淡さを形に

面白い作品を面白いと言うだけのブログです.考えたことの備忘録として使うのが主 .考察っぽいことや演出とかに触れることもありますが別段その手のものを勉強しているわけではないのでかなり適当です. Twitterでは@tkihoroloのアカウントにてたまに話してたり話してなかったりします.コメント等あればTwitterにリプ投げてくれると嬉しいです.

シンデレラガールズ第十五話 考察っぽいなにかと感想

 

この記事はシンデレラガールズ第15話について自分が考えたこと、感じたことについてまとめております。

14話Cパートにて2期としての物語が大きく動き始めました。15話では、それについてのみんなの反応、そして今後どうしていくかについてのお話だったように思えます。
それでは以下からが本文です。

考察っぽいなにか 

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突然ブルーシートに囲まれ、アイドルはそのことについて何一つ通達されていないという様子が伺えます。このようなところから、美城常務の行動の速さ、というより強制力でしょうか。非常に強引なやり方をしていることがわかります。

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文が読みづらい画質で申し訳ないのですが、シンデレラプロジェクトだけではなく他の2つのプロジェクトが廃止されていることがわかります。
14話最後にて常務が「現アイドル事業部門の全てのプロジェクトを解体し、白紙に戻す」と発言していたことと、上の張り紙からアイドル事業部門のプロジェクトはシンデレラプロジェクトとその他2つの計3つであることが推測できそうです。

また、B1フロアへの移動のお願いが記されています。恐らく地下なのでしょうが、ここからも常務から見たシンデレラプロジェクトの"ポジション"というものが表れている気がします。

15話から新OPの「Shine!!」が流れるようになりました。ではOPのほうを追ってみましょう。
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新たな光に 逢いにいこう

 この”新たな”というキーワードが重要で、"新たな光に逢いにいこう"ということは、既になにかとある光を持っていることが前提条件となっており、その上で更に"新たな光"である他の光に"逢いにいく"ということを示しています。
例えばもしも、なにひとつ光を持っていない状態であるならば”新たな”という条件をつける必要は無くなってしまうからです。

1クール目でOPとなっていた「Star!!」では星になることを目標としての歌詞となっておりました。そして彼女たちは13話にてアイドル(星)になれたことが示されました。これによって先ほどの"とある光"を持っていると考えられ、"新たな光に逢いにいこう"という前提条件は整いました。したがってこの歌詞は、"星"になったその上で、より輝くために"新たな光"を探していると考えられそうです。
この構図はタイトルにも顕著に表れており(むしろタイトルの構図がこの歌詞に表れているのでしょうが)、「Star!!」になった後に「Shine!!」へと移り変わっています。つまり、星になった後に輝くことを目標としており、1クール目から階段を上り次のステージに移ったことが示されています。
もちろんOPアニメにもそれが表現されており、初めのカットでは星が描かれ拡散し、輝いています。

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このカットに限らず、花びらが舞っているカットが「Shine!!」では多く扱われていました。こちらも輝きを表したもののように思えます。

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こちらの背景はキービジュアルでも扱われていました。ではここで歌詞を引用してみましょう。

「ねえ 探していたのは 12時過ぎの魔法 それはこの自分の靴で 今進んでゆける 勇気でしょ」 

 さて、"12時過ぎの魔法"というキーワードが出てきました。シンデレラガールズの代表曲である「お願い!シンデレラ」でもこの概念が登場しています。

「魔法が 解けないように リアルなスキル 巡るミラクル 信じてる」

 「お願い!シンデレラ」ではリアルなスキルと巡るミラクルを信じることで魔法は解けないことが示されています。

同様にShine!!を見てみるとこちらでは、12時過ぎの魔法とは"自分の靴で進んでゆける勇気"ということが示されています。

以上のことから、2クールでは12時過ぎの魔法について、言い換えれば自分自信の力を信じることによって物語が進んでいくということが推測できます。

そして、この歌詞の間に挿入されるカットにも注目していきます。

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歌詞内に"自分の靴"とあり、上のOPアニメからもわかるようにこれは裸足であることがわかります。"自分の靴"とは自分を信じて歩み続けるそのことであり、何者かによって歩まされるわけではありません。この自分で進むということの表れとして裸足で表現されているように思えます。
また、そのことが魔法であると歌詞内で定義していることから、裸足に輝くものの象徴である花が纏い、"自分の靴で進んでゆける勇気”が"魔法"であるということを表現しています。

