淡さを形に

面白い作品を面白いと言うだけのブログです.考えたことの備忘録として使うのが主 .考察っぽいことや演出とかに触れることもありますが別段その手のものを勉強しているわけではないのでかなり適当です. Twitterでは@tkihoroloのアカウントにてたまに話してたり話してなかったりします.コメント等あればTwitterにリプ投げてくれると嬉しいです.

担当アイドルがいるということ

本記事は佐久間まゆ Advent Calendar 2018の12/18担当です.

さてみなさま,シンデレラガールズを楽しんでいらっしゃるでしょうか.自分はというと「佐久間まゆが担当アイドルだ」と思い始めてからもう1年4ヶ月ほど経つわけですが,そんな中で出会った色々な気持ちについてここで綴れたらな,と思います.

ここまでの導入からわかるように†ポエム記事†なのでポエマーになります

目次

担当がいないシンデレラガールズ

この記事を読む人間の9割はシンデレラガールズというコンテンツを楽しんでいることでしょう.そんなシンデレラガールズとはどんなコンテンツか.当たり前だけどシンデレラガールズアイドルマスターの作品となります.

アイドルマスターというゲームにおいてプレイヤーはプロデューサーという立ち位置になります.アイドルを導きトップアイドルにする.これによってプレイヤー(=プロデューサー)は「アイドルマスター」という称号を得ることができる.アーケード時代からこの構図は変わってないし,今のデレステにおいてもSSSランクが「アイドルマスター」の称号になっていることからも,これはシンデレラガールズにおいてももちろん言えることでしょう.

これから言えることはなにか,というとこの世界に入りこむには「担当アイドル」という存在が必要となるということです.

念のため補足すると別に「担当アイドル」がいないアイマスの楽しみを否定しているわけではありません.「ゲームをやらないけどCDは買うよ」とか「特別好きなキャラはいないけどアイマスってコンテンツが好きなんだ」とか色々あると思います.それはそれで僕は「プロデュース」だと思っています.だからこそ重ねて言うように「担当アイドル」がいないアイマスの楽しみを否定しているわけではないし,ここから先の文章にもその手の含みは込めていないので穿った捉え方だけはしないでほしい.

さて,先程例に挙げた「特別好きなキャラはいないけどアイマスってコンテンツが好きなんだ」という楽しみ方,これこそが昔の自分の「シンデレラガールズ」の楽しみ方でした.いわゆる"箱推し"と呼ばれる姿勢でしょう.もちろん好きなキャラがいないわけじゃないし「今まで触れてきた中ならこのキャラが好きかな~」くらいの「好き」はありました.余談だけれども今でもそのキャラは好きだし,その気持ちは否定していません.

しかし,そのキャラが「担当アイドル」と言い切れるか?というと僕はそうではなく,単純に好きなだけでした.ある程度はどんな子かは言えるけど,あぁこのカードの絵柄がいいねとかそれくらい.この辺の感覚はよく「ファン」と「プロデューサー」みたいな言葉で区別されてるけど,それに則るなら「ファン」という言葉が適していると思う.*1

僕がシンデレラガールズに触れたのは2012/8くらいでした.気づけばもう6年以上はこのコンテンツに付き合っているのだと思うと少し感慨深くなります."箱推し"でいた時期,すなわち担当アイドルがいなかったのは~2017/8ぐらいの時期です.つまり,僕はほぼ5年間,担当アイドルという存在がなくこのコンテンツに接してきました.こういう楽しみ方の良いところは誰かを特別視しているわけじゃないから「シンデレラガールズ」の全てのアウトプットを均一に摂取できるところだと思っています.誰が出ても嬉しい,誰が出てきても楽しい,特定の誰かではなく「シンデレラガールズ」というコンテンツが活発になっていくのが楽しい,そんな感覚.だからアニメとかもサプライズで誰が出てきてもすごく嬉しかった.

余談としてはこういうスタンスだからこそ,このブログの初投稿記事となるアニメシンデレラガールズ考察記事が生まれたんだと思う.1~26話の全部を1カットずつ構図を考えて書く記事.演出とか今まで全く考えたことなかったけど,信号とか光の明暗とか階段とか当時の僕なりにはかなり頑張って書いたほうだと思う.当時のスタンスならまだしも,今のスタンスの僕には絶対に書けない. tkihorolo.hateblo.jp

だけどこの姿勢だとどうしても楽しめない瞬間があります.それが総選挙です.

