淡さを形に

面白い作品を面白いと言うだけのブログです.考えたことの備忘録として使うのが主 .考察っぽいことや演出とかに触れることもありますが別段その手のものを勉強しているわけではないのでかなり適当です. Twitterでは@tkihoroloのアカウントにてたまに話してたり話してなかったりします.コメント等あればTwitterにリプ投げてくれると嬉しいです.

佐久間まゆを考える ― 初期~深紅の絆 ―

最近まゆをすきになったけどモバでどうやって描写されてるのか全然知らなかったのでそれを調べた結果と考えたメモです.今後自分がまゆを考える上でのベースを文字に起こしただけなので飽くまでも個人の解釈であるということに留意してください.

なぜ深紅の絆までなのか,というのは自分がエヴリデイドリームを考えようとした時に「じゃあまずはそれまでの描写を考えよう」ってなったんですけど,そこでCDが出る前までのカードが深紅の絆だった,ってだけです.永遠のキズナまでの方が区切りがいいですがそちらについてはおいおい書くエヴリデイドリームの記事,あるいはまた別途書こうと思います.

なんか文章がめちゃくちゃ長いですが「おわりに」だけを読めば多分雰囲気わかると思います.

セリフについてですが,持っていないカードについてはまゆの日記帳 - 佐久間まゆペディアを参考にしています.

目次

初期

最初のカードということでなんでアイドルになったのかだとか性格のベースだとかキャラの基幹となっているカードと言ってもいいでしょう.

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(敢えてここで書くのも必要もない気もするけど)まずなんでアイドルになったのかについてですが,まゆは元々読モをやっていましたが(このカードでは明言されてないけど)プロデューサーに一目惚れをして読モもやめて押しかけてアイドルになった,という流れがこのカードから読み取れます.

他のセリフを見てみましょう.

(特訓前 プロフィール)

これって運命?

ねぇ、貴方も運命…感じますよね?ねぇ?うふ…まゆの事、可愛がってくれますか?

(特訓後 プロフィール)

○○さんにプロデュースしてもらって、まゆ、とーっても人気が出たと思うんです。

つまりまゆにとって貴方は大切なパートナーですよ。貴方にとってのまゆも大切な存在ですよね?…ねぇ?

このセリフ以外にも当てはまりますがプロデューサー側に関係性を明言させることを求める姿勢が描かれています.自分は「運命」に感じたけど貴方“も”感じてるかどうか聞いてくるし,疑問形にしてなにかを言って欲しがっている姿だとか「ねぇ?」って何度も確認する姿がよく見られるかなと思います.なにかを言って欲しがっているというのは疑問形の他に上記2つ目のセリフのように「人気が出た=大切なパートナー」という図式を見せつつ「大切な存在であるか」を聞くという理詰めで追及しているという面からも見られるでしょう.

じゃあなぜそんなに関係性を明言させたがるのか,と考えると個人的には「不安」を感じやすいという面を描いている故かなと思っています.

先述したようにまゆはこれまでやっていた読者モデルすらやめて(更にアニメとかの描写も踏まえると地元を離れて寮に暮らしてまで)運命を感じたプロデューサーのもとでアイドルをやるべく追ってきました.

ここからは自分の想像での補完にはなるのですが,運命と信じて住居も仕事までも捨ててやってきたのに結局相手からは「いや別に」って断られるほど怖いことってないのかなとか思います.運命の相手だと信じて行動したのにそれが無くなった瞬間文字通り何もかもなくなるわけです.(とはいえここまで理屈っぽくまゆ自身思っているかと言われるとそうではなく純粋に運命の相手に断られたくない,というところが1番だとは思います)だからこそ上記で挙げたように 貴方も運命…感じますよね?とか 貴方にとってのまゆも大切な存在ですよね?…ねぇ? といったように相手にとっても自分が「大切(=運命の相手)」であるかどうかが気になるし,ねぇ?って何度も尋ねるしで,明言してもらうことで安心したいのかなと考えています.

「不安」という面を踏まえると他の子とプロデューサーが関わっていることが気になるということについても同じようなことが言えるでしょう.プロデューサーにとって他の子が大切になった瞬間に「自分とプロデューサーは運命の相手ではない」ということが確定してしまいます.だとするならばその可能性を無くすために自分だけを見てほしくてこのような言動になっている,と考えれば「不安」という心情とそれによる言動にも一貫性があるかなと思います.それ故に邪魔はさせないんだから! とったセリフのように排他的な発言も出てくるのではないかと考えられます.

また,他にも「不安」を感じさせるようなセリフがあります.以下を見てみます.

(特訓後 親愛度MAX)

まゆはずーっと○○さんと一緒です。まゆがトップアイドルになっても、ずっとこの運命の赤いリボンは繋がってます♪うふ

(特訓後 マイスタジオでのセリフ)

このリボンが○○さんに繋がってればいいのに…

もちろん両者に登場するリボンは指してるものが違いますがそれでもずっとこの運命の赤いリボンは繋がってます♪と言っているにも関わらず,物理的なリボンですら繋がっていないと不安に思ってしまう面がここで描かれているのかなと思います.関係性を明言してほしいという描写と同じようにここでも自分とプロデューサーが繋がっているという証明(証拠)を求めている姿なのではないでしょうか.

さて,このカードではまゆにとっての最終目標ともとれるセリフが見られます.

(特訓後 親愛度MAX)

まゆはずーっと◯◯さんと一緒です。まゆがトップアイドルになっても、ずっとこの運命の赤いリボンは繋がってます♪うふ

アイドルマスター」というとやはりトップアイドルを育成するゲームであり,そこがゴールとして描かれていると言えますが,まゆ的にはそこがゴールじゃなくてプロデューサーと結ばれるのが1番の目標であるというのが読み取れます.

