シンデレラガールズ第十九話 考察っぽいなにかと感想
このページではシンデレラガールズ19話について自分が考えたこと、感じたことについてまとめています。
初めはロックに興味があるもあまり行動に移せていなかった李衣菜がどのようなことを経て、ロックなことに触れてそして最後にどのようにして「自分の中のロック」を見つけたのかを中心に書いたつもりです。
それでは以下からが本文です。
考察っぽいなにか
冒頭はみくと李衣菜の会話から始まります。
李衣菜・みく「「だから!」」
みく「ステージをネコミミとふわふわの飾りでいっぱいにしたいって言ってるにゃ」
李衣菜「そんなのロックじゃないって言ってるの」
みく「ロックって具体的には何をどうするにゃ?」
李衣菜「それは....考え中、だけど....」
みく「舞踏会までにパワーアップしなきゃいけないのにそんなんじゃ間に合わないよー」
李衣菜「わ、わかってるってばー」
まずこの時に挿入されたカットに注目してみます。
このカット内に李衣菜とみくの「反対さ」がいくつも描写されています。
まず服装でしょうか。上着やスカートが李衣菜が寒色系に対し、みくは暖色系を選んでいます。またそこだけでなく、シャツが李衣菜が黒系、みくは白系であり、脚にも注目するとソックスの有無、首元に注目すると、同じ赤色のネックレスをつけているとしても李衣菜はギターのピック、みくはイチゴという点でも対照になっています。ソファーの紅白色も、対照を表現するが故のカラーリングかもしれません。
机の上のジュースもフルーツジュースとスポーツドリンクと甘いものとスッキリしたものとで対照になっています。
ただちょっと気になる点があって、李衣菜がフルーツジュースを選んでいることです。2話や11話を思い返してみると李衣菜はコーラ、みくはスポーツドリンクを選んでいました。
下の画像は11話の1カットです。(2話のカットは保存していませんでした....)
このことを考えるとみくがスポーツドリンクを選ぶなら李衣菜はここでもコーラを選んでいても不思議ではありませんが実際はフルーツジュース(野菜ジュース?)でした。正直納得する理由が自分には思い浮かべることが出来ませんでしたが、強いて挙げるなら李衣菜の「ブレ」が表現されているのかなぁとは考えました。良くも悪くもこの時点では李衣菜の方向性はしっかりとは決まっておらず、今回のお話のように自分の進む道について、今までのようにみくとやっていくのか、本当にロックの分野に進むのかで悩んでしまいます。11話と19話冒頭の李衣菜の違いに「ロックを目指して」ギターを練習しているかという点があります。ギターの練習はは14話で描写されていました。11話はユニットでやっていくだけだったのに対し、この時の李衣菜は多少なりともロックの方向を目指しています。それゆえに今までとは違うその「ブレ」を表現するために、コーラ(今までの飲み物)からフルーツジュースに変化しているのだと考えられる気もします。でもこの論はちょっと無理矢理な感じは否めませんね。
凛、奈緒、加蓮の3人でレッスンシーンに移ります。
未央が笑顔で「へぇ~いい感じだねー!」と笑顔で言っているのに対し、島村さんはただ呆然とした顔でそれに生返事をするだけでした。
この時、不安げに自分の身体を小さくしていました。ここの描写は恐らく後々のお話にて取り扱われると思います。
李衣菜が自分の中のロックのイメージについて考えている際に、夏樹を中心としてアイドルロックバンドを立ち上げるという話を聞いてしまいます。
ロックなアイドルを目指す李衣菜としては、やはり思うところがあるためか帰りの電車内で考え事をしていました。
考え事をしているシーンの間に、回想として14話の夏樹のシーンが挿入されます。14話の夏樹を見て目をキラキラさせていた李衣菜は、その夏樹がアイドルロックバンドを立ち上げるということに動揺している様子です。ロックを突き進む夏樹と、未だ自分の中のロックとはなにかを探している李衣菜との対比、あるいは そのことについての差を感じてしまってのこの憂鬱気な表情につながっているのかもしれません。窓に顔が反射するも目線が合わず、自分自身をまだ見れていない構図はまるで自分自身の中のロックがまだ見つかっていない李衣菜を表しているようです。
李衣菜がバイクに乗った夏樹と出会うシーンに移ります。
会話中も不穏なBGMが流れ、上記のカットのように李衣菜達に影がかかっています。
