淡さを形に

面白い作品を面白いと言うだけのブログです.考えたことの備忘録として使うのが主 .考察っぽいことや演出とかに触れることもありますが別段その手のものを勉強しているわけではないのでかなり適当です. Twitterでは@tkihoroloのアカウントにてたまに話してたり話してなかったりします.コメント等あればTwitterにリプ投げてくれると嬉しいです.

想いプレゼント 佐久間まゆを考える話

4周目SSRとして実装された想いプレゼントのコミュ,カードのセリフから佐久間まゆちゃんがどう描かれていたのかを考えます.

バレンタインというテーマから何を描いていたのか,佐久間まゆという女の子だからこそできるこのお仕事,衣装やスキルから考えられることなど,自分の解釈を述べていきます.

目次

バレンタインというテーマが描くもの

なぜ今回の佐久間まゆは「バレンタイン」というテーマが描かれていたのか,についてです.「登場タイミングがそうだったから」,「まゆは恋愛感情を持っているアイドルであるから相性がいい」,なんてところからもう少し踏み込み,今回の佐久間まゆがバレンタインを通してどのように描かれているのについて考えてみます.

ふたりきりのバレンタイン

特訓前のカードでは一貫してまゆの「恋愛感情」に焦点を当てられています.ひとまずそこについて考えてみます.

さて,今回のカードではなんとふたりきりでまゆとPは仙台に来ています.というのも次のセリフで示されています.

東京じゃなくて,仙台なら…邪魔が,入りにくいかなって…♪
仙台に訪れるまゆとP

ふたりだけのバレンタイン.素敵な思い出,日記帳に書きましたから…
ふたりだけのバレンタイン

今回のバレンタインでは正真正銘ふたりきりのシチュエーションです.モバマスのカードになりますが,過去にもバレンタインが描写されたバレンタインパーティーのカードが存在します.しかし,名前からもわかるように"パーティ"でありこのカードではふたりきりではないことがわかります.バレンタインパーティーのセリフには「バレンタインも2人きり…ですよ?」とありますが,ここでは真の意味でふたりきりなわけでなく,まゆがP以外が見えていないからふたりきりであった,と捉えるのが妥当でしょう(その後恋愛シンドロームに繋がることや,ソロCDでのドラマパートで同様なことを述べていたことからもこれは言えるでしょう).

また,デレステのバレンタインではルームにいるアイドルにチョコをもらうという形式を鑑みるに,想いプレゼントのように完全にふたりきりのバレンタインということはこれまでにありません.*1

当然ですが,バレンタインは好きな相手に自分の想いを伝えるイベントです.つまるところ,「恋愛感情」に焦点を当てたイベントとも言えるでしょう.ゆえに,今回のカードでは「ふたりきり」のシチュエーションが描かれているのだと思っています.ふたりきりだからこそ,自分の特別な想いを相手に伝えられ,「貴方が好きです」という気持ちを強く描くことができます.

佐久間まゆはご存知の通り登場当初からPへ恋愛感情を持っていた女の子です.特訓前のPとのバレンタインではその純粋で一途でまっすぐな「スキ」という気持ちを強調して描かれています.どのセリフにおいてもそれは言えますが,その中でも以下のセリフは顕著かもしれません.

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まゆの純粋な「スキ」というキモチ

ではなぜ今回のカードでは佐久間まゆの「恋愛感情」を強く描いたのか,描く必要があったのか.これにについては特訓後のテーマにて述べます.

想いを知っているからこそ背中を押せる

まゆがハートを届けているイラストの構図からも読み取ることができますが,特訓後のテーマは次のセリフで示されています.

大切な人へ、想いを届けたい。そんな素敵な願いを、スイーツで叶えましよ う。…ふふ、このCMで誰かの背中を押せたら、嬉しいですね♪まゆは、恋するみんなの味方ですよ♪
まゆは恋するみんなの味方

特訓後のまゆは恋するみんなの背中を押す役として登場します.これこそが今回の想いプレゼントというカードで描かれているテーマだと考えられます.

特訓前でまゆの恋愛感情が強く描かれていたように,佐久間まゆは非常に一途で純粋な恋をする女の子です.もちろんこれは特訓前だけでなくこれまでの描写からも言えるでしょう.アイドルマスターシンデレラガールズにおいて,初めからPへ恋愛感情を持っていたアイドルは佐久間まゆが唯一であり,佐久間まゆを考えるにあたって「恋愛」という言葉を除くことはできません.それほどまゆと恋愛は密接な関係にあると言えます.