このカードからはちょっと離れますがミニオンルージュの夢、聞かせてくれますか。それがまゆの夢になるんですなんてところを考えるとここでの発言意図がわかるかなとも思います.プロデューサーの夢はトップアイドルを育てることであり,その夢をあなたと叶えたとしてもそこで終わり(アイドルとプロデューサーの役目を終える)ではなく(アイドルとかプロデューサー関係なく)あなたと一緒にいますみたいなニュアンスといいますか.

ハロウィンパーティー

まゆのセリフだと「永遠」とかよく聞くイメージがありますが,セリフ見る限りそのフレーズが出たのがこのカードからっぽいです.ハロウィンパーティー,とあるようにコスプレ衣装になってて特訓前が吸血鬼,特訓後が魔女の姿となっています.

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まず特訓前についてです.

吸血鬼も媒体によって設定が変わるので一口にはいえませんがどれも大抵共通して言えることは「生き血を吸うことで不老不死になれる」という点です.そこで次のセリフを見てみます.

(特訓前 プロフィール)

◯◯さん、今日はハロウィンパーティーなのでまゆもお着替えしてきたんです。うふ…どうですか? 吸血鬼…永遠の美と若さで貴方のお側に…なんて。うふ…血が欲しく…なっちゃいますね

「死ぬまで一緒にいたい」とかではなくて吸血鬼の設定と併せて「永遠に一緒にいたい」というのがポイントというかまゆの強い想いがよく出ている場所かな,と思います.誰の血がほしいかは明言されてませんが,一説によると吸血された人間も吸血鬼になるという設定もあるらしいのでプロデューサーの血を吸うことで「あなたも私も永遠に一緒でいられる」なんていう見方も出来るのかもしれません.また,永遠の「命」ではなく「美と若さ」に焦点を当てたセリフなことから「プロデューサーに1番可愛い自分を見せ続けたい」みたいな乙女心が見れるのかなぁとかも考えられます.

またこれも吸血鬼の一説ですが異性を魅了する能力に長けてるらしいので,それを踏まえてほぅら…まゆの魅了の視線…気付いてくれてますか…?というセリフを見ると吸血鬼の設定を使いつつまゆの主張の出し方がめちゃくちゃ上手いなぁなんてことを思います.

吸血鬼以外にもそもそもハロウィンが題材なので,そちらを使ったセリフが以下のものになります.

(特訓前 親愛度UP)

お菓子はいらないから…ねぇ、○○さん…?

お菓子をくれなきゃいたずらするぞ,という言葉もありますがそのお菓子すらいらないからいたずらしたい(あなたがほしい)っていうメッセージ性が込められてると考えられるでしょう.

ちなみにデレステのアイドル1コマまゆ②にて「服のコーデなどはプロデューサーの"今の"好みで構成している」なんて話もありましたが,それを踏まえて お好きでしょう? コ・ス・プ・レ♪ というセリフがあることに注目するとその姿が顕著に表れてるかなとも思います

さて,特訓後についてです.とりあえずプロフィールコメントから見ていきましょう

◯◯さん、新しいまゆの姿、いかがですか…? 魔女の衣装ですけど…貴方のためだったら、魔女だってなんだってなってみせますから…うふ…魔法だって使っちゃうかも…♪

「魔女」といっても今日では様々な捉え方が出来ますが,魔女の衣装ですけど…とか魔女だってなんだってという言い方的にちょっとマイナスなイメージの魔女を指しているかなというのがわかります.恐らくかなり原義に近い魔女といいますか「魔女狩り」だとかで使われるような悪い意味の「魔女」がモチーフであるのかもしれません.

ではここから何が言えるかというとまゆ自身にももちろん意志はありますがそれを殺してでもプロデューサーのためなら出来てしまうという想いが見れるという点です.なんでもやるというのはこのカードの特訓前でも語られてますし,初期カードのセリフでもまゆは◯◯さんが喜んでくれるなら、何でもするのというように描かれています.ですがハロウィンパーティー特訓後から更に言えるのはまゆの意志にすら反してても出来てしまうというところでしょう.(悪い)魔女ですらプロデューサーが喜ぶなら出来るという姿が描かれており,まゆの性格がとてもよく描かれているセリフだなと思います.そのため魔法だって使っちゃうかも…♪というように魔女に順応するまゆの姿がここで見られます.

ですが,このセリフを逆説的に考えるとまゆが根はすごくいい子であるというのも読み取れます.なぜならば魔女が悪いと自分でわかっている上でのセリフであるからです.飽くまでもプロデューサーが喜ぶならそんなこともで出来るわけで,まゆ自身の意志で悪いことをしたいわけではありません.ここで描かれている姿はちょうどハロウィン回であるシンデレラガールズ劇場38話内に存在する「まゆはプロデューサー絡まないとええ子やなー」というセリフと合致していると言えるでしょう.

さて,このカードでは「魔法」という言葉が度々登場します.それがどんな意味かを考えてみましょう.

結論からいうと今回のまゆが指している魔法は「プロデューサーを自分だけのモノにする」魔法だと言えるでしょう.それは以下のセリフから読み取れます.