この後のシーンではNGだけでなくシンデレラプロジェクトのメンバー全員が登場していることから、みんな自分の靴で歩んで言っていることがわかります。

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OPを進めていくと次のようなシーンに入ります。

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"自分の靴で進んてゆく勇気"によって、衣装が変わり12時過ぎの魔法にかかったシンデレラプロジェクトのメンバーが表現されています。
また、画像では伝わりにくいですが、下に描かれている時計の針が止まることなく動いており、12時を過ぎても魔法にかかっていることが示されているように思えます。

最後に以下のシーンがありました。

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シンデレラプロジェクトのロゴが花びらに変化しました。これはシンデレラプロジェクトによってアイドルが輝くことが出来た、という象徴のように思えます。
直接関係があるかはわかりませんが、花開くという言葉は346プロのポスターにも使われておりました。

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 新OP「Shine!!」については以上となります。

ここから15話本編の内容に移っていきましょう。

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今までのお部屋とは打って変わり、電灯はまともにつかず、資料室という明らかに用途が異なる場所に移されています。

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シンデレラプロジェクトの解体にあたって、階段から下るシーンを挿入することで魔法が解けることを示唆しているように思えます。6話でも同じような表現がありました。

 

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地下のB1フロアということもあるのでしょうが。階段の先が光に溢れていることからも魔法が解けてしまったことを改めて感じさせます。

シーンを進めると会議でのプロデューサーと美城常務のやりとりがありました。

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常務が話すとき、プロデューサーが話すときでは光の使い方が対照的であり前者は暗く、後者は明るくなっております。ここから「シンデレラガールズ」という作品においてのアイドルの方針としてあるべき姿というものが象徴的に示されているように思えます。
ここでプロデューサーと常務のやりとりを確認してみます。

常務「(前略)私の厳選した規格に適合したアイドルのみ選出、強化する。対外的な美城のブランドイメージを確立するのが狙いだ」

プロデューサー「プロジェクトにはそれぞれ方針があり、その中でアイドルたちは成長し、個性を伸ばしていると思うのですが」


常務「個性を伸ばす、大いに結構だ。しかし時計の針は待ってくれない。今の非効率的なやり方では成果が出るのが遅すぎる」
プロデューサー「しかし、1人1人歩み方は違います。それを無視して笑顔を失ってしまうかもしれないやり方は、自分には出来ません」

常務の考え方に注目してみると、まず"厳正した規格に適合したアイドルのみ選出、強化する"とあります。"のみ"であり、規格に当てはまらなかったアイドルがどうなるかは現状作品内では明かされてませんが、言葉の流れから単純に考えると排除、そうでなくても美城のアイドルとしては扱われなくなることが推測できます。対外的な美城のブランドイメージを確立というのも、美城プロでのアイドルは前話で登場したロックなアイドルの木村夏樹であったり、(背景にしか登場していませんが)1話での芸人枠的な存在のアイドルの上田夏帆であったりと幅広く存在し、美城のイメージとして1つに確立することが出来ないことを表しております。これは勝手な想像ですが、マーケティングをする際何かイメージを確立出来ていない場合確かにその面においては非効率とも言えそうです。
また常務は「個性を伸ばす」という言葉自体には否定しておりません。飽くまでも"現状の個性を伸ばすやり方では"会社の利益諸々を含めた面で非効率であるために否定しております。逆説的に「個性を伸ばす」という考えでも美城常務の考え以上の利益が出せるならそれを尊重するとも捉えられます。
ここまでを考えてみると"会社の経営としては"間違ってはおらず、理に適っているように思えます。しかし、アイドルは利益を稼ぐものと道具扱い、というと極端すぎて語弊がありますが、少なくとも笑顔を失ってしまう可能性がある部分には特に重点には置いていません。