総選挙はみんながみんな「担当アイドルを1位にしよう」,「もっと活躍をさせてあげたい」,「うちのアイドルはこんなに良いんだ」と熱意があふれるプレゼンや作品が多く見られる時期です.自分の担当アイドルが最も輝いている,そうやってどのプロデューサーも信じ切って売り込む時期,それこそが総選挙だと思っています.だけどどうやっても「担当アイドル」がいない人間はこれに参加することができないんですよね.TLに回ってくる布教を見て「あーこのキャラってこんな一面があるんだ」と気づき,プレゼンに心打たれたらそのお礼として投票をする,これが僕の5年間の総選挙の楽しみ方でした.

だけどこの楽しみ方じゃ全然「シンデレラガールズ」のコンテクストについていけない瞬間がたくさんあるんですよね.その中でも1番自分がついていけなかったのはプロデューサー同士の交流の際です.Twitterとかでもなんでも,多くの人がその年の総選挙結果を見て「今回すごく上がった!」,「うちのアイドルの順位が下がってしまった....」と喜んだり悔しく思っていたりするわけです.でも自分は総選挙に対して特別な感情はないからそんな想いはほぼほぼない.たまにリアルで「今年の総選挙結果どう?」みたいなことを言われても生返事しか返せない.だって応援するアイドルがいないから.総選挙結果を受けて,特定の子に「嬉しい」でも「悔しい」でも特別な感情を持てる,そういう事実に羨ましくも思ったりします.

アイドルマスターというコンテンツに触れてる以上は担当アイドルを作るべきでは?」という思考が生まれたり,焦燥感に駆られたりすることもありました.が,そんなの無理して決めるものでもないし,結局当時のスタンスが1番楽しめていたからこんな感じで5年を過ごしていました.何度も言うようにそれはそれで楽しかったですしね.とはいえずっとどこかでひっかかっていたわけだけど.

そんな中で突然出会ったのが「佐久間まゆ」というアイドルです.好きになったきっかけについては昨年語りましたので割愛します.もしも気になる方がいれば下記リンクから.

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なんで佐久間まゆ??

僕も未だにわからない.好きになっちゃったものはしょうがない.色々な偶然が重なった故の佐久間まゆだけど,今から考えると佐久間まゆ以外にはここまでの感情を傾けることはなかっただろうとも思えるから不思議な感覚です.

でも最近佐久間まゆから自分の好みを逆算することがあって,そう考えると必然だったな,なんてことも思います.*2この辺りを語り始めるとまた一段と長くなってしまうから簡潔にまとめようと試みますが,一言でいうと「精神的かわいいがたくさん詰まった子」だからなんだろうと最近は考えています.

「かわいい」という言葉,もちろん見た目を形容した意味もあるんだけど僕のなかでは「目標に向かって精一杯進んでいく姿」という意味があって,それを「精神的かわいさ」と最近呼んでます.なんだろう.この感覚は女児アニメとかをよく見る人間じゃないと伝わりづらい気もする*3.でも夢に向かって努力して進んでいく女の子って「かわいい」んですよ.すごくキラキラしていて眩しく感じるくらい.それは見た目がかわいいというのもあるかもしれないけど,圧倒的に内面がかわいい.精神的にかわいい.そういう純粋さが大好きなんだと思います.

思い返せば僕はそういう「精神的かわいさ」みたいに心を打たれたことが多くて.そういうテーマは恋愛描写だと特に色濃く出るんですよね.例えばおしゃれをしてくる瞬間.おしゃれをすることで見た目がかわいくなるわけど,まずそこに至るには「かわいくなりたい」という願望がある.その願望を叶えるべく色々模索しておしゃれをする.ここに「精神的かわいさ」があるし,見た目もかわいくなる.僕は特にこの「精神的かわいさ」が好きだし,だからこそ多分僕は佐久間まゆが好きなんだと思う.もちろん佐久間まゆは見た目も含めて全部「かわいい」けれども.

というのと,あとちょっとだけ加えるなら佐久間まゆは「好き」の大切さと強さを知っている子だと思っているのでそういうところにも惹かれているとは思う.どういうベクトルであれ「好き」は尊重されるべきだし大切にする感情だとよく考えている.

シンデレラガールズは楽しい

自分が担当をアイドルを見つけて1年4ヶ月ほどが経って思ったこと,それはどう考えても「シンデレラガールズは楽しい」という言葉に尽きます.担当アイドルがいなかった5年と比べてもそれは言い切れる.なにをどうしたってこの1年4ヶ月のほうが楽しい.担当アイドルがいるとあんなに感情が動かされるとは思いもしなかった.