(特訓後 親愛度MAX お仕事)

◯◯さんを、まゆだけのモノに…何でもないですよぉ♪

ただこれは結局役柄として魔法と称しているだけで実際は魔法ではありません.むしろおまじないだったり願掛けに近いものと言えるでしょう.後の描写でまゆの左手のリボンが願掛けであることがわかりますが,それと同様だと考えられます.シンデレラガールズ劇場343話内のセリフでもありましたが,こういう風におまじないに頼る姿は乙女なまゆの一面だと言えます.(また,願掛けをする=不安に思っている という風にも捉えられます.)乙女な面という繋がりでいうなら可愛く…もっと可愛く…というセリフも同列として扱っていいと思います.

他のセリフついては初期カードにも見られた排他的な態度だったりプロデューサーに「自分を見てくれているのか」,「自分は気に入ってもらえるのか」など確認をしたがるセリフが強調されており「不安」に繋がってくる描写になってくるので割愛します.

強いて言うなら感想ですが悪戯…? ◯◯さんはまゆに何してもいいんですよ…?というセリフはきっとプロデューサーが「トリックオアトリート」とか言ったんだけどまゆはお菓子を持ってないから~~みたいなそういう事務所の1シーンを想像させるようなセリフで結構すきです.

あとは特訓後のスカートにコウモリっぽいデザインが施されていて魔女のモチーフがよく表れてるなぁと感じました.

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バレンタインパーティー

名前のとおりバレンタインのシチュでの衣装となっております.

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かなり自分の感覚によるものではありますが今回のカードでは余裕がないようなまゆが描かれているのかなと思います.テキストもそうですしボイスなんか顕著かと.初期やハロウィンなんかは人と比べるようなセリフはほぼありません(強いて挙げるなら他の子との話、楽しいですかぁ?くらい)でしたが今回のカードを見るとかなり他の子との比較を感じられるセリフが多くなっています.例えば以下のセリフになります.

(特訓前 お仕事)

◯◯さん、まゆが1番ですよね? ……ねぇ?

(特訓前 親愛度MAX)

まゆがマフラー巻いてあげますぅ…あら、このチョコは…? ふぅん…まゆ以外のチョコ、二度と食べられないようにします? …うふ♪

(特訓後 お仕事)

他の子…見てた…?

ではなんでこういうようなセリフが多いのかというとやはりバレンタインというイベント故なのかなと思います.女の子の想いをダイレクトにもらう日なわけでプロデューサーとしても多くのアイドルからチョコをもらってます.(これはシンデレラガールズ劇場76話からも言えます.)初期カードの項目でも書きましたが,プロデューサーが他の子を1番とした段階でまゆと結ばれる未来が見えなくなることに繋がります.だからこそ色んなアイドルがいるけど「自分が1番(運命の相手)ですよね?そうですよね?」なんて確認をしたり不安が漏れている姿が上記に表れてるのかなと思います.

ボイスで聞くとこれまでのカードに比べ低い声でちょっと「ヒエッ」なんてなりがちですが,やっぱりそれは焦りだったり不安が出てる故なのかなぁと.◯◯さんはまゆだけを見て…これからも、ずっと…ね?ってセリフはボイスで聞くと特に"凄み"がありますがこれが顕著に現れた例のように思えます.完全に個人的な話ですがこういう「ヒエッ」ってなりがちなまゆのボイスが最近聞いててすごい気持ちよくなってきました.まゆすき

他にも特訓後のもっと…もっとまゆを縛ってもいいんですよ? 気の済むまで…とかまゆの人生はもう◯◯さんのものなんですから、これからも…ずーっと貴方好みのまゆにプロデュースして下さいね♪とかいつもよりエスカレートした表現が多いのも上記の理由が起因しているのかなとも考えられます.「縛っていい」なんてセリフは衣装にもリボンがあるし物理的なのかそれとも精神的な意味でもっとプロデューサーからぶつかってきてほしいことを示唆しているのかは一意に判断することは出来ませんが,どちらにせよ繋がってる証拠がほしいのかな,なんて気もします.

さて,ではここで特訓前のプロフィールコメントを見てみましょう

(特訓前 プロフィール)

◯◯さんのことだけを思ってがんばっておしゃれしてきたんです…。チョコもマフラーも手作りですから…まゆの深い愛情、感じて下さい♪貴方のためなら…まゆ、何だってしちゃいます♪

(これはピクシブ百科事典を見て気づいたことではありますが)がんばっておしゃれしてきた,というセリフのとおりこれまでのカードと異なりピアスをつけてる姿が見られます.余談ではありますがこういったプロデューサーのために自らを昇華させて,ふさわしくなりたいと頑張る姿はイリュージョニスタ!の歌詞にもあるような「背伸び」に繋がってくるのかななんて思います.

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ハロウィンの時もハロウィンも一緒ですね♪なんてセリフがありましたがバレンタインではバレンタインも2人きり…ですよ?というセリフがあります.ここから何が言いたいかというとどちらのセリフも「(ハロウィン|バレンタイン)“"」と言っているのがポイントなのかなぁと.ハロウィンもバレンタインも季節を象徴するようなイベントですが,その両方のイベントで「も」を強調することで「いつでも一緒にいる」ということを強調したいのかなと考えました.

他にも今回はチョコだけではなくマフラーも渡してて赤い糸で結ばれた私たちにはピッタリの赤いマフラーですよぉ♪なんてセリフもあるように赤いマフラーを赤い糸と見立てた上でプロデューサーに渡したのかなと思います.

特訓後の衣装ではまゆの衣装にしては珍しく青いリボンを使っています.更に言うなら特訓前イラストに存在するプロデューサーに渡すマフラーの梱包に使っているリボンと同じであることがわかります.