今度はプロデューサーの意見に注目してみましょう。こちらはアイドルのことを非常に重要視していて、1人1人歩み方が異なるのだからそれを尊重し、笑顔を無くさないようにするべきだと考えています。アイドルの個性を大事にすることで、着実に笑顔を無くさないように進んでいくべきであると述べています。ここまでの話でわかるようにアイドルが笑顔になることでお客さんも笑顔になり、成長しています。したがってプロデューサーはアイドルのこと、笑顔を重要視しています。

観点は違えど、お互い正しいことは述べています。常務は経営の観点から、プロデューサーはアイドルを尊重する観点です。先ほどの光の使い方からもわかるように「シンデレラガールズ」の作品としてはプロデューサーの意見を大切にしております。プロデューサーの考え方でも述べましたが、アイドルに笑顔がなくなってはなりません。アイドルが笑顔になることで、お客さんも笑顔になり、一歩ずつ成長し再び笑顔になって仕事をすることが出来るからです。

では次に進みます。

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部屋は物が散らかっており、プロデューサーがファイルを置くと埃がたち、杏が咳をしていることからしばらくの間使われていないことがわかります。また、この埃がキーワードとなっており、「シンデレラ」の作品において主人公が初め埃を被っていたように、魔法が解けてしまったことを表しているように思えます。

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 プロデューサー「(プロジェクトは)解散させません!絶対に。対抗する案を提出してなんとかします。私を信じて、待っていてください....」

凛「でもさ、待つことしか出来ないの....?」

 プロデューサーがシンデレラプロジェクトのメンバーに対し「待っていてください」と発言したことは7話でもありました。あの時点では、プロデューサーは初めてアイドルに向き合い「待っていてください」と言っていました。アイドル達はやや戸惑いながらもその後部長が来て過去の話をすることで待つことになりました。その7話時点と比較してみると、15話では「待っていてください」という言葉をきちんと受け取り、その上で何か出来ないのだろうかと「待つことしか出来ないの....?」と問いかけています。ここからお互いの信頼関係の進歩が改めて示されているように思えます。

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 ちひろ「プロデューサーさん、そろそろ会議のお時間ですよ」
プロデューサー「はい、必ずなんとかします」

 このやり取りの間に挿入されていたカットです。長針は55分を指しており、時間があまり残されていないことを示されているように感じます。

プロジェクト解体にあたって落ち込んでいたのはシンデレラプロジェクトだけではなく他のプロジェクトもまたそうでした。以下のカットはそれを特に表現していたと思います。

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こちらに似たカットが2話でも登場していました。(自分で用意出来ていなかったので他の方の場所から引用します。)

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同じブルーナポレオンのメンバーが映っていますが、比較してみると15話では私服、2話が衣装、また、画面の明るさも異なります。衣装から私服になっているということは魔法が解けてしまった示唆のように感じさせます。そして画面を暗くすることでその感情を表現しているのではないでしょうか。

 

今回の常務の件によって奈緒、加蓮のCDデビューが遅れてしまったことを受けて以下のやりとりがありました。

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未央「ちょっと行ってくる」
凛「行くってどこに?今は待つように言われてるでしょ」
未央「それは....そうだけど....でも!こんな酷いことってないじゃん!!なのに待ってるだけなんて、しぶりんだって言ってたじゃん。しまむーはどうなの?」
卯月「え!?わ、私ですか?えーっと、えっと、あの、あの....がんばります!レッスンいっぱいしてライブだってありますし、まずはそれをがんばって、えっとそれから....あれ....すみません!なにかへんなこと言っちゃったかな....でもケンカは良くないって、その....」