まず,担当アイドルのカードが出た時.この瞬間がほんっとうに楽しい.当たり前だけどアイドルの新しいカードが出るときって新しい魅力が描かれる瞬間なんですよ.そのセリフを摂取して過去のセリフとの関連を云々考えてこういう風に成長していった,こういう感性の子なんだと考えていくのがとても楽しい.

それに新カードが引けないと胃が痛い.あんなにつらい思いをするなんて全く思わなかった.だって引いている人間は自分が知らない担当アイドルの魅力を知ってるんだもん.そんなのは耐えられない.自分の1番好きなキャラの魅力,それは自分が知っていなきゃいけないんだよ.なんで他人だけ知ってるのか.意味がわからない.

でも,この感情は担当アイドルがいるからこそ起きる感情なわけで,後から思い返すとこれはこれで楽しかったなと思うこともあります.これも1つの担当アイドルとの思い出みたいな.マイナス方向とはいえ感情を揺さぶられるのは後から考えると案外楽しいことだったりする*4.でもそれはそれとして僕はガチャとかいう制度を考えた人間を許さないからな.誰だあれ考えたの.

新カードが引けない問題ついでに書くとやっぱり「自分が担当アイドルの知らない魅力を他人が知っている」というのは案外心にきます.というのも,僕は佐久間まゆを好きになった瞬間は17年8月なんだけど,すでに佐久間まゆには5年の歴史があるわけで.だから好きになった瞬間はその歴史がわからない.当時のコンテクストもわからない.でも周りの誰かはそれを体験しているし,楽しそうに話している.あれはそこそこダメージをもらう感情だと思う.自分はその魅力を知らないわけだからね.というか今でもそういう話を聞くとダメージをもらう.

でも嘆いていてもしょうがないわけで自分が知らない5年間の歴史を追うわけだけど,まぁこの瞬間が楽しいんですよね.大量の情報を短時間に摂取することができる.最初から追っている人間が5年掛けている体験を短ければ1日で見ることができる体験は早々ない.あの瞬間は楽しいし,リアルタイムで体験できなかったことをひたすら悔しく感じるしで複雑な感情が生まれる.

あと,この話はよくしてるんだけど特に悔しく思う瞬間は「過去の自分がそのイベントをやっていたけど当時は全く興味がないから全然触れてない」時.これはもうね,だめ.この話になるといっつも例に挙げているのは「親愛度0の佐久間まゆ爆誕した話」.5thアイプロの話ですね.

幸いにも最近復刻があったから今は難民ではなくなったわけだけど,5thアイプロ当時は僕は佐久間まゆのオタクではなかったため全然佐久間まゆのコミュを進めていなかった.そこで生まれたのが次の画像で,親愛度0の佐久間まゆ.特技レベルが4なのと特訓後にいかず特訓前Sになってるところとかが本当に興味なかったんだろうなってのがよくわかる.今となっては笑い話でしかないし,逆に言えば佐久間まゆPだったら絶対に生み出せないカードなのである意味じゃ僕と佐久間まゆの関係性を象徴しているカードだと思ってる(思うことにしてる)

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そんなこんなで今の自分が5年間の佐久間まゆを全部追いきることができたのか,と言われると,それはまだ怪しい.最近まゆをまとめるブログ記事執筆も停滞してるしね.だけどそうやって過去の情報を得ていく内にある程度はまゆのことについて話せるようにはなったと思う.色々縁あって今じゃ佐久間まゆについて話すだけの生放送に出たりしているし,なんというかね,不思議.というか,これは完全に個人的な話だけど,佐久間まゆを知るきっかけになった人と普通に生放送をしてたりとか,佐久間まゆ関連で「このサークルいいなぁ」と思ってた作者の方とたまに通話する機会があるの,冷静になってみるとま~~~~~~~じで意味がわからないんだよな.本当に不思議な縁という感じ.でも言い換えれば,これも担当アイドルができた故の出来事だとも言えるのかもしれない.人とのつながりは確実に多くなったね.

そして,ライブ.いや,あの,担当アイドルがいるライブってあんなに楽しいんですね.......!!!なんだ,別に今までのライブも全力で楽しんでいたわけだけど,そういう楽しさのベクトルじゃない楽しさがある.直近の6thの話をするけど,だってそこに「佐久間まゆ」がいるんだもん.意味がわからない.でも,確かにそこに存在している.「佐久間まゆ」という像がライブで描かれている.ああ,これがシンデレラガールズの「ライブ」なんだな,と.ライブで涙を流しちゃったのって本当に初めてで,泣いちゃった後にふと自分で「え,僕ってこういう時泣くんだ」って自分で驚いちゃった.