ここでの李衣菜は会話からもわかるようにロックの知識はあまり無く、夏樹との会話にも上辺だけでしか答えられません。
影になっているのは李衣菜のロックに対する想いの大きさを表現しているのだと思われます。影だから全く興味がないというわけではなく、簡単に言ってしまえばロックに対するモチベーションでしょうか。この時点では興味はありつつもまだあまり行動に移せてないために影になっているためだと考えました。ロックなアイドルな夏樹と、ロックなアイドルを目指す李衣菜の会話シーンでは物語が進むに連れ光の量が多くなっていきます。今回はそこについても随時触れて行きます。
李衣菜にロックの知識がないということは、セリフだけではなく様々な部分で描写されていました。
ロックの話が始まり答えられなくなると、顔を背けはじめ、目線がキョロキョロしています。また、顔の汗からも答えられないことへの焦りなどが表現されていました。
李衣菜「ライ....あ、あーライブハウスね!う、うーん、えっと最近はあんまり」
このセリフとともに上のカットが挿入されます。まさに浮足立つといった状態で足をもぞもぞさせています。こちらも李衣菜の心境を強調させているように思えます。
顔を映さず後ろからの構図にすることでも、上記で述べたようなことを強調しているように感じられます。
夏樹「新しいバンドのメンバー、良いサウンド持ってる連中だといいんだけどな」
このセリフの後に、李衣菜は目をキラキラさせ夏樹のことを見つめます。ロックなアイドルな夏樹と、そんな夏樹から出るこの非常に"ロックなセリフ"を受け、李衣菜は憧れのようなものを感じているために目をキラキラさせているように思えます。
夏樹からもらったCDを聴き始めると、李衣菜の肩がその曲にノリはじめます。ロックな夏樹に対する憧れ、そしてもらったCDから刺激を受け、ここから李衣菜は自分自身のロックを探すための行動が始まります。CDやその手の雑誌を読み、コード表を見てギターの練習をしている様子が見られます。CDや雑誌の拍子にどちらも「ロック」という言葉がついていることに演出の丁寧さを感じさせますね。
明言はされてませんでしたが、先ほどの李衣菜の誤魔化し具合から、またこの後の様子から今までライブハウスに行ったことがないということが推測出来ます。そんな李衣菜がここで初めてライブハウスに向かいます。(恐らく)今までロックに対して興味はあれどあまり行動を起こせなかった李衣菜がライブハウスに来ることが出来たというのはロックの道を進んでいっていることがわかると思います。
ロックな夏樹、そしてロックに憧れを持つ李衣菜が2人が会話するシーンは先ほどもありましたが、今回は影が描写されていません。光の量としては大体の他のシーンと同じで通常程度でしょうか。李衣菜が少しづつロックな道を進み始めたからだと思われます。
本文とは関係ないですがここから画質が荒くなります。ご了承ください。
ロックの道を進み始め、具体的に明言はされていませんでしたが自分の方向性について李衣菜が悩み始めます。その辺りの描写はお仕事中にも関わらず指示を聞き逃したり、みくの話を全然聞いていなかったことからも表れています。
みく「もしかして悩み事?みくは李衣菜ちゃんのパートナーなんだから、力になりたいにゃ。」
李衣菜「みく....ごめんね、最近ちょっと寝不足で。全然!悩みとかじゃないから」
みく「ほんとに?」
李衣菜「ホントホント。舞踏会に向けて気合い入れないとね!」
実際は悩みがあるにも関わらずここで嘘をついてしまいます。嘘をつく前の構図は次のようなものでした。
嘘をついてしまった後は、その前と比べて2人が画面の中心からズレている構図になっています。ここから李衣菜の動揺が表現されているように感じられます。
また、その後のみくの「ほんとに(悩みじゃないの)?」という問いかけに答える際にも目線が映されていないことからも、嘘をついていることや動揺が読み取れます。
李衣菜のお部屋の壁を見てみると、アスタリスクとロックのポスターの比率が半々であることがわかります。まさに李衣菜の心情を表現していて、どっちの道に進むのかの悩みが読み取れます。
李衣菜の目が描かれていないこともそのことを助長しています。
李衣菜「何やってんだろ....わたし」
先ほどのみくとの会話かで李衣菜自身が言っていたように舞踏会に向けて頑張らなければいけないとわかってはいるのに、ロックの道を進もうとしています。このことに対してのセリフだと思われます。