だからこそ,まゆは「スキ」という感情の大切さを知っています.自分が「スキ」という気持ちを知っているからこそ,それがどれだけ素敵で,どれだけ純粋で,どれだけ輝いている感情なのかを理解することができます.誰かの「スキ」という感情を大切にすることができます.これを表したのが次のセリフではないでしょうか.

「スキ」という感情を大切にできるまゆ

また,同時に佐久間まゆは「この恋は叶わないかもしれない」という気持ちを知っているアイドルです.モバマスのカードを出すならば永遠のキズナ,夏の秘めごとなんかはその気持ちに焦点を当てたカードとなっています.デレステで述べるならTrust meの5話で語られていたセリフが顕著でしょう.以下にそのセリフを示します.

まゆが背負っている恋

だからこそ,まゆは「誰かを好き」という恋愛感情を持つと同時に「これは叶わないかもしれない」という相反する切ない感情を持つ女の子であると言えるでしょう.故に心から「誰かの好き」を応援できます.バレンタインで「大切な人を想う誰か」を応援することができます.

だってスキが素敵な感情だと,誰かを想う幸せな感情だと知っているから.同時にそれが叶わないことの切なさを知っているから.自分がその感情を痛いほど知っているから.そのキモチができるだけ多く実るように心から願うことができます.多くの「大切な貴方を想うキモチ」を応援することができます.佐久間まゆという女の子だからこそ想いに共感でき,佐久間まゆというアイドルだからこそ,想いを応援できます.この想いプレゼントはそんな佐久間まゆちゃんだけができるカードだと,考えています.

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女の子としてスキを理解し,アイドルとして応援できる「佐久間まゆ

今のまゆ,未来のまゆ

想いプレゼントでは「今のまゆ」にフォーカスされた描写が多くなっています.例えば「今日だけのプレゼント」という特技名であったり.そして,次のセリフのように.

今は,まゆのキモチだけを見てください,Pさん…

これ以外にも「今」を強調したセリフが非常に多くなっています.

「今のまゆ」という言葉はフィールマイハートでも使われていました.それが次のセリフです.

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今のまゆは,あなたにふさわしくない

フィールマイハートは「今のまゆはあなたにふさわしくない」からこそ,プロデューサーが望む「最高のまゆ」になれるよう自分を磨くカードです.「未来のまゆ」をあげることを目標としているが故に,「今のまゆ」はあげられません.

この構図は特訓コミュからも見ることができます.それが次のセリフです.

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今はなにも渡せないことがもどかしくって

そして,「未来のまゆ」という構図は今回のシンデレラガールズ劇場わいどからも読み取れます.

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ちょっとだけ目線が上を向いていて「未来のまゆ」を見ている

「未来のまゆ」とは上記のセリフやフィールマイハートからもわかるように「最高のまゆ」,すなわち「トップアイドルで輝くまゆ」です.プロデューサーがアイドル佐久間まゆと目指していく姿であり,プロデューサーはプロデューサーだからこそ,そこに向かって進んでいきます.進んでいくが故に「未来」をいつも見ています.そして,見ているのは「アイドル」の佐久間まゆです.エヴリデイドリームの歌詞を用いるなら「2人 いっしょの時でも 明日の向こう側を見てる そんな横顔」です.横顔ではまゆを見ることはできなません.

しかし,そんな「素敵に思っている横顔」でも,今この瞬間だけは,ひとりのアイドルとして込めた尊敬や信頼のキモチ,ひとりの女の子としてのスキのキモチを,「今のまゆ」が精一杯込めた全ての想いを見てほしいと願ってプレゼントを贈ります.そんな精一杯の贈り物こそがこの「想いプレゼント」なのではないでしょうか.

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今のまゆが貴方に渡せる,精一杯の贈り物

気持ち/キモチ,好き/スキ

想いプレゼントでは「気持ちとキモチ」,「好きとスキ」で表現が分かれています.(特にモバマスでは)まゆはカタカナと漢字表記で明確に使い分けるきらいがありますが,今回はどのように使い分けられているのか考えてみます.

結論から述べるに,今回の使い分けはかなり明瞭でどちらもカタカナの場合は複数の意味を込めているという点です.キモチならば本来の「気持ち」だけでなくもっと「想い」の意味合いを強めた使い分けを,スキであるならば恋愛だけでなく友情などの意味合いも含めているように思えます.