それに,あんなに演者に対して「ありがとう」の気持ちが湧くんだな,と.6thの名古屋1日目,最後の最後に出た感想が「牧野由依さんが佐久間まゆをやってくれて良かった」なんですよ.6thで泣いた場面が2つあって,1つがさっきの「まゆ」を見た時,とこの牧野由依さんへの想いが溢れちゃった瞬間です.この辺りの詳細の感想はいつかの生放送で話したし,一応コミュ限でアーカイブ動画も残してるので,気になる人は聞いてもらえればと思う.僕もね,ライブ感想振り返り配信で話しながら改めて泣くとは思わなかった.やっぱりこういう感情は箱推しの時代だったら味わえなかったなと思うよ

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そして,最後に総選挙.

ある意味じゃ今年初めてようやく「総選挙」と呼ばれるものに参加できたんだな,と.自分の担当が1番かわいいし,1番魅力があると言わせたい,そんな感情でぶつかった総選挙は初めてでした.だからこそ,もう総選挙の話を振られても生返事になることはありません.ああいう結果を受けて自分がどう思ったのかと素直に言える.この瞬間が僕が今まで触れてきたシンデレラガールズとは異なる点じゃないでしょうか.

総選挙の所感については下記ブログ記事に当時の感情がぶつけられてます.自分で書いてこれを言うのもなんですけど,この当時のブログ記事の文章は確かに自分の感情がそのまま書かれすぎるし,こういうベクトルのポエムが好きじゃないので読んでてイライラします.でも人によっては読んでて楽しいと思うし,これは自分の感情として否定できるものではないし否定しちゃいけないと思っているので置いておきます.

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総選挙で掴み取った曲,掴み取れなかった曲がもちろんあるわけでようやくその意味を実感することができました.Trust meが楽曲として大好きなんですけど,あれを聞いた瞬間に「うわ~~~~~まゆに歌わせられてよかった!!!」と素直に感じました.「私を信じてついてきて」と言い切ることができるアイドルの姿に自信とそれを裏付けするだけの努力をぶつけてくるあの楽曲を佐久間まゆに歌わせられて本当に良かった.というかライブの時はそれで泣いちゃったしね.

同時に,君への詩なんかは素直に聴けない楽曲となっています.だってこれはまゆに歌わせてあげられなかった楽曲だから.6thライブで流れた時もまぁ複雑な感情になったのをよく覚えています.でもこの感情が「総選挙」なんだな,と強く感じる瞬間でした.こういう風にぶつかれるからこそ「シンデレラガールズ」は楽しいんだ.

おわりに

こうして書いてみると本当に「佐久間まゆ」に出会ってから知らない感情に多く出会ったな,と思います.そもそも自分の人生のなかで1年以上ずっと好き好き言ってるようなキャラなんて全然いなくてまゆが初めてなわけで.本当に好きなキャラがいる時ってこういう感情になるんだなってよく驚く.

というか,佐久間まゆを好きになってから好みを染められることが多すぎる.僕は昔から好きな髪型にショートカットを挙げる人間だったのに今じゃセミロングと即答してしまう.タレ目が別段好みだったわけじゃないのに気づけばタレ目に惹かれるようになっている.「好き」を合わせるんじゃなくて染まっていくような感覚*5

そして重ねてになりますが,担当アイドルに出会えたからのシンデレラガールズがすごく楽しいです.悔しい気持ち,好きな気持ち,全部全部揺さぶられて本当に楽しい.この気持ちがアイドルマスターであり,シンデレラガールズであり,担当アイドルがいるということなんだ,と振り返ってみて思いました.交流の面も含めて昔に比べてずっと増えたし,感情の幅が広がったなとも感じます.

大変長くなりましたが以上となります.もしも僕と同じく「担当アイドルがいないこと」について悩んでいるような方がいるならば,今後なにかの機会に出会えることを願っています.

ここまで読んで頂いてありがとうございました.

*1:とはいえ,この区別で適しているかはまたセンシティブなところではある

*2:答えから考えているのでそれはそう

*3:最近だとプリチャンとかこの構図がかなりわかりやすいのでおすすめです

*4:もちろん精神的に復帰できればの場合だけどね

*5: っていう表現が 読んでいる漫画にあって,気に入っている