(前略)
みく「きっと悩みがあるに違いないにゃ。ねぇ、なにか心当たりない?」
李衣菜がいくら嘘をついたとしても、パートナーのみくとしてはやはりわかる様子で他の人にその原因を聞こうとしていました。結果として杏の言葉を聞き、みくは「自分のやりたいことを押し付けすぎたせいで李衣菜が上の空になっている」という結論を出します。
その頃、李衣菜はというとやはりまだ悩んでいるからかふとため息をついてしまいます。しかし、蘭子に聞かれたことに気づくとすぐに「なんでもない!」と取り消します。
みく「きょ、今日はいい天気で気持ちいいにゃ!」
李衣菜「あ、あーうん!そうだね」
みく「で、でもー明日は、雨になりそうにゃ!」
李衣菜「そ、そうなんだ、傘持って出かけなきゃね」
常に目線が描かれないことや、いつものようにケンカをせず上辺の会話しか出来ていないことからも2人がいつもとは様子が違うことがわかります。みくは「李衣菜に自分のやりたいことを押し付けている」と思い込み、李衣菜は自分の進む道に悩んでいるためかお互い内容のない会話になっています。飲み物に注目してみると2人とも同じ飲み物であり、これまでのように違う飲み物が置かれておりません。ここからもいつもの調子とは違うということを推測することが出来ます。
みりあ「2人共、なんかへん」
未央「悩んでるっぽいって話は聞いてたけど....確かに普通じゃないね」
卯月「なんだかぎこちない感じですよね」
莉嘉「うん、だってケンカしてないもん」
きらり「うっきゃーってケンカしてゆほうが、ハピハピな感じだにぃ」
未央「いつもならそろそろ『解散にゃー!』って言いそうなもんなのに」
凛「確かに」
莉嘉「これじゃアスタリスクほんとに解散しちゃうかも」
卯月「え!?莉嘉ちゃん、解散なんて言っちゃダメですよ」
未央「しまむー、冗談に決まってるじゃん」
卯月「あ....で、ですよね」
アスタリスクの2人がいつもと違うということがここで明示されています。
また、ここで注目するのは島村さんの反応についてです。1人だけ「解散」という言葉に過剰に反応していました。未央に「冗談」と言われたものの、3枚目のカットから見えるように島村さんは汗をかいていてそこに「解散」という言葉に対しての不安のようなものを感じさせます。冒頭の凛、奈緒、加蓮のレッスンシーンでも不安気な仕草が身体に出ていたように今後の物語でこの辺りのことが扱われそうな気もします。
常務の話を聞くと、アイドルロックバンドを立ち上げるものの、楽曲面やビジュアル面は全て一流スタッフを用意するとのことです。しかし、その反面バンドの方向性などもアイドルが決めることが出来ない状況でした。そのことについて夏樹は不満を抱いている様子です。
プロデューサー「なるほど....多田さんが悩んでいる原因がわからないと」
みく「うん....」
プロデューサー「一度3人で話をする場を作りましょうか?」
みく「....ううん、本当に大事なことだったらきっと李衣菜ちゃんは話してくれると思うの。李衣菜ちゃんを信じる。Pチャンもみく達を信じてほしいにゃ!」
プロデューサー「....わかりました」
みくは李衣菜のことを信頼してか、向こうから話してくれることを待つことを選択しました。みくとしても自主的に李衣菜のほうから言ってほしい気持ちもあるのかもしれません。
信頼しているとしても、周りの人に聞いて李衣菜が上の空であった理由を聞こうとしていたことからやはり不安であることには変わりはないそうです。そのためか「本当に大事なことだったら」から「李衣菜ちゃんを信じる」までのセリフの部分に関しては顔が描写されていませんでした。(下記画像参照)
しかし「Pチャンもみく達を信じてほしいにゃ!」というセリフに関してはきっちり顔が描かれ(下記画像参照)、その意志が伺えます。ちょっと不安だけどパートナーとして李衣菜を信じたい、そしてプロデューサーにはアスタリスクのことを信頼してほしいという気持ちが表れていました。
さて、夏樹のバイクに乗っていった李衣菜のシーンに移ります。
夏樹「気晴らししたくなると時々来るんだ」
李衣菜「へぇー。気晴らし?なんかヤなことあったの?」
夏樹「いや、ちょっとな」
気晴らしというと先程の常務の件が思い返されます。やはり何かしら思うところがある様子です。