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恐らくですけど青いリボンを首に巻いてたり,プロデューサーに渡すマフラーの梱包に使ってるリボンと同じということからまゆ自身がプレゼントなんて表現なのかなぁと思ってます.特訓後というとアイドル衣装なわけですがチョコレートみたいに甘くてとろけるようなLIVEにしちゃいますからというセリフがあることからも自身のライブをチョコ(=プレゼント)として例えてるのかなとか.もしくは「プロデューサーとの繋がり」を示唆した表現なのかなぁとは考えています.マフラーも首に巻くものだしそれと重ねた描写というか.

ただ結局なぜ「青」なのかという理由についてはあまり納得の行く答えは出せていません.上記のことを示唆するだけなら別に青じゃなくても表現出来るのでこの色にした理由はなんなのかなぁとか.それこそチョコを装飾してる赤いリボンでもいいわけなので.ただ青になることで色合い的にそこが強調されててとても綺麗だなぁとは思います.

かなり苦しい理屈ですが強いて挙げるなら青がプロデューサーを表す色なのかなぁとか.(今だから出来る考え方ですが)あいの待ち人のイラストにあるプロデューサーを模したてるてる坊主が青色のネクタイだから「青=プロデューサー」という考えは出来なくもないかなという感じです.ただ根拠があまりにも弱いですしこれを書いた本人としても納得できてません.

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恋愛シンドローム

佐久間まゆ初SRにしてようやくプロデューサーと2人きりになれた(なるようにした)カードで,狂犬時代最盛期の佐久間まゆさんみたいなそういう感じの認識です.

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プロフィールコメントを見てみましょう.

(特訓前 プロフィール)

どこに行くんですか? …うふふ、ビックリしました? ◯◯さんが来ると思ってずっと隠れて待ってたんです…そう、ずーっと♪…やっと…やっとふたりきりになれましたね…うふふ♪

バレンタインのカードにもバレンタインも2人きり…ですよ?というセリフもありましたがどちらかというと(ソロCDのドラマパートでも語られたことを考えると)あれはまゆにとってはプロデューサーさんしか見えてないから実質2人きりとかそういう意味だったのかなぁと思います. それに加えてこれまでのカード名はどっちも「パーティー」がつくカードであり完全に2人きりではないことを考えると,文字通り2人きりになったのはこれが初と言っていいでしょう.上記のセリフでも「やっと」って何度も強調してますしね.そんなこともあってか特訓前のボイスはかなり満ち足りてるのか上機嫌な印象を受けます.

ではなぜ今回車の後部座席でずっと待ってまでプロデューサーと2人きりになりたかったのか,と考えてみます.これまでのカードのセリフをよく考えるとまゆとプロデューサーの距離が縮まった描写がほぼ見当たりません.むしろバレンタインのように他のアイドルとプロデューサーが関わっているのを見てまゆの「不安」が強まっている一方とも言えるでしょう.であるからこそ今回のカードはその「不安」が爆発して車に忍び込んで強制的に2人きりになるような状況を作りにいき(まゆなりに)距離を縮めようとしたシチュエーションだと思っています.そもそもちゃんとお互いの距離が縮まっているならばこういうことをしてまで2人きりになる必要がないわけであって,それをわざわざしにいったことからも上記のことは言えるんじゃないかなと思います.

セリフもやはり2人の距離を示すようなものが多くなっているように思えます.

(特訓前 マイスタジオ)

密室にふたりきりですよ…

(特訓前 お仕事)

今となりに行きますね♪

(特訓前 親愛度MAX)

車内って意外と狭いんですね。でも、まゆは狭いほうが嬉しいです。だって…○○さんの近くにいられますから…うふ

距離は距離と言っても心じゃなくて物理的な距離なわけですが,それも初期に見られた「物理的な証明」を欲しがっていたのと同じような心情なのかなとも思います.物理的に近いからこそあなたと一緒にいるって感じられて安心できるみたいな.

とはいえやはり不安が完全に払拭されているわけではありません.「不安」が爆発してる,と先述したようにその片鱗がセリフの随所に見られます.

(特訓前 お仕事)

まゆをずっと見てくださいね?

(特訓前 LIVEバトル)

まゆだけを見ていて

このようなセリフ自体は今までのカードにもありました.しかし,今回明らかに違う点としてはこれまでと異なり完全に2人きりの状況であるにも関わらずこのセリフが発せられたというところでしょう.他の子と一緒にいるわけでもないのに「自分"だけ"を見て」とアピールする姿には,いくらこんな風に2人きりになったところでやっぱりプロデューサーさんがどこかへ行ってしまう(自分以外の誰かと結ばれてしまう)かもしれないという不安がある故かなと考えています.そしてだからこそ下記のセリフに繋がるとも言えるでしょう.

(特訓前 親愛度UP)

◯◯さんと…このまま…時が止まればいいのに…

(他の子がいない)2人きりのまま時間が止まればプロデューサーはまゆのことだけしか見れません.つまりプロデューサーがどこかへ行ってしまうという不安がなくなるわけでそれを切に願うまゆが見れるセリフかなと思います.

さて,特訓後の話に移ります.

先に書いておきますが特訓後の空間についてはこの記事では扱わないこととします.軟禁されただとか色々な説がありますがもうこれはどう結論づけていいのかわからないです.わかることはプロフィールコメントから読み取れるようにここは「まゆのLOVEが溢れてるまゆとプロデューサーしか知らない秘密の場所」という情報だけなのでそこで話を止めておきます.