以下にホーム/ルームセリフを対象に使い分けを抜粋しました.

気持ち

- 素敵の思い出のある服は来ているだけで温かい気持ちになりますよね♪
- 恥ずかしいぐらい真っ直ぐで,いいじゃないですか.「スキ」の気持ちは
- 恋のお話を聞くのは好きですよ.まゆも幸せな気持ちになれますから
キモチ

- 今は,まゆのキモチだけを見てください,Pさん…
- 今日貴方がもらった他の全てより…たくさんのキモチが,こもってます
- まゆのキモチ、せひ召し上かってください。
- 大事に大事に抱えていたキモチを,勇気を出して,飛びたたせるんです
- スキのキモチは人それぞれ.どれも大切で可愛らしい,恋するハートです
- あのお仕事は,まゆのキモチも認めてくれてるってことでしょうか…?
好き

- 恋のお話を聞くのは好きですよ.まゆも幸せな気持ちになれますから
スキ

- 恥ずかしいぐらい真っ直ぐで,いいじゃないですか.「スキ」の気持ちは
- スキのキモチは人それぞれ.どれも大切で可愛らしい,恋するハートです

イラストから見る想いプレゼント

特訓前では「貴方に向けての想いを込めたプレゼント」,特訓後では「誰かの想いを伝える姿を応援する」という意味で「想いプレゼント」というカード名を読みとくことができます.それらについてイラストから考えられたらと思います.

まずは特訓前についてです.

ESPECIALLY FOR YOU

「特別な貴方に」と綴られたプレゼント.バレンタインということで中身はチョコであると思います*2.当たり前ではありますが,バレンタインはチョコをあげるイベントではありません.「貴方が好きです」という気持ちを込めて「チョコ」を渡すイベントです.チョコは飽くまでもその媒体でしかありません.だからこそ,このメッセージから特訓前での「想いプレゼント」というカード名を考えることができます.

次に特訓後.

チョコ色の衣装を纏うまゆ

特訓後のまゆはチョコ色の衣装を身に纏っています.このことから考えるにこのまゆは「チョコ」として描かれているということがわかります.このあたりは次のルームセリフからも同じことがいえるのではないのでしょうか.

つまみ上げて…パクっと,食べちゃいますか?いいですよ?…うふふ
まゆ=チョコの構図が見えるセリフ

先述したようにバレンタインのチョコは「想いを込めたチョコ」です.まゆが恋愛というテーマを背負ったアイドルであり,「スキ」の気持ちを凝縮したような存在です.そんなまゆが「バレンタインのチョコ」として,「想いを込めたプレゼント」の象徴として描かれているのではないか,と思えます.

また,背景には白いバラが9本と赤いバラが4本があることがわかります.

白いバラが9本と赤いバラが4本

赤いバラの花言葉が「愛情・あなたを愛します」,白いバラの花言葉が「心からの尊敬・私はあなたにふさわしい」といった意味があります.

また,本数ごとの意味として,4本が「死ぬまで気持ちは変わらない」,9本が「いつも一緒にいよう」,そして(4+9=)13本には「永遠の友情」 が挙げられます.特に13本の場合,プレゼントとした場合「友達でいましょう」という意味があるそうです.

バレンタインは主にスキな相手にプレゼントを渡すイベントではありますが, 友達同士で渡し合うイベントでもあります.これはまゆのセリフからも見ることができます.

友達とのバレンタイン

このような色んな「スキ」を含めた気持ちを渡すイベントを考えるとバラの色,本数の花言葉もそれらに沿ったものであると考えられます.

更に,言うなればこの色んな「スキ」を含められるようになったのはイリュージョニスタを経てからだと言えるでしょう.イリュージョニスタでは次のセリフが存在します.

深紅の愛だけでなく七色の愛を知ったまゆ

ここで深紅だけではなく七色の愛を知ったが故に,まゆはこのように色んな「スキ」を含めた上でその気持ちを理解できるようになったと考えられます.

最後に,赤のハートを送り出すまゆの姿が特訓後イラストでは見ることができます.

赤いハートを送り出すまゆ

「誰かのスキ」を応援するまゆ,ということを考えるとこのようにハートを送り出す姿はとてもテーマに合うように感じられます.

しかし,なぜ「赤」しかないのか.七色の愛を知り,色んな「スキ」を含めていることを知りながらなぜ「赤」だけなのか.その回答が次のセリフだと思っています.