夏樹「ギター弾いてるか?だりー」
李衣菜「うん!最近よく弾いてる!CDの真似してみたりするんだけど難しくて....」
夏樹「そりゃいきなり上手くはならねーだろ」
李衣菜「でも!絶対上達する!で、この間のライブみたいなキンギンのカッコいいステージをいつか私もやるんだ!」
夏樹「カッコいい、か。やっぱロックはカッコよくなきゃだよな」
李衣菜「うん!そうだよ!」
夏樹「だりーと話してっとなーんかホッとするな」
これまで触れてきたように夏樹と李衣菜が会話するシーンではだんだん光の量が多くなっています。初めの時は影でしたが次に通常程度、そして今回は夕日の光を浴びていることがわかります。セリフからわかるようにギターの練習の練習をし、そして今後の心からやりたい夢を話し始めます。心からやりたい夢を話しているということは、初めの興味はあれど具体的にやることがわからない初期と比べて、ロックに対する想いが非常に強くなっていることがわかります。その"想い"を表現するかのように李衣菜の真後ろに夕日が描かれ、夏樹視点ではさながら李衣菜が夕日のように見えている構図になっています。この李衣菜のロックに対する想いが夏樹に伝わったからこそ、夏樹もホッとしたのかもしれません。ここではなぜホッとしたのかについて明示されませんでしたが、飽くまでも自分の想像ですがもしかしたら李衣菜のように初心のころを思い出していたのかもしれません。
ここまでのアニメ内では登場しませんでしたが、李衣菜には「Twilight Sky」というソロ曲があります。今回の夕日はまさにそのTwilight Skyを表しているようでした。この歌には「巧く歌うんじゃなくて 心を込めて歌うよ」という歌詞があります。会話を聞く限りでは李衣菜はギターの練習をしているもののまだCDの真似が難しかったりと「上手い」と言える領域には達していない様子です。それは夏樹の「そりゃいきなり上手くはならねーだろ」というセリフからも明示されています。しかし技術はともなっていなくても、その想いは非常に強いものとして描かれています。まさにこの状態がTwilight Skyを表しているのではないかと自分は考えました。
ではシーンを進めます。
夏樹「お前もウチのメンバーに入ればいいのに」
李衣菜「え?」
夏樹「ムリか。お前には別のユニットがあるんだしな。アスタリスク、だっけ?」
李衣菜「う、うん」
夏樹「だりー?」
ここで李衣菜の今回の悩みが浮き彫りになります。ロックという道を目指すも、アスタリスクというユニットもあり、今後どのようにするかという部分です。
またここでの夏樹についてですが、無理とわかっていても李衣菜を誘っている辺りに、組んでみたいという本心が読み取れます。
美波とアナスタシアから李衣菜が夏樹のバイクに乗っていたという情報をみくは偶然知ってしまいました。今まで李衣菜の悩みについてはみくは知らなかったのですが、夏樹についていったということで李衣菜の悩みについて察することが出来た様子です。
一方、李衣菜はというと先ほど浮き彫りになった悩みについて考えている様子です。
アスタリスクのライブまでシーンを移します。
みく「よーし!」
李衣菜「えっ?」
みく「今日のライブ、最高に盛り上げるにゃ!」
李衣菜「う、うん!」
李衣菜の悩みを知ったみくは、他に掛ける言葉が見つからなかったからこそ、この必要最低限のセリフしか言うことが出来なかったのだと思われます。
プロデューサー「多田さん、どうかしましたか?」
李衣菜「プロデューサー。あ、あの....ううん、なんでもない」
李衣菜はプロデューサーに対して悩みを言いかけましたが、なんでもないと言い去ってしまいました。これに対して一瞬追おうとするも「みく達を信じてほしいにゃ」という言葉を思い出し追うことをやめます。
ライブ中に衝突してしまい、楽屋でそのことについて謝っているシーンまで移ります。
みく「ほんとにごめん!みくのせいでライブが台無しにゃあ。ごめん!李衣菜ちゃん!」
李衣菜「そんな、いいよ。大したことなかったんだし」
みく「よくない。良いライブにしようと思ったのに、みくのミスにゃ」
李衣菜「いいって。ちゃんと盛り上がったじゃん。気にすること....」
みく「良くない!」
李衣菜「!....みくちゃん....?」