このやりとりの中では島村さんの考え方が非常に良く表れています。普段「がんばります!」と多用しているように、島村さんはとにかく今目の前にあるやるべきことを一生懸命こなしていく姿勢をしています。考えを放棄しているのではなく、それが島村さんのアイドルのやり方であり、今回丸く収まったように強みだと感じさせます。しかし今回はこれで丸く収まっていますが、一方で感覚的なもので申し訳ないのですがここに多少不穏な空気が漂っていたように感じました。似たような空気を挙げるなら6話前半の未央を見ていた感覚でしょうか。6話前半はそれで上手くいっていたものの、後半ではネックとなっておりました。恐らく今後島村さんのこの部分がネックとなり物語に影響を及ぼすのではないでしょうか。

 

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各アイドルの陰鬱な表情の後、雨が降り始めます。この雨はアイドルの感情を表現しているように思えます。

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美城プロの最も代表的アイドルの楓さんのタペストリー(?)すらも会社から消えてしまうことで、改めて全てのアイドルプロジェクトが解体されたことを感じさせます。

 

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企画書制作に疲れ気味のプロデューサーがアイドルの私物が入ったダンボールから13話後の集合写真を取り出し、作業机の上に置きました。これによって再び、PCに向かい作業を進めます。
常務のやり方でアイドルの笑顔を無くさないためにプロデューサーは新しい企画書を作成しており、その"笑顔を無くさない"というプロデューサーの気持ちがここに溢れているように感じます。

 

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1~13話の扱いからわかるように楓さんは346プロのトップアイドルとしてのポジションに立っていました。常務にまず初めに呼ばれるアイドルが楓さんなのも納得がいきそうです。

 

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常務「君の活躍は、我が美城プロの中でもトップクラス。次の音楽番組で、君がメインの特番を組もうと思う。君は選ばれたんだ」
楓さん「私がですか?」
常務「そう。君はもう灰被りではなく、お姫様なんだ」
楓さん「お姫様」
常務「そうだ。お姫様に粗末な小屋は似合わない手始めにこのイベントは他の娘に回そう。こんな小さな仕事はイメージにそぐわない」

 上記のカットは常務が企画書を机に叩きつけたときの部分です。PCにゴミ箱が映っていることに、イメージにそぐわない仕事はいらないと言わんばかりの描写となっております。
また、「イメージにそぐわない」という言葉から、常務の「対外的なイメージの確立」という方針が一貫して行われていることがわかります。

さて、シーンを大きく進めます。

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今更改めてこの点に触れるのもしつこい気もしますが、NGのお辞儀の深さがそろっていますね。3話までは礼の深さが3人それぞれ異なっていましたが、それ以降はきちんと揃っております。

それではNGでチラシの裏に企画書を考えるシーンまで進みます。

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未央「学園祭巡り....もっとビッグに、お客さんと超盛り上がる....いつもと変わんないかぁ。ねぇしまむー、どんなこと書くの?」
卯月「え!?まだ考えてて....」
凛「急には出てこないよね」

上記のカット、会話からわかるように未央と凛ちゃんはある程度は案が思いついている様子ですが、島村さんはまっさらな状態のままです。ここに先ほどの島村さんのネックとなっている部分が関連していると自分は考えました。目の前のお仕事を一生懸命がんばることに重点を置きすぎて、このようにこれから先何をするのかということについて頭があまりまわらない様子です。この様子は先ほどの奈緒、加蓮のCDデビューのやりとりでも示されており、まず目の前のレッスンをがんばることから始めると発言する辺りに同じと言えます。また、「これから先何をするのかについて頭がまわらない」というのは決して「目標が無い」ことを指しているわけではありません。1話、7話の島村さんのセリフを振り返れば、CDデビュー、テレビ出演、ラジオ等目標を掲げていたシーンは幾つもあったようにそのように言い換えることは出来ないと思います。

 