恋愛シンドロームなんて名前が付いてますがまさに恋の病にかかってないとここまで出来なくて,この行動はプロデューサーのことを考えた上での行動ではなく(恋の病によって盲目に突っ走って)まゆの気持ちだけを発散している行動というのは抑えておくポイントかもしれません.イラスト内にハートのクッションがハサミが突き立てられ中身が出てる様子が見られますが,まゆの内に秘めていた想いが爆発してしまった,なんて見方も出来るでしょう.

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特訓前にこのままふたりでお出かけしましょうか? イケナイ事…ですかね♪というセリフがありましたが,その「イケナイ事」をした結果がこうなってるんじゃないかなとは思います.特訓前はまゆがオフでプロデューサーのお仕事用の車に乗っていた状態,つまり仕事で行く先はまゆ以外のアイドルのためであり2人きりという状態は一時的なものでしかありません.特訓前のセリフから「不安」が見えるみたいな話はしましたが,その「不安」を完全に無くすために行ったまゆなりの解答がこの特訓後に繋がっているのではないでしょうか.それ故か特訓後のセリフはまゆのプロデューサーへの恋の気持ちが溢れているセリフばかりですし,(特訓前は一時的な時間がずっと続くように願っていたのに対して)ずっと一緒であることを感じさせるようなセリフが多いです.(下記参照)

(特訓後 プロフィール)

まゆのLOVEがいーっぱい溢れたふたりだけの場所…運命の赤いリボンで結ばれたまゆと◯◯さんだけの秘密ですよ♪絶対に離れたりしないで…まゆの全部をもらっ て下さい…うふ♪

(特訓後 親愛度UP)

まゆは…◯◯さんと一生このまま…一緒に…うふふ♪

(特訓後 LIVEバトル)

いっしょ…ずっと…

特訓前のセリフですがねぇ…まゆはいつだって準備オッケーですよ、◯◯さん?と言っているようにここでの状況においてまゆはプロデューサーと結ばれるため(ゴールに達するため)に(一方的に)やれることはやりつくしています.まゆのLOVEがいっぱい溢れたふたりだけの場所にプロデューサーを連れて行ってますし,そのLOVEも(まゆなりに)伝えています.部屋にハートがいっぱいあるわ,胸も寄せてるわ,(バレンタインパーティーと同じく)ピアスをつけてオシャレをしてるわ,(恐らく)プロデューサーの隠し撮り写真があるわでまゆなりのアピールがかなり詰まっています.完全にやりきっているとも言えるでしょう.

では後はなにをしたらゴールになるか,と考えるとあとはプロデューサーが受け入れることでしかこれ以上先の関係には進めません.運命の相手と結ばれるには相手が受け入れてこそ初めて結ばれることが出来るわけであって,プロデューサーがそれを受け入れない限りはなにも進展しません.セリフに則って言い換えるなれば「プロデューサーがまゆを『2人を繋ぐ運命の赤いリボン』でグルグルに縛って飾ってお持ち帰りする」ことで初めて結ばれるわけです.

このまゆのアプローチをもらったあとどうなったかについては明示されてなく,言えるとするならばここから先も(結ばれてるんだったら現状やる必要もない)「アイドル佐久間まゆ」が活動を続けているということだけでしょうか.ただここまでされてお互い何も話し合わずにまたアイドルを続けているとは考えづらいです.話し合いの内容については明示されてませんが,次のカード(深紅の絆)からまゆに明らかに変化が起きることを考えると,その「変化」に関することをプロデューサーとまゆで話し合ったことは推測できます.(ここでどういう話し合いをしたのかについて考えたメモは後述しているので興味ある人は読んでください)

深紅の絆

ここまでのカードと比べ明らかにまゆの発言に変化が見られるカードです.

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深紅の絆のセリフ時系列を考えると 思い出エピソード前編 → シンデレラガールズ劇場177話 → 思い出エピソード後編 → 深紅の絆 特訓前 → 深紅の絆 特訓後 となっているのでこの順番で追ってみます.

思い出エピソード前編ではまゆがお仕事をしている間にいつの間にかプロデューサーが席を外していた描写があります.これに対してまゆは以下のような心情を述べています.

まゆのプロデューサー…まゆだけの…プロデューサーなのに…どこにいったの…? どうしていないの? どうして? ねぇどうして……

しかし,いざプロデューサーが戻ってきたときのセリフは次のものになります.

どこに行ってたんですか? 他の子の所とかじゃないですよねぇ?

冗談ですよ。

プロデューサーが席を外していた際の心情はここまでのカードでも見たことあるようなセリフになっていますが,いざプロデューサーが戻ってきたときのセリフは一瞬いつもどおりと思いきや「冗談ですよ」というクッションをはさみます.この時点でこれまでのカードとは違う雰囲気を漂わせていますが,後々同じようなものがあるのでその際に書きます.

次に シンデレラガールズ劇場177話についてですがこちらではまゆがプロデューサーの部屋風呂に突撃することを思いついたような描写が見られます.

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ここから言えることはまゆ自身最初から部屋風呂に入ることを計画していたわけではないということです.旅館には素敵な露天風呂(劇中で素敵な露天風呂と明記されている)があるにも関わらず男であるプロデューサーは部屋のお風呂にしか入れないということに気づいた上でまゆは部屋風呂に入ることを決めます.

そして思い出エピソード後編へと話が続きます.まゆがプロデューサーの部屋風呂に先に入るはいいものの待ちすぎてのぼせてしまうシーンです.ここでセリフを一部見てみます.