みく「みくだってわかってるよ。李衣菜ちゃんがロックに本気なんだって。もっともっと本格的にロックやりたいんだって。だったらほんとはみくなんかより....でも、だから、だからこそ、みくはもっともっと頑張らないといけないの。李衣菜ちゃんが迷わないように。このユニットでよかったって思えるように....みくが....頑張って最高のユニットにしなくちゃ....」
李衣菜「もう.....バカ!!!!」
みく「!」
李衣菜「人の気持ちを勝手に決めないでよ!!みくちゃんとユニットを組むのは、私が自分で選んだことなんだから!」
みく「でも....アスタリスクはロックだけじゃないし....ほんとはもっと、夏樹ちゃんの新しいユニットみたいな....!」
李衣菜「いつも言ってるでしょ。自分がロックだと思ったらそれがロックなんだって。アスタリスクが、私にとってのロックなの。ユニットなんだから、一緒に頑張らなきゃダメじゃん。そんな心配させる私こそ、パートナー失格だよね....ごめん....」
会話からわかるように、李衣菜はアスタリスクとして進んでいくことを決めます。「自分がロックだと思ったらそれがロック」という言葉から、最初に提示されていた「自分自身の中のロックを見つける」という問題を解決することが出来ました。
そして重要なキーワードとして「みくちゃんとユニットを組むのは、私が自分で選んだことなんだから!」というセリフを取り上げます。
2期が自分自身の力で進むというテーマになっているというのはここまでの記事で何度も書いているように、19話もそのことについて見られます。李衣菜は当初あった悩みは誰にも言っていないことがわかります。ため息を聞かれた蘭子にも、ロックの話をしていた夏樹にも、一瞬言いかけたが結局言わなかったプロデューサーにも、そしてパートナーであるみくにも自分から言うことはありませんでした。セリフにもあるようにみくとユニットを組むというのは、まさに自分で決めたと言えるでしょう。このことから19話も2期のテーマを回収していると思います。
時計が進み53分を指します。前回が52分だったので確かに1分進んでいるのですが、結局のところ全体で見ると1分遅れているんですよね。前回と前々回を52分と考えると凸レーションとCandyIslandの成長度合いを同じだと示唆しているという考えは出来そうですが....といった感じでしょうか。ここのズレに関しては今後の物語に注目していきましょう。
シーンを進めると階段を駆け上がる李衣菜が描かれていました。
自分自身の力で進み、自分の中のロックを見つけ見事成長した李衣菜を示唆しているのではないでしょうか。
みくとのやり取りを聞いていた夏樹から伝言をもらいライブハウスに向かいます。
夏樹「よう!来たな」
李衣菜「うん....」
夏樹「ここ、デビュー前からよくバンド仲間とライブやってたんだ。とにかくロックがやりたくってさ。ノッてくると何時間でも夢中になって歌って。めちゃくちゃだったけど、楽しかったな。このステージでだりーと歌いたいと思ってさ」
李衣菜「あのね、なつきち....やっぱり私....!」
夏樹「ロックだと思えばそれがロック、だよな?」
李衣菜「....!聞いてたの?」
夏樹「お前の想い、響いたぜ。おかげでアタシも、吹っ切れそうだ」
李衣菜「え?」
夏樹「だから、解散ライブだ。だりーとなつきち、1度きりの」
まず、2枚目のカットについてです。夏樹と李衣菜の立ち位置、光など全てが対照に描かれています。李衣菜が暗く扱われていることから、恐らくこれは最初のころの夏樹と李衣菜の関係性を表しているのだと思われます。ロックなアイドルとそれを目指す女の子といったような構図です。この話は少し先のシーンで用います。
また、3枚目のカットを見るとライトが強調されています。ロックにとってライブする場所こそが輝くための舞台であり、そのことを端的に表していることがよくわかります。
ではセリフについて触れます。
夏樹の「吹っ切れそうだ」という言葉は2つの意味で使われているのではないかと思います。1つはアイドルロックバンドについて、もう1つが李衣菜とバンドのメンバーになることです。
前者についてはもう少し先のシーンでお話します。
後者については、バイクに連れられた時に無理だとわかっていても夏樹が李衣菜をバンドに誘ったシーンから、夏樹が李衣菜と組んでみたいという気持ちがあったことは推測出来そうです。そして李衣菜はその道ではなく、自分の中のロックはアスタリスクだという結論をつけました。そのやり取りを聞いた夏樹は、最後に組んでみたいという気持ちを吹っ切るために1度きりだけの解散ライブを提案したのだと考えられます。