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NGが企画書を考えていてくれたことに対して、プロデューサーは感謝の意を示していました。5話時点でのアイドル達の企画書には戸惑っていましたが、今回は素直に感謝をしています。5話時点ではプロデューサーは直接アイドルに話していなかっただけで水面下ではきちんとNGとLL以降のユニット企画が進んでいましたが、今回の「シンデレラの舞踏会」ではまだ企画自体があまり決まっていないからかもしれません。しかし、この感謝はそれだけの意味にとどまらず、アイドルの笑顔を守りたいプロデューサーとして、シンデレラプロジェクトを守るためにアイドルが一生懸命企画書制作を協力してくれていることに対して純粋に感謝しているように感じさせます。

 

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うちわの数が少ないのではないかとファンが押しかけてきた際に、楓さん自らが登場し場を安心させ騒ぎを落ち着かせたのちに、上のようなカットがありました。その楓さんを見てNGは3人とも「すごい」という言葉を発していました。プロデューサーから休んでいてくださいと言われて初めは「はい」と答えていましたが、上のカットを経て「私たちも何か手伝いたい」という旨を伝えます。自らの影を見つめるカットを挿入することで、自分の中の気持ちに向き合っていることが強調されているように思えます。そしてなぜ手伝いたいかの理由で「楓さんたち、すごくいい顔してたから」と凛ちゃんが伝えています。では楓さんはどのようにしてあの場を落ち着かせてたかと考えてみると、地震のときの合言葉の「おかし」を使うことでマイペースな笑いを入れることで落ち着かせています、もちろん、楓さんもお客さんも笑顔になっていました。

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楓さん自らが登場し、笑顔で接することでうちわが少ないのではないかと騒がしくなっていたお客さんも笑顔になっております。そしてお客さんだけではなくNGにも「笑顔」は影響を与えたことで、「何か手伝いたい」との旨を伝えてくれました。最後の最後でプロデューサーが常務に提出した企画書にある「Power of Smile」とタイトルにあるように、これらは「笑顔の力」と呼ぶことが出来ると考えられます。

楓さんのライブ中に、なぜ美城常務の仕事を断ったのか、という会話が登場します。少し引用してみます。

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楓「そのお話、お受けできません」
常務「何故だ?こんな小さな仕事より大きな成果を出せる仕事だぞ」
楓「お仕事に大きいも小さいもありません。今回のライブは、私にとって、大切な場所でのお仕事です」
常務「君は、更なる活躍のための階段を昇る気はないのか?」
楓「(首を振り)私は、ファンの人と一緒に階段を昇りたいんです」
常務「一緒に?」
楓「ファンの人と一緒に笑顔で、それが私にとって一番大事なことです」
常務「曖昧な理由だな」
楓「それが私のやり方です。貴方とは目指すところが違う」
(回想から戻り)
未央「ファンの人たちと一緒に....!」
卯月「笑顔で....!」
凛「自分たちのやり方で....!」
楓「今の自分を支えてくれている、あの時の笑顔。それを忘れずに進んでいきたい。一緒に輝いていきたいの!」

ここの一連の会話が今回15話で一番重要な部分であったと思います。まず、美城プロの中で常務のやり方に賛成だと思っているアイドルは初めのシーンで多くのアイドルが登場し、落ち込んでいたことからいないことがわかります。そして楓さんはこれまでのお話でそうであったように、今回常務が「トップ」と言っていたように、間違いなく美城の中でトップクラスのアイドルとして存在しています。その楓さんが常務に対して「目指すところが違う」と答えています。つまりこれは美城のアイドルの代表としての言葉として受け取ってもよいと考えられます。常務のやり方に不満を持っているということは、楓さんのような気持ちをそれぞれのアイドルが持っているということになります。この言葉は楓さんだけの言葉ではなく、美城のアイドル全ての「気持ち」の表れとして示唆されているように思えます。また、だいぶシーンが戻ってしまいますが部長とプロデューサーの会話を振り返ってみましょう。「シンデレラの舞踏会(仮)」を初めて部長に見せたシーンです。