うふ…プロデューサーさん…この日のためにまゆは特別な準備をしてきたんですよ…

でも、今日の温泉はみんなと一緒だから…プロデューサーさんを困らせないようにしなきゃ…

特別な準備に関してはなにを示唆しているのかわからなかったのでここでは置いておきます.(こちらについても「特別な準備」とはなんなのかと考えた分については後述してます)

ただここから言えるのはまゆは「プロデューサーを困らせないように」動いているという点です.1つ前のカードである恋愛シンドロームではまゆの気持ちばかりが優先されるような行動ばかりでしたが,このカードから「プロデューサーが困るかどうか」を意識しはじめます.これについては思い出エピソード前編でも言えてプロデューサーがいないときのまゆの心情と異なり,プロデューサーの前ではどこに行ってたんですか? 他の子の所とかじゃないですよねぇ? 冗談ですよ。 と自分の気持ちを押しつけすぎないように「冗談」というクッションを挟んでいます.クッションを置くことでプロデューサーの返答を困らせないようにしているとも言えるでしょう.

余談ですが,深紅の絆思い出エピソード後編の…はぁ…もう…暑くて…熱くて…カラダの中までアツくて…倒れちゃいそう…プロデューサーさん…早くこないかな…ってセリフめちゃくちゃ上手いですよね.「(浴室が)暑くて…(お湯が)熱くて…(物理的&プロデューサーのことを想いすぎて)カラダの中までアツくて」っていう言葉遊びとダブルミーニングが潜んでて細かいながらもかなり好きなセリフです.この辺の言い回しは特訓前深紅の絆にも多く見られます.

さて,ではようやくカードのセリフについて触れていきます.

先程,まゆはプロデューサーを困らせないようにしていると書きましたがそもそも部屋風呂に勝手に入るのはそれこそ「困る」のではという考え方も出来ます.事実としてはそうなのかもしれませんが,ここで出てくるのが独りきりじゃ寂しいでしょう? まゆがいますよぉ…ほらぁ…というセリフです.部屋風呂に入ったことについてはやはり単純にまゆが2人きりになりたかったというのも大きいと思いますし,それはプロフィールコメントにまたふたりきりになれましたねというセリフがあることからも言えるでしょう.ただ,やはり今までとは大きく違うのは「プロデューサーのことを思った上での行動」という理屈が付与されているところです.今回の行動についてはまゆ自身が2人きりになりたかったというのもあれど,それでも「プロデューサーは独りきり(しかも素敵な露天風呂にも入れない)で寂しいだろう」という気持ちがあった故と言えるでしょう.つまり,今までのように自分だけの気持ちを盲目に押しつけるのではなくプロデューサーのことをある程度考え,それと一致した上での行動になっていると考えられます.

他にこのカードから言えることといえば「乙女な面」,「夢見る姿」が直接描かれているところでしょうか.

(特訓前 マイスタジオ)

乙女だから夢見ちゃうんです♪

(特訓前 親愛度MAX)

まゆ、いつもお風呂でお仕事と◯◯さんのこと夢見るんです。けど…今日は貴方がいて…夢じゃない…うふ♪

(特訓前 親愛度MAX マイスタジオ)

あん…運んでくれるなら、◯◯さん、お姫様抱っこ…

後の話になりますがエヴリデイドリームの歌詞にあるようにまゆは「乙女」なわけですが,ここについて初めて明確に描画されたのがこのカードになるでしょう.恋い焦がれた相手のことを夢見る行為なんてまさに乙女とも言えますし,お姫様抱っこをしてほしいなんて欲求も同じことが言えます.

さて,特訓後についてです.

特訓後のイラストはというとリボンに縛られたり,背景には(まるで檻のような)鉄格子が描かれておりまるで拘束されているかのような構図になっています.ではなぜこのような構図になっているのか,と考えると恐らくそれは次のセリフと重ねることが出来ると思っています.

(特訓前 親愛度UP)

ほんとはまゆって弱い子なんです…◯◯さんだけの…

本当は弱い子,という意味を考えるとそれはやはりこれまでの「不安」に関する描写だと言えるでしょう.「他の子を見てほしくない」のも「私を1番と言ってほしい」のも全てまゆが「自分が運命の相手であるかどうか」を不安に思っていたが故のセリフになります.だからこそ何度もプロデューサーに疑問を投げかけるし,時には物理的な繋がりすら求めたり,関係性を明示してほしいようなセリフも多く描画されました.その「不安 = 弱さ」をプロデューサーに初めて曝け出したのがこの深紅の絆特訓後というカードになっているのかと思います.自らが赤いリボン(= 運命の赤いリボン)で縛られて檻に閉じ込められることで「自分を縛ってほしい」という「不安」の気持ちをプロデューサーに打ち明けられた,という構図をこのイラストは描いているのかなと考えています.

しかし,なぜここで抱えてる「不安」をプロデューサーに見せることが出来るようになれたのかという話です.「不安」だけに限らず深紅の絆ではなぜこんなにもまゆの変化が見られるかという話にも繋がってきます.これについては如何にして「深紅の絆」というカード名に至ったのか考えることで解決するのでそちらを考えていきます.

先述したようにこれまでのまゆは「不安」に駆られるが故にもっともっと距離を詰めようと盲目的に行動してきました.言い換えるならばまゆがプロデューサーの気持ちを「信じる」ことが出来なかったからともなります.プロデューサーが自分のことを想ってくれているかどうか「信じる」ことができなかったからこそ,恋愛シンドローム特訓後のように「まゆのLOVEが溢れた2人だけの場所」へ連れて行ってどうしてもその気持ちを確かめようとした,と考えられます.しかし,(改めて書きますが)結局恋愛シンドロームの後もアイドルを続けているところからも(恋愛シンドローム特訓後から何も起きずにそのまま仕事が続行出来るとは思えませんし)その後プロデューサーと話し合ったことが想像できます.恐らくですが,そこで初めて「プロデューサーが自分のことをどう思っているか」について聞けたのでしょう.