そしてその解散ライブのためにシンデレラプロジェクトのメンバーがライブハウスに呼ばれました。
夏樹「イエーイ!みんな!来てくれてサンキューな!!今日は盛り上がっていこうぜ!1日限りの限定ユニット、『にわかロック』よろしくぅ!」
李衣菜「に、にわか!?」
夏樹は李衣菜のことを 「にわか」と見抜いていたことがここで明かされます。これもどのタイミングで「にわか」だとわかったとは物語内では明確になってはいませんが、最大限ににわかっぷりを発揮していたのが今回の冒頭だったので恐らく最初から見抜いていたのかなぁとは想像できそうです。
そして先ほど、「ロックなアイドルとそれを目指す女の子」と示したように、その目指していた女の子がロックの舞台に上がることができます。
「ロックなアイドルとそれを目指す女の子」の構図が最初を表していたように、「その目指していた女の子がロックの舞台に上がることが出来た」構図はまさに今の状況を表していると考えられます。李衣菜は自分自身のロックを見つけることで成長し、この舞台に立てたのだと思います。
Øω/Øer!!の「君と 君と 君とさぁ進もう」という歌詞に合わせて上記のシーンが挿入されます。李衣菜が自分の中のロックを見つけ、アスタリスクと進むこと結論づけた今回のお話を象徴するかのようなシーンで、歌詞に合わせみくと手をつなぐことでそのことを表現しています。
これも全然関係ない話ですけど、動きが入ると特に画質が荒くなりますね。すみません。
ここからシーンを進めて、常務と夏樹の会話に移ります。
常務「バンドを抜ける?」
夏樹「あぁ」
常務「どういうつもりだ」
夏樹「誰かの言いなりで歌うのが、アタシにはロックとは思えないんでね」
常務「自らチャンスを捨てるとは、理解できんな。わかっているだろうな。次があるとは思わないことだ」
夏樹「チャンスは自分で掴むもんだろ?それにちょっと面白そうな企画に誘われたんでね」
もう1つの吹っ切るという話はここにかかってきます。誰かの言いなりになるバンドに不満を持ちつつも、すぐに辞めるとは言い出せなかった夏樹は気晴らしとして李衣菜とバイクで出かけました。すぐに辞めないで気晴らしに行くということは、(作中内に明確な描写はありませんが)恐らくそこには辞める辞めないの葛藤があったとは思います。しかし、李衣菜の「自分がロックだと思えばそれがロック」という言葉を聞き、それを吹っ切ることが出来ました。常務との会話ではその言葉を逆に使い「自分がロックとは思えない」ということで辞めることを決意することが出来ました。
さて、夏樹が去った後に常務のPCに次の画面が表示されました。
凛、奈緒、加蓮の3人で、シーンを振り返ってみるとその3人のレッスン中の部屋に入った常務は一瞬何かに気づいたかのように立ち止まりました。(下記画像参照)
凛奈緒加蓮自身が、そしてそれを聞いていた未央も褒めていたようにこの3人の組み合わせは非常に魅力的であるということが示されています。恐らく常務も同じことを感じユニットを組ませようと考えたのではないでしょうか。
EDに入る前の夏樹に注目するとヘッドホンを首にかけています。
いつもヘッドホンを首にかけている李衣菜のおかげで夏樹は行動に踏みきれたため、その影響をもしかしたら表しているのかもしれません。
EDに入ると突然菜々さんが増えます。
しかし今までの話を考えてみると、EDの担当は既存ユニット+そのユニットに大きく関わった人物でした。凸レーションなら美嘉、CIなら幸子といった具合にです。
ではアスタリスクは考えてみると、みくに大きく関わった人物は菜々さんで、李衣菜に大きく関わった人物は今回のお話で登場した夏樹です。アスタリスクは他のユニットとは異なり、全く違う2人が組んだために他の同じ人物が大きく関わるという形式が取りづらいために1人1人異なる話で扱われたのだと考えられます。そのため、菜々さんが今回いるのではないでしょうか。
以上で考察っぽいなにかを終了します、以下からは感想です。
感想
前回もお話しましたが、やっぱりここのメンバーの扱いがなんか普通と違いますよね。どうにも物語に絡んでくる気しかしません。
ここの知ったかぶり言動としぐさが過去に自分も似たようなことをやった記憶があってつらかった
松永涼さん声ついてる....!!!!!!