スキのキモチは人それぞれ.どれも大切で可愛らしい,恋するハートです

このセリフから見るに,まゆにとって「スキ」とは色々含めた上で「恋」である,という構図を見ることができます.佐久間まゆにとって友情含めてそれもまた1つの「恋」という感情であると捉えているのかな,と思います.フィールマイハートで観客の「大好き」を受け止めて,まゆ自身も「大好き」を送ったように.「赤い」ハートを送り出しているのは以上の理由からではないか,と思っています.

深紅と真紅

まゆはこれまで「深紅」という言葉を使ってきました.モバマスのカードですが「深紅の絆」というカードがあることや,イリュージョニスタでも「深紅の愛」という表記を使っています.そこで,次のセリフを見てみます.

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「真紅のこの想い」

まゆが「真紅」という表記を使うのはモバを含めてもここが初めてだったように思えます.では,なぜ「真紅」なのか.

イラストに描かれている赤のハートは「(まゆも含めた)誰かのスキ」というキモチの象徴です.まゆだけのスキではありません.それ故に「真紅」という表記になっているのだと考えました.「深紅」はまゆのキモチであっても,「真紅」は他の誰かのキモチにも存在する純粋な「スキ」というキモチです.語弊を恐れず感覚的なことを言うなればまゆの「スキ」はどこか重みと深みがありますが,他の女の子の「スキ」はもっと明るいものであり,その違いが「深紅」と「真紅」に表れているのだと思っています.

そして,「赤」ではなく「真紅」です.ただの「スキ」ではなく,バレンタインという特別な日に送るキモチだからこそ,その純粋さが「真紅」という言葉に表れているのではないでしょうか.

スキル/ステータスから見る想いプレゼント

さて,今回のスキルとステータスは次のものになります.

スキルとステータス

今回のスキルはまゆには珍しく回復型のものとなります.なぜ回復が選ばれたのか.自分なりの答えとしては「想いプレゼント」だから,だと思っています.今回のまゆは誰かの「スキ」を応援してあげられる存在です.「スキ」というハートを届けてあげます.だからこそ,(ハートを届ける=)ライフを回復するスキルが割り当てられたのだと考えました.

ステータス面も微々たる差ながらViが最高値なのも今回はCMのお仕事であるから,と考えられます(モデルのお仕事などがVi値に関連する傾向が見られる).Daが最低値ではなく2番目なのはちょっとあまりいい解釈が思いついてません.強いて挙げるなら,魅惑のショウタイムでもDaは最低値ではなく2番目だったことと,(話せば長くなるので割愛しますが)魅惑のショウタイムでのスキルがプリンセスだった(=苦手なダンスを含めて能力値が上がる)ことを考えるとダンスが苦手という意識がだんだんなくなってきてるのかな,なんて思ったりはするくらいです.

衣装デザイン

イラストからチョコをモチーフとした衣装ということは考えましたがもう少し細かい部分まで見れたらな,と思います.

オンリーユアキューピッドと同じアクセサリー

まず最初に,さっそく自分で気づけずにTwitterで気づいた*3ポイントなんですけど,オンリーユアキューピッドの衣装とアクセサリーが同じだったとのことでした.

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ピアスとネックレスとセーター

オンリーユアキューピッドと敢えて同じアクセサリーを使っているのはなぜか.

個人的にはオンリーユアキューピッドと重ねているのはとても面白いと感じています.というのも,オンリーユアキューピッドで描かれているテーマが非常に近しいからです.

オンリーユアキューピッド佐久間まゆ

オンリーユアキューピッドでは恋のキューピッドとなったまゆが描かれています.誰かの恋を叶えるのはキューピッドの役目,というのは逆説的に言えばキューピッドが何もしなければその誰かの恋は叶わないということです.それに対してまゆは「イジワル」だと述べています.好きと悲恋の気持ちを知っているまゆだからこそそのセリフが出ると言えるでしょう.でも,改めてですがキューピッドは恋を叶える役目です.そんなキューピッドと誰かのスキを応援する姿は在り方として非常に近いと言えます.今回の想いプレゼントでオンリーユアキューピッドの衣装と重ねて描かれているのはそのためだと考えました.

チョコに秘められたピンク

全体的にチョコ色ですが,ところどころ赤やピンクの色が差されています.