だからこそ「不安」が解消された深紅の絆ではプロデューサーを「信じる」描写が多くなっています.例えば以下のセリフです.

(特訓前 プロフィール)

Pさんが来ると思って、支度して待ってたんです…そう、ずーっと♪

(特訓後 プロフィール)

まゆの物語は◯◯さんと出会って始まったの…だから運命の赤いリボンは貴方に繋がってるって信じてるんです。このリボンが絡みついて…貴方と私を強く結びつけてくれるって…

もっと言うなら思い出エピソード後編に存在する次のセリフからも言えるでしょう.

…はぁ…もう…暑くて…熱くて…カラダの中までアツくて…倒れちゃいそう…プロデューサーさん…早くこないかな…

あぁ…プロデューサーさん…来てくれたんですね…うふ…♪私のピンチにはかけつけてくれる…さすが私の…私の一番大事な……

浴室で待っていたまゆは自分でも倒れそうなくらいピンチだとわかっていても「プロデューサーが来ることを信じて」待っています.ひとりきりで,しかも倒れそうになっても「プロデューサーは来ないんじゃないか」と「不安」に思うことなく「きっと来てくれる」と「信じている」わけです.これこそがまゆの変化とも言えるでしょう.

じゃあなぜこんな変化が起きたのか,という話ですがそれが先述した話に繋がります.(恋愛シンドローム後に)今までブラックボックスだった(= 信じることが出来なかった)自分に対するプロデューサーの気持ちを聞くことができてまゆの「不安」は和らいだのだと考えられます.気持ちを聞くことで(今までどうしても確認したかった)「プロデューサーが自分のことを想ってくれている」ことを確認出来たわけで,ようやくまゆがプロデューサーの気持ちを「信じる」ことができたのだと言えるでしょう.

また,「不安」が解消されて「信じる」ことが出来るようになった変化が特に表れているのが次のセリフです.

(特訓前 親愛度MAXお仕事)

ふふ、他の子を見るくらいは許してあげます…少しだけですよ? 

今まで自分だけを見てほしいと言っていたまゆがここにきてプロデューサーに対して(少しだけなら)他の子を見てもいい,と許容の姿勢を見せます.今までなぜ「自分だけを見てほしかったのか」というのはやはりプロデューサーが自分から離れてしまうという「不安」からくるものだったと思います.しかし「プロデューサーが自分のことを想ってくれている」というのがわかったことで,他の子を見ていても「自分から離れてしまう」と不安に感じるのではなく「他の子を見ていてもちゃんと自分を見てくれる」と信じることが出来た上でのセリフであると考えられます.

ただしやはり「すきな相手には自分だけを見てほしい」という気持ちも見られて,思い出エピソード前編に「まゆだけのプロデューサーなのに」というセリフがあることを考えると口にしてないだけで今でも「まゆだけを見てほしい」とは思っていることはわかります.それでも他の子を見るくらいは許してあげます…少しだけですよ?と言えるのは「不安」が解消されることである程度まゆの心に余裕ができ,プロデューサーのことまで気遣うことが出来るようになったからだと思います.信じることが出来たからこそ自分の気持ちでいっぱいいっぱいにならずプロデューサーを気遣えるし,だからこそ(仕事上他の子を見る)プロデューサーに対してちゃんと「他の子を見てもいい」と言えるようになったのではないでしょうか.

つまり「深紅の絆」というカードはまゆが「プロデューサーが自分のことをどう想っているのか」というのを「不安」に思うのではなく,初めて「信じる」ことが出来るようになったカードと言えるでしょう.プロデューサーが他の子を見ても「自分から離れるわけではない」と確認し,信じることができたからこそ自分の気持ちだけでなくプロデューサーのことを考える余裕が生じたり,(ハロウィンパーティのイベントセリフでは勝つことにこだわっていたまゆが)「自分の弱さ」をプロデューサーに吐露するに至れた(= 距離を近くすることが出来た)のではないかと思います.故にプロデューサー(=運命の赤いリボンで結ばれた相手 = 深紅)とまゆの距離が縮まった(= 絆)ことを示す「深紅の絆」というカード名になっていると考えました.

これを踏まえて最後に深紅の絆特訓後のセリフを見てみます.

(深紅の絆特訓後 親愛度MAX)

まゆはもう決めたんです。◯◯さんが望むなら何だってしてあげるって。トッププロデューサーにだってしてあげる…♪

「まゆがトップアイドルになる」というのは「プロデューサーがトッププロデューサーになる」と同義とも言えますがどちらが主体になるかでかなり意味が変わってきます.仮に「トップアイドルになる」という言い方であれば「自分がトップアイドルになった結果プロデューサーがトッププロデューサーになった」だけであってメインの目的は「自分がトップアイドルになる」ことです.「プロデューサーがトッププロデューサーになる」は結果的に付随するものでしかありません.ですが「トッププロデューサーにする」を主体にすることで,明らかに「プロデューサーのためにトップアイドルになる」という意志が見られます.「プロデューサーをトッププロデューサーにするために自分がトップアイドルになる」ので最初から目的が変わってきます.こういうセリフになっているのも今回で絆を深めることが出来たまゆだからこそだと言えるでしょう.

その他考えたことのメモ

考えたはいいけどこれは書いてもしょうがないしな,ということをまとめてあるだけなのでまゆの描写について語っているわけではありません.興味のない人はスルーしても大丈夫です.

