず大事だと思います.その心ではばたけるようにと」

シンデレラプロジェクトメンバーが話していたことをまさに要約したセリフとなっており,まず「シンデレラになりたい」という気持ちがないと始まりません.

自分がまとめた25話の記事にて述べたことですが,アニメシンデレラガールズは「夢を見る」,「夢を生きる」,「夢を信じる」という3ステップで進んでいきます.ここについての細かい考え方は25話記事参照ということで話を進めますが,今回の「シンデレラになりたいという気持ち」については「夢を見る」段階,お姫様に憧れる状態にあたります.そもそも「憧れ」という気持ちがなければシンデレラになるために歩む段階まで進むことが出来ません,つまり,ここが第1段階であり,この気持ちがなければ物語が進むことはありません.それ故にプロデューサーのセリフに「まず」という言葉が存在し,これ無しでは成り立たない最も大事な要素であるからこそ「気持ち」という部分を強調してハートという部分を基調にはばたいていく姿をシンボルマークにしたと考えられます.

ちょっと話から外れますがここでの会話の中で

李衣菜「おーなんかクールだねー!」

みく「そこはロックじゃないのー?」

っていうやり取りがさり気なく裏で為されてるのが結構すきです.

さて,ここでシン選組ガールズ後に挿入されたプロデューサーと部長,ちひろさんのシーンに戻りました.

背景に注目してみると時計の存在があります.最初に登場した時は15時ピッタリでしたがシンデレラプロジェクトのロゴについて話し終えた際には10分進んでいました. だからといって何か特別言いたいことがあるってわけじゃないのですが,話した時間分だけ背景変化まで力が入っててやっぱり丁寧だな~と改めて感じた次第です.

何か言うとするならば15時という点でしょうか.0時に近づいているということもなく非常に安定した時間で日々を頑張っているみんなを想像出来るような気もします.

あともう1つ強いて挙げるならば0分から10分になっている点についてですかね.26話が始まって序盤の内に0分,色んな場所で元気にしているみんなの姿を描き,終盤に10分を見せることで0時と見立てた0分を越えた先でもシンデレラプロジェクト,ひいてはアイドルたちがちゃんと活躍しているということの強調にも見える気もします.ただ深読み感は否めないのでアレです.

プロデューサー達の会話を終えた後にはシンデレラプロジェクトのメンバーが笑い声と共に集まってきます. 笑い声が聞こえることからもわかりますが,各メンバーの顔が映された際みんな笑顔で映っています.そして,1歩踏み出す音が挿入された後,「おはようございます!プロデューサー」という言葉で終わります.

ではまず「おはようございます!」というセリフについてです.25話も最終話でしたが,26話はこれ以上本当に続きが描かれないという意味で最終話という立ち位置にいます.しかし,ここでは物語の終わりを示すようなセリフではなく,むしろこれからの始まりを感じさせるものとなっています.

次に,1歩踏み出す音が入ることについてです.ここで踏み出す音を入れることで本編後も「冒険」を続けており,まだまだ成長を遂げている最中であるということが読み取れます.

最後に,みんなが笑顔で描かれているという点です.本編内では時に笑顔が無くなってしまうお話などがありましたが,それを乗り越えて「本当の笑顔」というものを見つける事ができました.ここで描かれているシーンはシンデレラの舞踏会後だと推測できますが,その後も笑顔を失うことなく各々の道を歩んでいると言えそうです.

笑顔を失うことなく成長している姿は上記のみならず他のシーンにも存在しました.

「おはようございます!」というセリフの前にプロデューサーが扉を開くシーンがありましたが,その瞬間真っ白に光り輝いているカットが挿入されます.これについても「笑顔で」,つまりキラキラと輝いていることを示していると考えられます.

また,EDに描かれる絵では,みんなが笑顔でアイドルの衣装に身を包んでいたり,花が咲いていたり,光の粒子が描かれいました.ここから彼女たちが「本当の笑顔」で日々冒険をしている,つまり「本当の魔法」によって輝いているといっても良さそうです.

以上をまとめると,26話という本当の意味での最終回であってもシンデレラプロジェクトのメンバーは「笑顔」で冒険(成長)をしておりその物語はここで終わらず明確に描かれることはなくともまだまだ先まで続いていくということが想像出来そうです.

全体の感想

久々のシンデレラガールズということで非常に楽しむことが出来ました!!なんか普段だったら絶対やらなさそうなネタが垣間見えたりとOVAならではの面白さがあったかなぁと思います.未央の言動がちょっと古めなのは何故なのか....!

本編では随所には見られるものの特別「日常回」という括りが存在しなかったため,今回の26話はとても新鮮な気持ちで見れた気がします.やっぱキャラクターの普段の姿が見れると面白いですね..!!!大貧民のお話が1番そんな雰囲気が出てた気がします.日常回だからこそ見れる顔って感じですね.

ただ日常回が多めと入っても,やっぱりそれだけでは済まず各所に本編とのリンクであったり,そこから見える成長などなどが潜んであったりと相変わらず「シンデレラガールズ」の持ち味が出てて非常に見応えがあるものに仕上がっていました.

特別に覧は設けなかったですがアイキャッチで杏ちゃんとともにシンデレラプロジェクトの1日の流れが見えたのがかわいらしくて素敵でしたね!きらりが来たときだけ隠れてたり,みりあちゃんにあっさり見つけられててたりするのが特にかわいかったです.みりあちゃんの「ここかなー?」がめっちゃすきです.

ではこれにて本記事は以上となります. ここまで読んでくださった方はありがとうございました!