バーバリーチェックに入るピンクのライン

腕に巻かれるピンクのリボン

ピンク色のネイル

リボンにあしらわれる赤いアクセサリー

ここまでに何回か書きましたがバレンタインのチョコは「キモチが込められたチョコ」です.その「キモチ」が上記の赤やピンクに表れているデザインだと考えられそうです.飽くまでも秘められたものであることを考えると主張しすぎないバランスが素敵だな,と感じられます.

左手首について

センシティブな話題ではあるため,先に述べておきますがこれの是非についてここで触れることはありません.また,この描写についてこれまで明文化されたことはなく,その意味については受け手の解釈に委ねられているものでした.だからこそ,本記事でも今回の表現は受け手の解釈に委ねられたものとして扱うこととします.

さて,これまで佐久間まゆの左手首はなるべく隠された構図で出ていました.作画の問題等や,人によって見えた見えないの閾値が異なりますが,本記事では「これまで見えていなかった」とします.同様にこのカードでの左手首表現は「見えた」とします.想いプレゼントのイラスト自体では見えていませんが,3Dモデルでは左手首を見ることができます.

3Dモデル表示での左手首

そもそもなぜ今まで左手首を見せない構図となっていたのか.これについては改めて書きますが,特に言及されたセリフはありません.つまり,この意味付けすらも受け手に委ねられています.

では,自分はこの構図をどのように捉えたのか,というと「佐久間まゆの底が知れない深さ」の暗喩だと思っています.佐久間まゆは兎にも角にも「わからない」存在だと感じています.時には突然車に乗り込んできたり,時には突然お風呂に入ってきたり,時には恥ずかしがって投げキッスしたフリをしていたり.佐久間まゆというキャラ性には「掴んだと思っても幻だったような,掴みきれない秘匿さ」があるのだと考えています.だからこそ,なにか突然アクションをしてくることにも魅力を感じるし,もはや手の上で転がされているのか?と感じることもあります.魅惑のショウタイムとかは顕著でしょう.どこまでが本気かわからないし,まゆ自身もどこまで見せるかの情報を制御しています.これはメモリアルコミュ5の日記の件なんかも同じことが言えそうです.何度も言うように兎にも角にも「わからない」.そのダークさと深さが彼女の魅力であり,常に左手を隠すことで「なにかまだ知らないことがある」ことの表現だと感じています.

では,なぜこのカードで左手首を見せる必要があったのか.自分としては「この衣装は佐久間まゆちゃんが等身大の女の子として,恋するどこかの女の子を応援するためにあるから」だと捉えました.この仕事には,この衣装には明確な相手がいます.それは「恋するどこかの女の子」です.

これはまゆが「まゆ自身として」のお仕事です.なにかの役を演じているのではなく,ここで描かれているのは佐久間まゆという「1人の女の子と1人のアイドル」が行う仕事です.「1人の女の子と1人のアイドル」として,「恋するどこかの女の子」に,「心の底から」応援をしています.だからこそ,今回「底が知れない」暗喩表現としての「隠れた左手首」がないのだと自分は考えています.恋の楽しさと切なさを心から知っているからこそ,同じ恋する女の子として全力で応援をしてます.曇りひとつなく純粋にその恋を応援できる「佐久間まゆ」を描くべく,左手首を敢えて「見せる」構図にしているのだと感じられました.

「恋するどこかの女の子」を応援するという構図は先述したようにオンリーユアキューピッドでも描かれています.しかし,これはキューピッドを演じた佐久間まゆです.佐久間まゆという女の子が等身大の気持ちで応援をするわけではないので,左手首の暗喩表現をなくす必要性がないと自分は思っています.更に,言うなれば過去にハートリーディボートでは何かの役を演じたわけではなくCMに出たまゆが描かれていました.ですが,こちらもオンリーユアキューピッドと同様に自分の想いの底を見せる必要性がそこにないように思えます.このCMで対象としている相手が「心から応援できる」のか,と考えるとそうではないように感じられます.

自分の左手首の現状の解釈は以上となります.

その他雑感

要は感想です.セリフとかコミュとかを対象に雑に話していきます.難しいことを考えるのはここから先にありません.いえーい.

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これは290連でまゆを引き,無料単発とおはガチャで天井に行った図です.

これ,これ,初っ端からしんどくないですか........口にすれば困らせてしまう想い.......これと関連があるルームセリフが次の.

ここでプロデューサーが困っちゃうから~~とか考えるのが佐久間まゆなんだよなぁ........