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 部長「君らしい企画書だね」
プロデューサー「他にも幾つか考えたのですが」
部長「いや、君の信念を感じる良い企画だと思うよ。ただ、美城常務がこの内容を納得してくれるかどうか、かね?」
プロデューサー「部署や彼女たちの未来がかかっています」
部長「うーん....高垣君の話、聞いたかね?」
プロデューサー「あ、はい。美城常務のお誘いを断ったとは」
部長「彼女も彼女のやり方で、美城常務に対抗するようだ。ふふっ、なんだか君に少し似てると思ってね」

部長がプロデューサーと楓さんが少し似ていると言っていた部分に注目です。冒頭のやりとりのように美城常務、プロデューサーはどちらも明らかに間違っている論を唱えているわけではありませんでした。重要視する部分が違うために、意見が食い違っています。なぜなら楓さんの言葉を借りるなら「目指すところが違う」ためです。また、楓さんはファンと一緒に笑顔で階段を昇りたいと述べています。「一緒に」ということはもちろんこれは楓さん自身、つまりアイドル自身も指しています。そしてプロデューサーもアイドルの笑顔を大切にしています。これらの点において部長が言っていたように楓さんとプロデューサーは「少し似てる」と自分は考えました。


そして、まだいくつか振り返るシーンがあります。

うちわ渡し及び握手会を終えた後に未央は「楓さん、あんな大スターなのにやってることは私たちと同じなんだぁ」と言っています。常務と楓さんのやりとりで示されていたように、お仕事に大きいも小さいもありませんでした。そのセリフはこの未央の言葉によって顕著に表れていていました。

もう一つが、楓さんがライブステージに上がる前のNGとの会話です。

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楓「ここはライトがく"らいと"思うわ」
卯月「え、あ、はい」
楓「だから、私が輝かなきゃね」

 一見ただの楓さんのいつものダジャレシーンのように思えますが、ここも重要な意味があるように思えます。楓さんともなればもちろん今の美城プロのアイドルが落ち込んでいることは恐らく把握していると思います。また、NGが企画書を考えている際、未央が「シンデレラプロジェクト、何とか守れないかなって」と言った後に今までうちわにサインを書いていましたが、次のカットが入りその様子を気にかけているようです。

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最初の「ここはライトがく"らいと"思うわ」というセリフは美城プロのアイドルのことを指しているように思えます。そして「だから、私が輝かなきゃね」というセリフは(本人が意識しているかはともかく)美城のトップクラスのアイドルとして、つまり代表として常務のやり方ではなく「自分のやり方で」輝くことで他のアイドル達を明るくし、がんばっていこうと励ましているように自分は考えました。他のアイドルの様子が気にならないのであれば、先ほどのシーンでNGを気にかけることはなく恐らくそのままうちわにサインをいれ続けていたと思います。この何気ない短いやりとりにはこのような意味が含まれていたと思います。

そしてライブ後の様子のカットを見てみましょう。美城常務のお誘いを断る回想が切れた直後にあたります。

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楓さんは見事輝き、(画像ではわかりにくいですが)NGも感銘を受けたかのように目をキラキラさせ、楓さんの言葉にを噛みしめるかのように各々復唱します。プロジェクト解体で何をするべきか迷走気味でしたが、今後どのようにするべきか、また楓さんという目標を見つけたように思えます。楓さんが輝くことで、NGを明るく照らし再び輝き始めようとしているように感じさせます。

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凛「素敵だね」
未央「うん、楓さんも、ファンの人たちも」
卯月「はい、キラキラしてます」

このセリフから楓さんが言っていたように、お客さんと一緒に笑顔で輝いていたことがわかります。そして15話内では幾つもありましたが、美城プロのアイドルとしてのアイドル像が特に示されていたセリフだと感じさせます。

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最後のシーンでシンデレラプロジェクトのメンバーが掃除するエプロン姿になっていました。この姿は、シンデレラになる前の主人公の姿そのもので、埃被りの部屋を掃除しています。埃の描写は、プロデューサーがファイルを置いた瞬間の埃や、杏の咳、そして杏が一瞬マスクを着けていたことからわかります。