そういえば輝子のメタルモード(?)みたいなのがアニメに出るのって初でしたよね。これまでに少しだけ出てきた輝子のことを覚えてた新規の方とかすっごい驚いたんだろうなぁとか、そもそも輝子って気づけるのかなぁとか考えていました。「紅」をカバーしちゃうくらいにはメタルなアイドルです。
アスタリスクポーズ
だりーなとなつきちが片手でやってるのがなんかロックって感じだ(?)
というか突然のうさみんで驚くよね....!
冷静になってみるとうさみんがいる理由はわかったけど、一瞬本当になんでいるのかわからなかったです。
では軽く全体の感想を。
なつきちめちゃくちゃカッコよかった....!!!!!!!14話の記事でこれからなつきち出てくれないかなぁみたいなことを書いてたんですけどまさかここまでガッツリ登場するとはって感じです。ギターだったり、最後の解散ライブのシーンがだいすきです。にわかと見抜いていてもロックに対する想いを見てくれるのが素晴らしすぎるんですよね....!
そういえばなつきちの声優さんって、他番組なんですけどアイカツ!のさくらちゃんの役なんですよね。最初EDのクレジットで名前を確認した時自分の目を疑いました。声優さんってすげー(粉)って感じです。
一言一言のセリフの言い方が本当にかっこよくて19話のまとめやってる時が非常に耳が最高って感じでした。個人的に文脈に依る「だりー」のイントネーションの違いとかすごいすきです。「OKなつきちだりーでいこうぜ!で、だりはどんなの聴くんだよ?ロックは」のところの「だりー」と「だり」が特にすきです。あと「いこうぜ」の言い方。
これだけでなんか文が埋まっちゃいそうなのであと1つ、夏樹のセリフのイントネーションですきなのを挙げるなら「お前の想い、響いたぜ。おかげでアタシも、吹っ切れそうだ」のセリフがカッコよすぎて、男なんですけどキュンキュンしてました。
木村夏樹にありがとう。
あとはもうとにかく興味から行動に移すようになって李衣菜のロックにだんだんはまっていく姿ですよね。よかったです。「Twilight Sky」の描写はひたすらずるかったです。
19話にありがとう。
眠いからかなんかいつもより感情に身を任せた感想になってしまいましたが以上になります。
ここまで読んでくださった方はありがとうございました!
19話を終えて1冊個人的におすすめしたい本があるので(勝手に)紹介します。
所謂同人誌と呼ばれるカテゴリなので、得意でない方はリターンしてください。
こちらの作品なんですけど、19話の構成がすきなような方ならきっとこういうのもすきなのかなぁとは個人的に思います。非常におすすめの一冊です。ネタバレが出来ないので、とりあえずサンプル読んでみてください!
サンプルに描いてある範囲で、ある程度自分が書くならば、半分裸足な李衣菜が描かれていること、アスタリスクを組んだ後ということから、アイドルにはなったけどまだそこから自分がやりたいことを成せていない李衣菜の姿が想像出来ると思います。この作品はそんな李衣菜がもう片方の靴を履くための成長の物語となっています。
最後にTwitterで書いた感想ツイートを載せておきます。上に自分が書いたことと大体一緒なのと、若干のネタバレですが気にしない方は読んでみてください。
サークル:ミズイロ革命 様
— tki (@tkihorolo) 2015年8月17日
タイトル:Twilight
ロックなアイドルとしてまだ成りかけで、まだ半分裸足な李衣菜が成長する物語。劇場を絡めた最後の展開とそこまでの李衣菜の成長が描かれていて非常に楽しく読むことが出来ました!李衣菜が好きな方に個人的に是非おすすめしたい本です。