あれですよね,このへんはモバマスで言うところの「ワガママ」という言葉のコンテクストに近しい.

東京じゃなくて,仙台なら…邪魔が,入りにくいかなって…♪

え,これ,やば,やば,やばくない?????最高でしょ.佐久間まゆと仙台行きたい.........好き..........

しかもこれって

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このセリフを考えるとまゆがこの「シチュエーション」を用意してるんですよね.だからこそ,この仙台に来ているのも全部まゆのお誘いなのかと思うと......!

寄らせてください........

そういえば実家と聞いてよく想うんですけどまゆって寮生活なことを考えると紡ぐ想いのイラストに描かれてた暖炉とかって多分実家の背景ですよね.

紡ぐ想い

こういうの見るとめっちゃいいところ住んでるんだろうなぁとか.でもなんか育ちは絶対良いよね.ここに住んでてもなんか納得しちゃう.

これが本当にすきで""""女の子の心情""""って感じ.大切な日だからこそ,特別な景色を見たいんだよ......大切な日は「大切な日」だからこそなにか「特別」がほしいの........

そして「大切な日」だから自分も特別な「とっておきのお洋服」を着るんですよね.......すき.......しかもこの「気づいてくれました?」だよ.

この.......この流れ.........このいじらしさが「佐久間まゆ」っていう「乙女で女の子」なんだよなぁと......!

バレンタインはスキを伝えるわけだけど,まゆとPはアイドルとプロデューサーだからその伝えられたキモチには答えられないわけで.答えたとしてもそれは「NO」になってしまう.だから何も言わずに受け取ってほしい.自分の好きというキモチを否定せずに,ただこの想いを認めてほしい.そんなささやかでいじらしいキモチを抱えている佐久間まゆという女の子が本当に大好きなんです.受け取るという,言ってしまえばたったそれだけの行為にも,まゆはこれだけ喜んでくれてその意味を感じる佐久間まゆが好き.

こういう深紅をいきなり差してくると大好きになっちゃうからやめてほしい(大好き)

だから大好きになっちゃうからやめてほしい

これめっちゃいいよね.まゆ先生.お菓子作りが得意なアイドルで集まって講師役になって他のアイドルに教えてるんだろうなぁと考えると微笑ましい. ということはお菓子作りが得意なアイドルと結構接点があるのかな?とかが推測できる.

こういうセリフがあると最近のまゆだなぁって改めて感じる.お友達と仲良くやっているようでよかった.

このセリフが1番すき.......大好き.......そう,そう,そういうワガママをもっと言ってほしいの......!!

まゆは優しい子だからこういう恋愛感情を出そうとすると「ワガママ」だと言ってなるべく出さないようにするんだけど,こういう風に自分の想うように言ってくれるのが本当に嬉しくて.......

だって下のセリフつらくないですか.....

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今日は貴方に贈り物をしても,困らせない日

「まゆの時間は全部,貴方のためにあるべきだから」と語った上で,それをぶつけることはプロデューサーが困ると知ってるんです.だからプロデューサーを困らせたくないから普段は言わないし言えない.それでも,バレンタインという「キモチを贈る日」にはそんな想いをぶつけても「許される」んです.だからこそその特別バレンタインにめいっぱいキモチをぶつけるために今回のシチュエーションを用意していたのだと思うと本当にかわいいし,精一杯だし,プロデューサーがどれだけスキなんだろうと感じられるまゆちゃんの純粋なキモチが大好きなんです.それ故に「今のまゆ」を見てほしいと伝える.

特訓前 親愛度MAXセリフ

こ,こ,これ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!! ひとりの女の子までは予想できるんだけどひとりのアイドルも含まれているのかと......!本当に,びっくりしちゃって......

でも確かにまゆちゃん自身アイドルを楽しんでいる様子は最近すごく見せてくれているわけで,そこにアイドル佐久間まゆとプロデューサーとの信頼関係だったりいち仕事仲間としての感情がないわけないんですよね.普段の恋愛感情ばかり見ていてここが見事に抜けていた.そんなキモチを含めての今回のバレンタインだったんだな,としみじみと感じられました.

そして「今のまゆを渡せないフィールマイハート」と「今のまゆを渡す想いプレゼント」の対比がしんどすぎる.大好き.

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もう届けてるし届いてる........大好き..........

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これが""""佐久間まゆ""""なんだよな.こういう乙女で一途で夢を見る女の子が佐久間まゆなんだよなぁと.