恋愛シンドローム後になにを話したのかについて

個人的な話ですが特訓後恋愛シンドロームまゆってめちゃくちゃ妄想が捗る場所だと想ってます.

特訓後恋愛シンドロームって「好きです」とは言ってないものの実質告白してるみたいなものじゃないですか.まゆが「こんなにプロデューサーがすきです」とアピールして,それに対してプロデューサーのどう返答するのかっていう構図は告白と同じだと思っています.でも,その告白に対するプロデューサーの返答はというと結果的には断ってるわけです.

で,ここのプロデューサーの断り方次第ではまゆの心って崩れちゃうと思うんですよ.ここまでのカードでこんなに「自分の運命の相手であるという証明を欲しがる」ほど不安を見せてる(しかも今はそれが爆発してる)子に対して「君の想いには応えられない」って明言した瞬間,完全に崩壊する気がすると感じてます.だってそれはもはやフラレて「失恋」したのと同義なわけだから.でもここから先,アイドルとしての佐久間まゆがまだいる以上,その断り方だけは絶対してないのはわかります.

次のカード(深紅の絆)ではまゆは「独りよがりの行動」から「プロデューサーを想った上での行動」に変化していきます.そうなったのはやはりここでプロデューサーに諭されたが故であるとも言えるでしょう.つまりここでは「まゆの行動を変化させつつ」,「失恋させない」諭し方をしているわけです.しかもあれだけのアピールを躱しながら,まゆの行動の原因となっている「不安の爆発」を解消するためにきちんとプロデューサーがまゆに対して「ちゃんと想っている」という旨も伝えなきゃいけません.

じゃあ上記の条件を満たした諭した方とはなんなのか,というのが自分としては妄想のしがいがある場所だと思っています.まゆからは迫られていて「(プロデューサーとアイドルという関係性から)受け入れちゃいけない」,でも「明確に断ってはいけない」というこの一歩間違えたら即終わりみたいな状況をどう切り抜けるのか,なおかつどうやってまゆを安心させるための気持ちを伝えなきゃいけないのか,というのはかなり繊細な言葉選びが必要なのでこの辺を考えると面白いのかなぁなんて感じています.

というわけでなんかこの辺を補完したような作品があれば誰か教えてください.

深紅の絆の「特別な準備」とは

特別な準備についてですが,恐らくまゆは露天風呂でなにかをする予定だったのかなぁと思ってます.今回のお仕事は劇中等の描写からも色々なアイドルと一緒にこの温泉街に来ていることがわかります.思い出エピソード後半で今日の温泉はみんなと一緒だから…と言ってますが,「今日はみんなと一緒だから」というならまだしも「今日の"温泉"はみんなと一緒だから」と敢えて「温泉」を明示しているのはそのためなのかなぁと.

更にこのセリフにはだ・か・ら…プロデューサーさんのお風呂にお先におじゃまして…待っていましょうねぇと続き,「みんなと一緒だからプロデューサーを困らせたくない」→(だから)「プロデューサーのお風呂にお邪魔する」という図式が見えます.ここの「だから」ってなんの順接なんだよって話ですが元々露天風呂でなにかをする予定だった,という前提ならこの「だから」もおかしくないのかな,と.露天風呂でなにかしたかったけどみんながいる(しかもプロデューサーは露天風呂に入れないことがわかった)→(だから)プロデューサーの部屋風呂に向かったみたいな流れといいますか.しかもここから続くセリフがプロデューサーさん、まだかな…? ここは内風呂だし、露天風呂よりも狭いから…もっと接近できるかもとなっており,「露天風呂」と「内風呂」との比較のセリフになっており,わざわざここを比較しているからにはやっぱり上記のことは言えるのかなぁなんて考えました.

とはいえここまで長々書いたものの結局何がしたかったのかは(少なくともテキスト情報だけじゃ)わからなかったのであんまり考えた意味はないかもしれません.

おわりに

めちゃくちゃ文章が長くなったので簡単に各カードがどんな感じだったのかだけまとめておきます.

  • 初期 ~ ハロウィンパーティ

まゆの性格のベースが読み取れるカード.ずっと一緒にいたいだとか乙女な要素が垣間見ることが出来たりと基幹な部分が多く描かれている印象.

  • バレンタインパーティ

バレンタインという他の女の子からの気持ちがダイレクトにプロデューサーに伝わるイベントのせいか,他の子との比較が多いカード.これまでのカードよりも「不安」という面が大きく描写されていた気がする.

今までの「不安」が一気に爆発したカード.だからこそ物理的にプロデューサーとの距離を詰めようとする.でも結局自分の気持ちを盲目的に突っ走って伝えてるだけなので独りよがりな行動になっている.恐らくだけどこの行動の後に「不安」を解消すべくプロデューサーから何かしら会話があって諭されたんだろうと思う.

  • 深紅の絆

「絆」とあるようにここで初めてプロデューサーときちんと距離を縮めたカード.今までの「不安」ではなくもっと余裕を持ってプロデューサーの気持ちを「信じる」ことが出来たまゆが描かれている.

みたいな感じです.

はじめの方にも書きましたがエヴリデイドリームを考えるための下地としてまゆの各カードを考え始めたわけですが,想定してた数倍は文章が長くなったし何度も考え直したので(いくら最後に読み直してある程度修正したとはいえど)多分かなりしっちゃかめっちゃかな記事になってしまった気がします.

とはいえ一応現時点での自分なりの考えはほぼアウトプットしたので,もしも誰かがまゆを考える際に役立てれば幸いです.