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NG以外のメンバーがこの姿になることで、魔法が解けていることを示唆するとともに二期に再スタートを感じさせます。ここでNGがいないのはこの15話にて楓さんから輝きを見つけることが出来たからだと思われます。

 

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未央「よーし!私たちも私たちらしいやり方でやろうよ!!」
卯月「私たちらしい....!!」
凛「うん!!」

 楓さんの言葉を受けて、NGが輝きだそうとしている瞬間が明確に言葉として現れた瞬間のように思えます。

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時刻は無事50分を指しました。

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最後にプロデューサーが提示した企画書には「Power of Smile」とまさに15話を象徴したかのような文字が記されています。

 

以上で考察っぽいなにかを終了します。

 

感想

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OP中の1カットなのですが、手のしわや線が本当に力が入っているなぁと感嘆してしまいました。

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歌詞の「小さなShining Star」に合わせて照明をそれと照らし合わせている演出が結構好みだったりします。

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ここ!!!!!!!!ここのインパクトといったらすごいですよ!!!!!!あ!すごい!!ぬるぬる動く!!かわいい!!!って感じでした

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Anzuchangさんは何故こうもかっこいいのか

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あまりこういう書類がアニメに登場することがなかったのでこうやって今までのお仕事がざっと見れるのは楽しいですね。やっぱり温泉番組では活躍しているんだなーと。ジクシィとかいうなんか結婚関連っぽい雑誌みたいな名前のCMモデルとして活躍しているようです。まぁ年齢も25なので相応なのかもしれません。そして毎回モバマスの子たちのプロフを見て思うことなんですけど、体重軽すぎて心配になるからもっと食べてくれ頼むって思っちゃいます。

 

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かわいい(かわいい)
Anzuchangって結構ほこりとかに弱いんですかね?普段引きこもっているから免疫力がちょっと弱いのかもしれません

 

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なんだこの母親力は

 

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765さんの方に目が行ってしまいがちですが、良く見てみると五十嵐響子ちゃんだったりJUPTERが活躍している様子も見られます。

 

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泣いているメガネくんって多分1枚目の左上で見切れている方ですよね....!
初めから追い続けている楓さんが美城のトップアイドルになって、そしてデビューライブと同じ地で再びライブを見れる感動と言ったら、それはもう言葉では表せられないくらいの感情だと思います。自分はそんな経験はあまりないのですが、やはりこのシーンでは中々くるものがありました。ここで少し泣いてしまった方も少なくはないのではないでしょうか。「ない」が多すぎてわかりにくい文になってしまいましたね....

 

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あ!うん!!かわいい!!!
だりーなは何やかんや家事が出来るあたりやっぱりエプロン似合いますね!みくにゃんはもう完全にOKといった感じです。

 

では全体的な感想を
今回やはり非常に情報量が多かったですね。新しいOPであったり、2期の再スタートを示すシーン、美城常務とプロデューサー、そしてアイドルたちの目指す場所の違い、楓さんを代表として描くことでの美城プロアイドルの全員の想いであったりと非常に見応えのあるお話でした。まさかこんなに早く1期最終話にあたる13話の記事より文字数が多い記事を書くとは微塵も思っていませんでした。
記事を書く都合上やはり何度も見直すことにはなるのですが、OPの「12時過ぎの魔法」の部分であったり、デビューライブから楓さんを追いかけているメガネくんのシーンなど何度見ても鳥肌が立ったり、涙が出そうになったりと本当に書いてて楽しかったです。その分更に投稿が遅くなってしまいましたが....

個人的に好きなシーンはもちろんこいかぜのライブもそうなんですけど、埃の細かい描写を何度も重ねつつ最後にエプロン姿にすることで、主人公がシンデレラになる前の「灰被り」を表現してた部分とか好きだったりします。杏の咳やマスクでそれを伝えるあたりとか好きですね。また2期がここから再スタートするのだなぁと非常に感じさせるシーンでした。


大変長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださった方はありがとうございました!
以上でシンデレラガールズ第15話の感想を終了します。