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佐久間まゆの「スキ」,この純粋さなんですよ.例えば大人なんかは「純愛」とか「なにか大きな夢」を「子供っぽい」とか「現実を見ろ」言うわけだけど,そんな子供っぽくても自分の真っ直ぐな「スキ」感情を肯定してくれる.だって「スキ」の大切さをしっているから.それが佐久間まゆという女の子なのかな,と.

そして「スキ」という表記だからいいんです.「好き」だけじゃない「スキ」,それら全てのキモチを尊重してくれるのが(イリュージョニスタで)七色の愛を知った佐久間まゆに繋がるのだと思ってます.佐久間まゆは他人の「スキ」を大切にできるし,それを尊重できるんだ......自分もそんな人間であれるようにしたい.....

というのと,そんなことを考えると「自分の好き」に向かって素直に向かっている李衣菜なんかは尊敬というか,結構好印象に見てそうですよね.そんな気がした.

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こ,こ,こ,これ...........

今回のお仕事って恋愛をしている女の子じゃないとできない仕事なわけで.だからこそ「恋愛のお仕事」をまゆに託している時点で「まゆがプロデューサーを好き」というキモチがあることを知って認めていることになるんですよね.アイドルとプロデューサーだとしても,そのキモチがあることを認めてあげられる.それこそまゆからの贈り物を(何も言わずに)受け取ったように,まゆの感情を否定することなく明確に否定することもなく,ただそっと認めてあげられるのがすごく良いなぁと感じました.

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いきなり本当に気持ちがしんどくなるセリフをいれないで.......すきだけど........

受け取ってもらえなくなった状態,つまりはそういうことなわけなんだけど,それでも「貴方を想い続けられます」と言い切れるのが佐久間まゆだなって感じがします.

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わー!!これほんとうにすき!!誰よりも「スキ」の気持ちを知っている佐久間まゆちゃんのおかげで誰かの恋愛の応援ができる構図,本当に大好きなんだよなぁ.

だってこれは佐久間まゆちゃんにしかできない応援なんだもん.それが誰かのチカラになってるのってまるで「佐久間まゆちゃんは恋愛をしてもいいんだよ」って言われてるみたいですごく好きで.(モバの描写だけど)恋愛をしちゃいけないのかなってすごく悩んでいたときがあったからそこを肯定してくれるのがすごく嬉しい........

あと,こういう風に誰かの恋愛を応援できるの,トリートオアトリートの「みんなが恋愛していい世界へ」っていうセリフに向けて本当に進んでいる感じがしていいですよね

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今回の佐久間まゆ,とにかく「スキ」を知っているからこそ「スキ」を大事にできるカードなんです.それが自分の好みにど直球で.

すごく個人的なことなんですけど,「誰かの好きを大切にする」,「好きを信じる」といったテーマは所謂女児向けアイドルアニメでよく扱われるテーマです.だからこそ,自分はその手の作品をよく見ます.だってそのテーマが好きだから.

で,そのテーマをこの佐久間まゆは見事に描いてくれたんですよ.......!自分がどうして佐久間まゆをすきになったのか,というのは他の記事で語ってたりするんだけど結構突然好きになったんです.自分でもどこが好きとかわからないけどとにかく好きになっちゃったみたいな.だけど,今回,このテーマで持ってきてもらえたことで,腑に落ちました.こんな風に一生懸命,「スキ」を信じて真っ直ぐに進んでいく女の子,そんな姿に多分自分は惹かれたんだと思ってます.

というのと,今回のカード,出すタイミング上手いですよね.出すタイミングが上手いというのは月末限定3週目が良いという意味ではないです.なにが上手いってこれはTrust meコミュの後だということ.

Trust meコミュの後でなければ「恋が叶わない切なさ」という気持ちをまゆが持っているってデレステで語られないんですよね.なんならデレステで描かれてないということは,こっちのまゆはまだそういう感情に出会ってないのかな?と思ってしまう.

でも,そうでなくてTrust meコミュの後に出してきた.アイドルとプロデューサーは結ばれないかも知れないと示した上で出してきた.だからこそ更にこのカードの魅力が深まっているのだと感じています.このカードでは直接描かれていないけど,「恋が叶わない切なさ」を知っているからこそ誰かの恋を全力で応援しているのかもしれない,そんな姿を想像すること""も""できる.解釈の拡がりを感じました.

あと,バレンタインというテーマが上手いです.恋をしているからこそ応援する女の子を描くなら,まず「恋をしている姿」を強調して描かなければいけない.その中で「女の子から想いを告げるバレンタイン」というテーマを選んでいるのが本当に素晴らしいと思います.描きたいテーマと一致している.むしろそれを見越してこの時期に出せるように月末限定3週目にしたのか??と思うくらい.このテーマにこれ以上合う年間イベントを思いつくことができない.それくらい構成がしっかりしている.

偶然なのかもしれないけど,モバマスのバレンタインパーティーと出た日付が同じなんですよね.あっちも1/31.6年越しにバレンタインテーマの佐久間まゆを描いてくれた.これはすごくありがたいことです.

まゆちゃんの純粋で一途な気持ちを描いた上で,まゆちゃんにしか出来ない「誰かのスキを応援する」アイドルとして描いてくれたことが本当に嬉しいです.さっきも書きましたが,まゆちゃんの恋愛が仕事に活きていると「まゆちゃんの恋愛はしてもいいんだよ」と言われているように思えて幸せな気持ちでいっぱいになります.ここまで散々書いたように,とてもいいカードでした.

おわりに

以上で想いプレゼントを考える本記事を終了とします.

今回のまゆちゃんの描写について,現状の考察・感想を余すことなく全部ぶつけたつもりです.もしもこれを読んでまゆちゃんが素敵な女の子だと,感じてくれる方がいたのなら大変嬉しい限りです.

佐久間まゆ,本当にテーマが良くてこういう風にまとめてるときってふとした瞬間に涙が出ちゃうんですよね.この記事を書いている間にも何回か涙を浮かべてたりします.それくらい魅力的な女の子だと思ってます.何卒,よろしくお願いします.

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それでは,ここまで読んでくださった方はありがとうございました!!!!

余談 自分が考える「解釈」とは

ここは余談です.このカードを考えているうちに改めて自分の思考の整理がついたので.まゆの話は一切ありません.ちょっと個人的な話になります.興味ない人は飛ばしてください.

さて,「解釈」とはその人がどう感じたのか,というレイヤーだけに留まるものだと思っています.解釈という言葉を辞書で引くと「物事や人の言動などについて,自分なりに考え理解すること*4」と出ることからもこれは言えるでしょう.もちろん解釈には正しいも間違いありません*5.だから,解釈は公式の見解と一致する必要はないと思っています.もちろん,他の誰かとも一致する必要もありません.

作品名を出すようですが,アイカツ!というアニメにおいても演出に1から全て意味づけを行っていたりしません.公式サイドのインタビューで「あの演出は特に深い意味は込めてなくアクセントにやっただけなので自由に解釈してください(大意)*6 *7」と言っていたほどです.あれを初めて読んだときは「え,うっそでしょそんなもんなの」って思ったりもしました.だってすごく意味ありげにやってた演出だったものだから.他の作品にもこういったものに限らず,俗にいう「大人の事情」等などによっての描写はありうるでしょう.ちなみにアイカツ!は今でも大好きです.

(それがきっかけになったわけじゃないけど)そんなこともあり,自分は所謂「作者の意図」を考えなくなりました.その代わりに「その演出がその物語に落とし込まれた意味はなにか」について考えています.例えそれが大人の事情とかどういった理由であっても,物語に落とし込まれたことによってどのような影響があるのか,その世界においてどのような意味を為すのかについてを考えています.だからこそ「解釈」になると思っています.自分がどう捉えたか,それだけでしかありません.

今回のカードではこの考え方について改めて見つめ直す良い機会となりました.飽くまでもこれは自分の考え方ですが,もしもこの考え方で誰かのもやが晴れるのならば嬉しい限りです.

*1:もっと言うなればモバのバレンタインセリフとかもあるし確かにふたりきりではあるんだけど,仙台に行くレベルではないよねというアレ

*2:今回はマフラーではないんじゃないかな&ルームセリフでチョコっぽい発言をしているのでそうでしょう

*3:https://twitter.com/thurarin/status/1091295029954375680

*4:https://kotobank.jp/word/%E8%A7%A3%E9%87%88-42466

*5:正しいも間違いもありませんが個人的には妥当性,論理性が伴ったものだと「いい解釈だな」と感じるかな,くらいです

*6:アイカツ!ステージビジュアルブック より

*7:わかる人向けに書くならタルト・タタンの鏡演出の話です